シューティングゲームと言えば硬派なイメージが染みついていた。
それはシューティングするということは誰か何かを狙い撃つことだから。
でもそれって人間の真理ではとても刺激的で爽快なこと。
道徳的に抑制してるけど。
そこでゲームで体験することで疑似的に本能を解放して解消する。
しかしシューティングという行為を良しとしても見た目の残酷さは残る。
その残酷さに嫌悪感を抱く人はオブラートに包まなければならない。
ポップというオブラートで包みシューティングという行為だけ体験する。
今回紹介するレトロゲームはポップでファンシーで癒されるシューティングゲームです。
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・ファンタジーゾーン(FANTASY ZONE)
ジャンル横スクロールシューティングゲーム プレイ人数1~2人・セガ(AC版、セガ・マークIII版、SS版、PC版、携帯版、Wii版、3DS版、PS3版、NSW版)
・ポニー(MSX版)
・サンソフト(FC版)
・NECアベニュー(PCエンジン版)
・電波新聞社(X68000版)
・3Dエイジス(PS2版)
・コナミ(PCエンジン mini版)
・セガ(AC版、セガ・マークIII版、PC版、携帯版、Wii版)
・ポニー(MSX版)
・サンソフト(FC版)
・ビッツラボラトリー(PCエンジン版)
・マイコンソフト(X68000版)
・ゲームのるつぼ(SS版)
・シムス(PS2版)
・エムツー(3DS版、PS3版、NSW版)
・1986年3月(AC版)
・1986年6月15日(セガ・マークIII版)
・1987年3月21日(MSX版)
・1987年7月20日(FC版)
・1988年10月14日(PCエンジン版)
・1989年8月4日(X68000版)
・1997年2月21日(SS版)
・1998年10月9日(PC版:【セガ メモリアルセレクション】に収録)
・2001年7月16日(携帯版:前編)
・2001年8月6日(携帯版:後編)
・2002年7月31日(携帯版)
・2002年10月28日(携帯版:パート1)
・2003年1月30日(携帯版:パート2)
・2003年3月31日(携帯版:パート3)
・2003年8月28日(PS2版:【セガエイジス2500シリーズVol.3ファンタジーゾーン】として発売)
・2007年4月18日(携帯版)
・2008年3月11日(Wii版:バーチャルコンソールで配信)
・2008年9月11日(PS2版:【セガエイジス2500シリーズVol.33ファンタジーゾーン コンプリートコレクション】に収録)
・2014年3月19日(3DS版:【3D ファンタジーゾーン オパオパブラザーズ】として発売)
・2014年4月16日(PS3版:【セガエイジス2500シリーズVol.33ファンタジーゾーン コンプリートコレクション】に収録して配信)
・2014年12月18日(3DS版:【セガ3D復刻アーカイブス】に収録)
・2015年12月23日(3DS版:【セガ3D復刻アーカイブス2】に収録)
・2019年11月28日(NSW版:アーケードアーカイブスで配信)
・2020年3月19日(PCエンジン mini版:PCエンジン mini本体に収録)
・AC(アーケード)
・SEGA MarkIII(セガ・マークIII版)
・MSX(エムエスエックス)
・Family Computer(ファミリーコンピュータ)
・PC Engine(PCエンジン)
・X68000(X68000)
・SEGA SATURN(セガサターン)
・PC
・携帯
・PlayStation2(プレイステーション2)
・Wii(ウィー)
・3DS(3ディーエス)
・PlayStation3(プレイステーション3)
・Nintendo Switch(ニンテンドースイッチ)
・PCエンジン mini(PCエンジンミニ)
・有
・Wii版:バーチャルコンソールで配信
・PS3版:【セガエイジス2500シリーズVol.33ファンタジーゾーン コンプリートコレクション】に収録してプレイステーションアーカイブスとして配信
・NSW版:アーケードアーカイブスで配信
・ポップなデザインが新しい、硬派なイメージというシューティングゲームの常識を打ち砕いた作品。
・左右にスクロールするステージ構成や買い物システム、演出など新たな発想により制作されている。
・ポップな世界観に合わせているとはいえBGMがやはり面白く、ポップシューティングの音楽ってこんな感じかと新鮮さがある。
ストーリー
遥か昔、宇宙のかなたでの物語……。
B・G1422年、惑星間の公式通貨が乱れ、全惑星がパニックに陥るという事件が起こった。
宇宙協会(スペースギルド)の公式調査により、何者かがメノン星人を操り外貨を奪わせ、その資金として「ファンタジーゾーン」に巨大要塞を建造中であることがわかった。
正体不明の敵の陰謀を打ち砕くため、戦士「オパオパ」に指令が下る。
迫り来る敵からファンタジーゾーンの平和を守るため、オパオパは飛び立った!
「セガエイジス2500シリーズ Vol.33ファンタジーゾーン コンプリートコレクション」説明書より
目新しさに迷いがない、新システムだらけのシューティングゲーム
セガがコナミの「グラディウス」に対抗すべく開発された本作は本当に対抗しているのか疑問が多い作品。
グラディウスと同じ世界観で対抗することが対抗と言えそうですが、セガはそうはしません。
全く違う世界観で新たなシューティングゲームの形を作りだした、それが本作です。
何と戦っているんだ、別に最初から戦う相手もいないほど前例のないものに挑戦するくせに(良い意味で)。
その独自性から今日までに様々な機種に移植、アレンジされているセガを代表するシューティングゲームです。
本作はシューティングゲームの中でも独自性の塊です。
まず、世界観。
シューティングゲームのSF感、硬派感とは打って変わってファンタジー感とポップ感。
硬派なグラフィックが売りのコナミに対抗して硬派で攻めるのではなく、セガが得意とするポップで可愛らしい世界観を貫いているのが自然と独自性を引き出しています。
主人公機は機体というよりは「オパオパ」という一つの生命として任務に立ち向かうさまを描いています。
そしてステージシステム。
通常シューティングゲームと言えば一本道。
縦だろうが横だろうと真っ直ぐ進んで進んだ先にボスがいる。
しかし本作は左右どちらでもベルトスクロールし動き回れる。
本作のクリア条件、目的はステージを自由に動き回り「前線基地」と言われる敵の基地を全て破壊する。
前線基地を全て破壊するとボスが出現し、倒すとステージクリアとなります。
またステージ地面にオパオパが接触しても当たり判定はなく、それどころか地面と接触する際オパオパが足を出してトコトコ歩き出すのが何とも愛らしい。
そして買い物システム。
シューティングゲームと言えば、敵を倒してコアやアイテムなどを集めて武器を展開するが本作は敵やボスを倒した際に手に入るコインで武器を売り買いすることができます。
基本的にはショットとボムでの攻撃で、硬派なシューティングゲーマーでは物足りないかもしれませんが、初心者でも楽しめる、なにより女性でも楽しめるという点はユーザーを多様にする別の意味でもしっかりとコナミのシューティングゲームと差別化をされています。
演出もポップで残虐性がなく、ボスを倒した時も爆発ではなくてアートやクッキーが崩れるような表現の倒され方は自然と笑みがこぼれ和みます。
ステージはアーケード版に準じると全8ステージ。
他の移植版やアレンジには追加ステージが加えられている作品もあります。
ステージ1:PLALEAF(プラリーフ) 緑の惑星
ステージ2:TABAS(タバスコーダ) 火の惑星
ステージ3:LA DUNE(ラ・デューン) 砂の惑星
ステージ4:DOLIMICCA(ドリミッカ) 超惑星
ステージ5:POLARIA(ポーラリア) 氷の惑星
ステージ6:MOCKSTAR(モクスター) 雲の惑星
ステージ7:POCARIUS(ポカリアス) 水の惑星
ステージ8:SALFAR(サルファ) 悪霊の凝縮した星
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PS2版追加ステージ
ステージ8:DAWNDUSK
ステージ9:APOCHAL
ステージ10:CAVIAN
ステージ11:DEPOOBLE
X68000版追加ステージ
ステージ8:DRAGON LAND
様々な移植がある中で特にアレンジが加えられているのはX68000版とPS2版です。
X68000版は追加ステージが同社の「スペースハリアー」による奥行きのあるステージ背景となっています。
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背景というだけでスクロールは横のままですが、PS2版のボーナスステージでのみスペースハリアーのようなステージが存在します。
PS2版は4ステージ追加されており、やりこみ要素がさらに増えています。
セガマークⅢではハードのスペック上ボスキャラの差し替えが行われていますがいずれもオリジナルボスとなっています。
まとめ
本作はコナミに対抗しようと思ったら全く新しい革新的なゲームを作ってしまった。
正になろう系主人公の「俺また変なことやっちゃった?」のゲーム業界代表の天才肌のセガがまたやらかしてくれました。
グラディウスに対抗なんて言っていますけど世界観は「ツインビー」に対抗している部分がありオパオパのデザインもどこかツインビーに似ています。
とにかく荒廃し色が暗めのシューティングとは違いまるで暗いシューティングゲームの色を反転させたような世界観。
背景デザインがシンプルなせいか、あれだけ色を使って明るいのに全然うるさい背景ではないのが凄い。
こういう時ゲーム作りの基本であるプレイヤーの快適さ視認性をしっかりしているゲームは見ていて飽きないし楽しいですよね。
それでは次もね~