改造人間と言えば有名どころだと初期の「仮面ライダー」でしょう。
悪の組織に改造人間として強力な力を植え付けられつつ自我を保った存在。
そして正義に返り咲いたヒーローです。
このように皮肉にも逃走できる力を与えてしまった。
洗脳してから改造すれば良いのに改造を先してしまったため自我残り、抵抗する意思を残したまま、力を与えてしまったおまぬけパターン。
今回紹介するレトロゲームはオーストラリアに棲息する改造された珍獣を操作し改造された仲間たちを救う物語です。
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・クラッシュバンディクー(Crash Bandicoot)
ジャンルアクションゲーム プレイ人数1人・ソニー・コンピュータエンタテインメント
・セガ(NSW版)
・ノーティードッグ
・1996年12月6日(PS版)
・1998年5月28日(PS版:The Bestとして発売)
・2001/10/12(PS版:PSone Booksとして発売)
・2007年1月25日(PSP版、PS3版:プレイステーションアーカイブスで配信)
・2017年8月3日(PS4版:「クラッシュ・バンディクー ブッとび3段もり!」に収録して発売)
・2018年8月2日(PS4版:「クラッシュ・バンディクー ブッとび3段もり! ボーナスエディション」に収録して発売)
・2018年10月18日(NSW版:「クラッシュ・バンディクー ブッとび3段もり! ボーナスエディション」に収録して発売)
・PlayStation(プレイステーション)
・PlayStation Portable(プレイステーションポータブル)
・PlayStation3(プレイステーション3)
・PlayStation4(プレイステーション4)
・Nintendo Switch(ニンテンドースイッチ)
・有
・PSP版、PS3版:プレイステーションアーカイブスで配信
・アクション性とパズルのようなギミック回避要素がクセになる。
・3Dを活かした奥スクロールアクションも採用。
・他作品の良いとこを昇華した敬意あるインスパイア作品。
ストーリー
ここはオーストラリアのなんとうにあるみっつのしま。
このしまはみどりでいっぱいです。
どうぶつたちはこのゆたかなみどりのなかでまいにちじゆうきままにすごしていました。
ところが……
せかいせいふくをたくらむあくのかがくしゃがふたりしまにやってきたのです。
かがくしゃのなまえは、ネオ・コルテックス。
もうひとりはニトラス・ブリオといいました。
コルテックスはこのみどりいっぱいのしまをつめたいてつのしまにかいぞうし、たのしくくらしていたどうぶつたちをつぎつぎとつかまえていきました。
コルテックスはつかまえたどうぶつたちをおりにいれじぶんのへいたいにかいぞうしようとかんがえました。
「エヴォルヴァレイ」、「コルテックス・ヴァルテックス」このふたつのあやしくひかるおおきなきかいをつかって、どうぶつたちをつよくしんかさせ、せんのうしていきました。
しかし、なにをどうまちがえたのか、きかいにせんのうされたどうぶつたちは、コルテックスのいうことをきくどころかこうふんしてあばれまわるきけんなどうぶつになってしまったのです。
どうぶつへいだんのリーダーにするよていだったクラッシュ・バンディクーはさらにこまったことになりました。
もともとあばれものだったクラッシュはきかいのちからでぎゃくにせいぎかんにめざめコルテックスのあくじをみぬいてしまったのです。
あわててまどからにげだすクラッシュ。
しかしクラッシュのこいびとタウナはまだつかまったままでした。
クラッシュはうみにとびこみひっしにおよぎました。
どれだけおよいだのか、きづくとクラッシュははまべにたおれていました。
タウナをたすけなければ……
クラッシュはふたたびコルテックスのしろにむかうけっしんをするのでした。
クラッシュのながいぼうけんはここからはじまります。
「クラッシュバンディクー」説明書より
走って、飛んで、回転する珍動物の救出劇
本作はあの「アンチャーテッド」で知られる「ノーティードック」が日本に放ったアクションゲーム。
一時期はソニーの看板キャラクター伴っており、今だに続編やスピンオフが発売されるほど大変人気のシリーズとなっています。
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本作主人公の「クラッシュ・バンディクー」。
彼の名前の「バンディクー」は「バンディクート」と呼ばれる耳長のねずみやウサギに似た動物がモデルです。
私は最初キツネか犬だと思ったのですがネズミとは…
レミングスといいクラッシュといい、ポケモンといいソニックといい意外とネズミのキャラクター化は人気が出るデザインを秘めているのかもしれません。
そんなクラッシュがシリーズでもお馴染みとなる敵としてライバルとして戦うことになる「ドクター・ネオ・コルテックス」の野望から仲間たちを救い出します。
本作の大きな特徴は奥スクロールの3Dアクションゲームということです。
縦でもなく横でもなく奥スクロール。
手前から奥へ、奥から手前へ独特の視点…いや本来の生物の視点に近いからこその本作である。
正面突破しかない状況でどう対処するか、後ろからは岩石が転がってくるので必死に逃げる。
冒険ゲームとしてこれ以上ないワクワク感を演出しています。
この影響でノーティードックは「アンチャーテッド」など冒険ゲームへの成功につながっていっていると思います。
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操作は至ってシンプルで移動とジャンプ、スピンのみ。
特にスピンはアイテム箱や敵を倒す上で最も使用するアクションとなり攻略のキーアクションと言っても良いでしょう。
ジャンプでも敵を倒すことができ、より高いところのブロックにも届くようになるため場合によってはスピンではなくジャンプで足場として利用すると良い場合があります。
また本作は基本的にライフはなく一発でゲームオーバーなのですが、相棒の存在によりそれらを解消してくれます。
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それがシリーズ通してクラッシュの相棒を務める「アクアク」という仮面の形をした魔術師です。
アクアクを連れていると敵からの攻撃に一回耐えてくれ、アクアクを消費せず道中2体目を拾うと2回耐えてくれ、3体目だと無敵モードに突入します。
無敵モードだと見た目通りアクアクがクラッシュの顔に張り付いて仮面のようになります。
本作はアクアクを装備している意外だとすぐ倒されてしまったり、落下したりしてしまうのでクラッシュの残機が重要になってきます。
残機を増やすにはリンゴを100個手に入れるかクラッシュマークのアイテムを取る必要があります。
木箱があれば積極的に壊したいところですが、本作上手くできています。
その木箱、ただ破壊するだけではなく足場にすることができます。
その足場からではないと届かないアイテム、場所が多く存在するので、迷ったらまず踏んでみましょう。
爆弾などの木箱もあるので注意は必要です。
本作はセーブの仕方が独特で2種類の条件どちらかを満たすとセーブすることができます。
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・クラッシュの恋人「タウナ・バンディクー」のタウナプレートをステージ中で3つ集めるとタウナの幻の世界に行くことができセーブすることができる。
・ステージの木箱を全て破壊してダイヤを獲得する。
このように本作は途中中断が難しいゲーム仕様となっており、それが逆にいつセーブできるだろうとハラハラ感が生まれます。
しかもセーブポイントまでもがステージになっておりミスをするとミス扱いになるので、これもハラハラ…いやちょっとイラッとするかも。
現代ではあまり好まれないですけど。
セーブポイントではないですがステージ毎に「チェックポイント」というのがあり、チェックポイントのCの木箱を破壊すると倒されてしまった時にチェックポイントから再開することができます。
チェックポイント無しでの縛りプレイもできますが、ステージを追うごとにチェックポイントの大切さ、さらにはありがたみまで出てくるので見つけたら必ずチェックしておきましょう。
セーブではなくあくまでプレイ中のチェックポイントなのでご注意ください。
単純だけど想像を超えるギミックが待ち受ける
本作は大きく分けるとジャングル地帯、遺跡、科学基地と別れており、文明というか、人工的なステージに近づくにつれ難易度が上昇していく。
自然に比べて、人間の作った仕掛けはなんと意地悪なことか。
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しかし、それだけにレベルデザインは申し分なく、最初のステージから段々難しくなるというゲームの基本に忠実に作成されています。
ジャングルでは動物が、村などでは原住民族や仕掛け。
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そして遺跡や科学工場地帯ではプレイヤーを狙いすましたように仕掛けが襲いかかります。
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ギミックはボスにも存在し、只々ランダムに攻撃してくるのではなく法則性があり、それに気づいてパズルのように攻略方法を解いていくのが本作の魅力でもあります。
パズル要素、木箱を壊すタイミングやジャンプのタイミングなどアクション性も兼ね備えながら謎解き要素もあり、リアルタイムでパズルを解いているようなワクワク感と達成した時の爽快感があります。
日本のテレビゲーム作品への敬意に似たインスパイア作品
本作は日本の様々な有名ゲームにインスパイアされて作られており似ている、というか昇華した部分が多々見受けられます。
例えばクラッシュのデザインとアクション。
これは恐らく「ソニックヘッジホッグ」かと。
大きなシューズに回転アクション。
ソニックは縦回転ですがクラッシュは横回転と少し変えています。
そしてマップ、ステージ構成は「スーパードンキーコング」でしょうか。
ジャングルをや民族を意識したデザインのステージ構成。
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また途中で乗ることのできる動物「暴走イノシシ」は完全にスーパードンキーコングの「ランビ」ですね。
そしてジャンプによるブロック破壊と敵の撃破、コインに見立てたリンゴ、そして無敵モードなどは「スーパーマリオブラザーズ」ですね。
要所要所にアクションゲームとしての良いとこどりが見受けられる本作はその良いものは進んで真似せよ精神でヒット作を生み出してしまいました。
全体的には動物や動物島を舞台とするあたりドンキーコングや「バンジョーとカズーイの大冒険」の雰囲気が漂います。
もし「クラッシュバンディクー」みたいなゲームをお探しの方は逆に上記の作品を遊んでみると、この作品のコンセプトやインスパイアがわかるでしょう。
まとめ
様々な作品からインスパイアを受けて作成された本作ですが、じっくり見てみるとそんな感じがするというだけで、本作は本作で独自のアクションゲームを作りだしています。
それがキャラクターとして確立し評価されたことが何よりの証拠でしょう。
動物擬人化アクションは昔から人気ですが、現代ではケモナー属性のゲーム自体減ってきたように思います。
動物を題材にすることで必然的に自然が舞台となり、あの冒険するワクワク感が約束されるような設定を組めるのにもったいない。
動物愛護団体が動物同士の争いを好まぬのか、でも戦うゲームはどれもそう。
それとも採算がとれないという単純に寂しい話しなのか。
新規は作成されませんが、本作のように人気シリーズだと続編やスピンオフをまだまだで続けているので、今あるものに期待しましょう!
リマスター版として本作初代、2、3が3本シリーズが入ったお得な「クラッシュバンディクー ブッとび3段もり」がPS4版、NSW版で発売されており、グラフィックも綺麗で初代の没ステージをボーナスステージとしても配信されているのでそちらもオススメです。
それでは次もね~