最後は決して儚いものだけではない。
最後の瞬間、幸福か、絶望か、慢心か、失望か。
後悔か、懺悔か。
人間は幸せな言葉は幸福の一言で表せますが、悪い言葉は細分化され
それだけ不幸は訴えるため、どうした苦しみか分かる言葉が多いように感じます。
世界最後の日何をしたいか。
そんな区切りのタイミングで何をするか。
今回紹介するレトロゲームは最後の瞬間を名機総動員で戦うシューティングゲームです。
・アイレムシューティングゲームの総集結、101種類もの機体を使用する。
・シリーズ最大級、全16ステージもの大ボリューム。
・機体をカスタマイズしてAI対戦同士で対戦が可能。
ストーリー
”バイド”それは、邪悪な生命体……
自己増殖機能を備えた粒子で構成された生命体。
質量のある物体でありながら、波動としての性質を併せ持ち、あらゆるものに伝播する。
時には人の思念にさえも干渉し、そして貪る。
ー22世紀後半ー
バイドとの初の戦闘からすでに20年近くの年月が経過していた。
過去大規模なものだけでも4度に渡ったバイドとの戦闘は、その都度人類の勝利で終わった。
しかし、バイドは4度現れ、4度葬られ、そして4度復活したのだ。
バイドの完全な根絶は不可能なのか?
戦いに終止符を打つべく、対バイト最終兵器の開発が計画された。
それは、「バイドをもってバイドを征する」を旨とする。
そう、作戦名(オペレーション)”Last Dance”が発動されたのだ。
「R・TYPE FINAL」説明書より
歴代アイレム登場機体100機越えのオールスターアールタイプ!
本作は「R-TYPEシリーズ」の集大成!
というよりは「アイレム作品」の集大成とも言える作品です。
タイトルは「R-TYPE」なのでシューティングゲーム、そして歴代「R-TYPEシリーズ」のナンバリング機体が総集結した大ボリューム。
さらにはアイレムシューティングゲーム作品である「R-TYPE LOE」、「イメージファイト」、「ミスターヘリの大冒険」、「ドラゴンブリード」などの機体も登場する正にアイレム祭りの作品。
その総機体数は101機!
もちろん歴代武装も用意されています。
100を超えるシューティングゲームとしては有り得ない、前例がないほどの膨大な量の機体。
それだけアイレムがシューティングゲームに尽力してきた証拠でもあります。
様々な条件をクリアしていくことで開放されていく機体一体一体を使用してみたくなるほど個性的な機体ぞろい。
しかもカラーリングまで変更でき、戦闘時に自分だけの個性も出せるオンリーワンアールタイプ。
機体性能もそれぞれ個性があり、攻略する上での楽しみ方が機体数分だけ増えていくのだから膨大なやり込み量となります。
これほどの機体数は後に発売されるアールタイプの戦略バトル「アールタイプタクティクス」しかありませんので、純粋なシューティングゲームとしてはこれだけでも唯一無二でしょう。
・1987年7月:「R-TYPE(アーケード)」
・1988年3月25日:「R-TYPE Ⅰ(PCエンジン)」
・1988年6月3日:「R-TYPE Ⅱ(PCエンジン)」
・1988年10月:「R-TYPE(PC-88VA)」
・1988年10月1日:「R-TYPE(SEGA MARK-Ⅲ)」
・1988年12月9日:「R-TYPE(MSX)」
・1989年6月9日:「R-TYPE(X68000)」
・1989年12月:「R-TYPEⅡ(アーケード)」
・1991年3月19日:「R-TYPE(ゲームボーイ)」
・1991年7月13日:「SUPER R-TYPE(スーパーファミコン)」
・1991年12月20日:「R-TYPE COMPLETE CD(PCエンジン SUPER CDROM2)」
・1992年12月:「R-TYPE LEO(アーケード)」
・1992年12月11日:「R-TYPEⅡ(ゲームボーイ)」
・1993年12月10日:「R-TYPEⅢ(スーパーファミコン)」
・1998年2月5日:「R-TYPES(プレイステーション)」
・1998年11月19日:「R-TYPEΔ(プレイステーション)」
・1999年11月12日:「R-TYPE DX(ゲームボーイ)」
・2001年10月25日:「~R’sBEST~R-TYPES(プレイステーション)」
・2001年10月25日:「~R’sBEST~R-TYPEΔ(プレイステーション)」
・2002年11月5日:「R-TYPE(iアプリ)」
・2004年3月18日:「R-TYPE(EZアプリ)」
・2004年12月15日:「R-TYPE 完全版(Vアプリ)」
・2003年7月17日:「R-TYPE FINAL(プレイステーション2)」
・2006年7月6日:「R-TYPE FINAL PlayStation 2 the Best(プレイステーション2)」
・2006年12月13日:「R-TYPE Ⅰ(Wii:バーチャルコンソール)」
・2006年12月26日:「R-TYPE Ⅲ THE THIRD LIGHTNING(Wii:バーチャルコンソール)」
・2007年1月23日:「R-TYPE Ⅱ(Wii:バーチャルコンソール)」
・2007年9月20日:「R-TYPE TACTICS(プレイステーションポータブル)」
・2008年1月29日:「SUPER R-TYPE(Wii:バーチャルコンソール)」
・2009年2月4日:「R-TYPE Dimensions(Xbox:Xbox Live)」
・2009年5月19日:「R-TYPE(Wii:バーチャルコンソール)」
・2009年12月10日:「R-TYPE TACTICS II -Operation BITTER CHOCOLATE-(プレイステーションポータブル)」
・2010年8月26日:「R-TYPE(iOS)」
・2011年9月12日:「R-TYPE(Android)」
・2012年3月1日:「R-TYPE(Android)」
・2013年11月21日:「R-TYPE Dimensions(プレイステーション3、プレイステーションポータブル:プレイステーションストア)」
・2014年2月26日:「R-TYPE(3DS:バーチャルコンソール)」
・2014年4月30日:「R-TYPE(Wii U:バーチャルコンソール)」
・2018年7月5日:「R-TYPE(Retro-bit GENERATIONS4)」
・2018年12月13日:「R-TYPE Dimensions EX(PC、ニンテンドースイッチ)」
・2018年12月20日:「R-TYPE Dimensions EX(プレイステーション4)」
更にファイナルならではのスペシャルプログラム!
シューティングゲームとしても珍しいシステムがあります。
通常のストーリーを交えたモードやスコアを競うスコアアタック、に加えて本作特筆すべきなのは「AI VS MODE」です。
「AI VS MODE」は機体の行動頻度を調整することにより自動的に機体同士が対戦するというシューティングゲームでは例をみないモードです。
他のプレイヤー同士も自機のパスワードを発行することでメモリーカードを返さなくても対戦することができるモードでもあります。
この対戦システムが後の「R-TYPE TACTICSシリーズ」に繋がったのではないだろうかと思います。
こうして後のゲームに活かした挑戦はとても良いですが、そう思うとデバッカー感が…
まあタクティクス面白かったから良し!
シリーズ最大にしてシューティングゲームでも最高峰のステージ数!
本作はステージ数も凄い。
横スクロールアクションだとそれなりにステージ数はありますが、ことシューティングゲームだとせいぜい5~7ステージ。
本作はなんとその3倍!分岐を含めて全16ステージが用意されています。
ステージはハイエンド機初のアールタイプなだけありPS2のパワー使った3Dで美麗なグラフィック。
そしてアールタイプシリーズの特徴であるグロテスクな敵の数々も3Dで脈打つ鼓動まで表現。
ステージの軸が切り替わるとグルっと変化するステージにもグラフィックの大きな進化が見て取れます。
戦闘システムは「アールタイプΔ」から「ドースシステム」、「スペシャルウェポン」システムを採用されています。
「ドースシステム」は「ドースゲージ」が100%になると「フォース」の攻撃力を上昇させることができます。
さらにゲージが100%の状態でドースゲージを消費することで画面全体に攻撃できる「スペシャルウェポン」が発動可能。
「フォース」はアールタイプシリーズお馴染みの機体に合体・分離をすることで機体の補助を行えるもので、攻略の上でも欠かせない要素の一つです。
フォースの合体は機体の前後どちらにフォースを配置するかということです。
フォースは敵を攻撃したり敵弾を吸収することができるプレイヤーにとって頼もしい相棒です。
前からの敵や攻撃が多い場合は前に、後ろが多い場合は後ろにフォースを配置することで攻略を有利に進めることができ攻略の鍵になります。
フォース自身もパワーアップアイテムで成長でき、「レーザークリスタル」でレーザー、「ミサイル」でミサイルを撃てるようになります。
そして相棒の相棒、プレイヤーを援護する「ビット」と呼ばれる小さな相棒もいます。
これらアイテムとフォースの使い分け、そしてプレイヤー回避能力が問われるのがシリーズの特徴でもあります。
ステージ1.0&ストーリー: 永眠の都市
ステージ2.0~2.4&ストーリー:歪んだ生態系
ステージ3.0&ストーリー:巨大戦艦襲来
ステージ3.5&ストーリー:暗黒の森の番犬
ステージ4.0&ストーリー:沈黙の研究所
ステージ5.0&ストーリー:跳躍26次元
ステージ6.0:宇宙墓標群
ステージ6.1:異変と忘却
ステージ6.2:逆流空間
ファイナルステージA:バイドとは…
ファイナルステージB:夏の夕暮れ
ファイナルステージC&ストーリー:どこまでも
全16ステージ、ステージ分岐、マルチエンディングと多彩なステージに加え、101機もの機体を合わせると膨大な組み合わせで無限に広がるアールタイプの世界。
3Dで描かれた世界でアールタイプの新たな可能性を見せてくれたところでファイナルというのはなんとも悲しい。
アールタイプタクティクスにより引き継がれたグラフィックの美麗さは残るもののシューティングゲームとしてのアールタイプの進化を見続けたかったファンも多いはずです。
でも明確にタイトルにもFINALと記載し、説明書内でも最後と宣言するのは珍しいですよね。
スポーツ選手のような活動がユーザには見えない会社員、ゲーム業界の方々にとって最後を宣言するのってどういった心境なのでしょうか?
嬉しいのか、悲しいのか、やりきったのか満足感、強制的な終演か、手放せる開放感か…
まとめ
本作は「FINAL」を文字通り宣言した作品で「アイレムシューティングゲームとしてはラスト」となりました。
登場機体数、ステージのボリュームも同ジャンルとしては圧倒的なボリュームで送り出されました。
音楽で言うと、ゲームは常にベストアルバムが出ているようなボリューム感ですが、本作は「愛蔵版」が出たようなベスト中のベストとしての作品となりました。
中古でもそんなに相場も高くないですしボリュームを求める人ならご満足いただけるかと思います。
そしてなんと「R-TYPE FINAL」の新作が発売されます!
本作説明書には「アイレムではSTG最後」と宣言していますが、まさかアイレムの意思を受け継いだ「グランゼーレ」が「R-TYPE FINALⅡ」をエイプリルフールに発表してガチ発表とは…
ファンの15年前の涙を返せ…なんて無粋は良くない!
しかしファイナルを複数発売しちゃうなんて…
アイレムじゃないから宣言通り。
アイレム以外で出さないとは言っていないと釈明されてもぐうの音もでない巧みな説明文であったと今更思い知らされます。
ですが、本作より当然グラフィックは進化していると思いますが、システム面で本作、タクティクスを経て「グランゼーレ」としてどんな「R-TYPE」がプレイできるのか今から楽しみですね!
それでは次もね~