地球圏内で活用されていない空間と言えば、空。
空を活かすという事は空の生態系を脅かすことと同義。
しかし、地上、海と支配する人間が今更ですけどね。
そんな空の領域を使用した作品といえば有名な作品で「天空の城ラピュタ」があります。
天空に土地を持ち、建造物を建て、未知の兵器を持つ。
そんな空に目もくれず人類は火星など地球圏外に居場所を求めています。
今回紹介するレトロゲームは地球人が諦めつつある未来の姿、空の国での奇妙な物語です。
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・東京惑星プラネトキオ
ジャンルアドベンチャーゲーム プレイ人数1人・アスミック・エース エンタテインメント
・アウトサイドディレクターズカンパニー
・1999年8月26日
・PlayStation(プレイステーション)
・無
・CDディスク3枚という大容量でテキスト、演出に特化した作品。
・「LSD」を手掛けた「佐藤理」氏率いるチーム製作の独特の世界観。
・アイテム数うちゃ当たる宇宙人への有効な弱点さぐりの戦闘演出が楽しくてやみつき。
ストーリー
イケン君、宇宙人退治を任命される!
そう遠くない未来のある日、空中に浮かぶ都市「東京惑星プラネトキオ」に宇宙人が襲来した!!
念願の宇宙人ゲットのチャンス到来と立ち上がった、宝琴ハカセに命じられ、ひとり宇宙人に立ち向かうハメになったイケン君。
さて、イケン少年は宇宙人を倒して、無事GFのナオミちゃんを守り通せるのか?
【東京惑星プラネトキオ】説明書より
街を歩けば何かにあたる!奇怪な未来都市「東京惑星プラネトキオ」にようこそ!
あの「東脳」や幻のドリームシミュレータゲーム「LSD」を手掛けた「佐藤理」氏率いるチームがこれまた摩訶不思議なゲームを我々に届けてくれた。
それが「東京惑星プラネトキオ」。
本作は「LSD」と違い、テキストや人の動きがあるため完全にわけがわからない。
夢魔のような世界観とは違い未来の空中都市「東京惑星プラネトキオ」が舞台となります。
しかし、そこは「佐藤理」作品、あいかわらず人を惑わし、惹きつける世界観。
この不安になるようなカタカナと漢字の羅列、電波まみれのテクノサウンド。
意味深で意味深でもない気になるキャラクターたち。
そんなおかしな未来の街を冒険しよう!
本作は空中都市「東京惑星プラネトキオ」に宇宙人が襲来しやっつけ…はしない…
主人公「イケン」は「私設プラネトキオ防衛隊」の隊員。
これまた不安になるデザインとまつ毛長っ!
「私設プラネトキオ防衛隊」とは「来来軒」の奥にある「宝琴ハカセ」の実験室を本部とした団体。
宇宙人の襲撃からプラネトキオを守る、今回の一件がなければただの痛い電波組織だがついに日の目を見る時がきてしまった。
そんな怪しい団体だが団員はイケン君一人とまあ「バックトゥザフューチャー」の主人公二人の様に近所の変人天才科学者の元に遊びに来る少年との不思議な物語といったところか。
ハカセはイケン君に宇宙人を捕獲するように指令を出します。
東京惑星プラネトキオは空中都市なため宇宙人の絶好のカモですね。
何故現在地球で宇宙からの侵攻で一番近いのは空中に浮いた「東京惑星プラネトキオ」。
もう宇宙人にとっては地上侵略の主要拠点として、まさに高速道路のサービスエリアに立ち寄るような中継地点。
イケン君は丸腰なのでハカセは対宇宙人武器として「ナルナル1号」を託します。
こういう一見無駄な発明が役に立つ日がくるストーリーは報われた感とどのような効力があるか実証されるので物語の先が凄く気になる要素ですよね。
イケン君は舞台となる「東京惑星プラネトキオ」を舞台に様々なフィールドを舞台に宇宙人の捜索、捕獲を行います。
フィールドは旧東京を模したのかそれぞれ「アキバ島」や「シブヤ島」、「ウエノ島」、「ネリマ区」など東京の主要地域に似た街が存在します。
物語も個性的ですが、本作は「LSD」とは違い、人や動物と会話を交わすことで宇宙人の居場所やアイテムの入手を行うことができます。
そのキャラクターたちがクセが強い!
ニュースキャスターは滑舌が良いという常識に反して本作では言葉の語尾が「でしゅ」、「ましゅ」の舌足らず。
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ある物語でイケン君のガールフレンドの「ナオミ」が宇宙人に吸い込まれ、報道ではかわいいものを吸い込む宇宙人と報道されました。
その際に「私もかわいいからきっと吸い込まれちゃう!」と恐怖なのか自意識過剰なのかわからない娘。
それぞれが言葉のクセが違い過ぎて標準語が逆に聞こえてこないカオスな住民たちでプラネトキオは覆いつくされています。
というよりかは「佐藤理」ワールドで覆いつくされているというところでしょうか。
何が利くかはわからない!とにかくぶつけろ!数うちゃ当たる!
本作武器は「ナルナル1号」のみ。
バリエーションが少なくこれでは、ただ同じ武器を使用するだけ、一部の宇宙人には効かないのでは?
しかもこんなおもちゃ見たいな武器。
このナルナル1号確かに弾を発射するしか脳がありません。
しかし、そこがこの武器の最大の長所。
ナルナル1号の特性は「何でも装填して発射することができる」のです!
つまり装填するアイテムさえ宇宙人に有効であれば最強ともなり最弱にもなる武器です。
舞台である街中を駆け巡りドンドンアイテムを入手しましょう。
ナルナル1号は装填したものを「そのまま発射する」か「エナジー化して発射する」の2種類の発射方法があります。
意外なものが宇宙人に有効だったりするため、とにかく色々なアイテムを集めることが攻略の糸口となります。
ハカセも有効性は発射してみるまで不明なためとりあえず何でも試せな凄いようで適当な武器。
数うちゃ当たる戦法だ!
発射前にイケン君の独断と偏見で発射予想が行われます。
この予想がまた秀悦で弱点を最短で見つけ出すことよりもイケン君がどんな予想をするかを楽しむために宇宙人を捕獲度外視で色々な組み合わせを試してみたくなるクセのある予想です。
例えば、「HなCD-ROM」を「エナジー化」し発射するとそのDVDの内容で宇宙人がメロメロになるという予想。
しかし、イケン君の予想は有効性の有無は別にしてだいたい外れ。
当然弱点ではないと攻撃は弾かれてしまいます。
イケン君やハカセが予想だにしなかった有効性を発揮する様々なアイテムが存在します。
でも主人公がこうなるんじゃないかと考えて攻撃するという演出はプレイヤーではなくイケン君が完全に独立した物語のキャラクターであることを物語っています。
つまり私たちプレイヤーは世界観を楽しみつつ「イケン」という一つの人格の反応、予想を楽しむことができる。
2つの人格で世界を見ることができる戦闘の予想システムはまるでホームコメディを見ているようなバラエティ性と現実ではありえない組み合わせを考える楽しさが本作には詰まっています。
まとめ
意味が分からない世界観はあいかわらずですが、テキストやボイスを使うことで「LSD」など直感的なものとは違い演出の言わんとすることは分かります。
しかし言葉が分かるからと言って意味が分かるかと言うとそうではなく、「LSD」と同じく独特世界観はそのまんま。
そのため「佐藤理」プロデュースの独特な作品が好きであれば雰囲気を感じるためにプレイしてみる価値ありです!
「LSD」と違い本作はアーカイブス配信がされていないため現在では中古で購入するしか方法はありません。
CD3枚と当時では大容量、大作に匹敵するボリュームです。
クリアにはそれほど時間はかかりませんが、その分ストーリーや音楽、グラフィック、演出に力をいれたエンターテイメント作品となっています。
それでは次もね~