戦いを終えた後、戦友は散り散りになるのか。
それとも戦友とともに戦いの後の道しるべを作るのか。
その道しるべが良い方向に進めば良いが、再び戦いが起きたら?
その時戦友は再度集結し、また戦いの日々に戻るのだろうか?
今回紹介するレトロゲームは前作から2年、英雄と新たな希望が交わる物語。
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・幻想水滸伝2(げんそうすいこでんⅡ)
ジャンルRPG プレイ人数1人・コナミ
・コナミ
・1998年12月17日(PS版)
・2002年7月11日(PS版:PS one Booksとして発売)
・2009年12月24日(iアプリ版)
・2006年2月23日(PSP版:【幻想水滸伝Ⅰ&Ⅱ】に収集して発売)
・2009年11月5日(PSP版:【幻想水滸伝Ⅰ&Ⅱ】コナミ ザ・ベストとして発売)
・2010年7月15日(PSP版:【幻想水滸伝Ⅰ&Ⅱ】ベストセレクションとして発売)
・2010年7月15日(PSP版:【幻想水滸伝Ⅰ&Ⅱ】に収録してプレイステーションアーカイブスで配信)
・PlayStation(プレイステーション)
・携帯
・PlayStation Portable(プレイステーションポータブル)
・有
・PSP版:【幻想水滸伝Ⅰ&Ⅱ】としてプレイステーションアーカイブスで配信
・前作のデータを引き継ぐことで様々な要素が追加される。
・前作より更にボリュームアップした内容でやりこみ要素満載。
・前作のキャラクターも交えた新たなシナリオも注目。
ストーリー
国境にほど近い駐屯地に少年はいた。
休戦協定によって一時の平和が訪れた安堵感。
故郷であるキャロの街、そこに待つ義姉ナナミに久しぶりに再会できる喜び。
少年はそれらをゆっくりと噛みしめていた。
テントの幌を上げて、もう1人の少年が現れた。
幼なじみ、気のおけない仲間、そして友・・・・・・
ジョウイは笑いかける。
「もう着替えたのかい?気が早いな」
彼もまた、明日の帰郷を心待ちにしていた。
未来に何の不安も、恐れも、抱いていない笑顔。
運命の歯車はゆっくりと・・・・・・しかし確実に回り続ける。
多くの人々の想いでさえ、それをとどめることはできない。
「幻想水滸伝Ⅰ&Ⅱ」説明書より
前作ファンに捧ぐ物語
今回の幻想水滸伝は前作の2年後を舞台にした世界観となっています。
前作同様108人(108星)もの仲間をつくることができ、キャラクターごとに練り込まれた物語は健在。
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そして通常RPG戦闘と「一騎打ち」、「戦争パート」システムも基本的には前作から大きな変更点はありません。
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前作の共々、戦闘に特別派手さはありませんが、特定のキャラクターの組み合わせにより放たれる協力攻撃など仲間同士で行う技はどれも個性があり演出が魅力的です。
また本作の戦争パートは前作のようなジャンケン対決のようなものではなく、シミュレーションRPG感覚での戦闘となります。
そして進化を遂げたストーリー。
ストーリーは前作のキャラクターも仲間になる108人の中に数名いたり、仲間にならないとしても物語にも登場しそれぞれシナリオが用意されているため、新キャラも含めてストーリーの攻略ボリュームは前作を大きく上回るものとなっています。
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本拠地も仲間のガヤガヤ感と施設機能を利用したイベントで仲間の絆と家族のようなやり取りはプレイヤーを和ませます。
前作ファンを考えた作りになっており、よくある「前作をやっていなくても楽しめる」に全振りしたストーリーではなく「前作を知っているからこそ100%楽しめる」作品となっています。
それでも新キャラのほうが多いため前作を知らずとも楽しめるボリュームになっています。
前作からのデータコンバートも可能でコンバートを行うことで、前作の主人公が登場するシナリオがプレイ可能となったりなど前作のプレイヤーであればさらに120%楽しめるので前作を合わせてプレイすることをオススメします。
RPG史に残る名シーンの数々を体現せよ!
本作は世界的にも認められているRPGでゲーム史に語り継がれる作品であり、リメイクなども待ち望まれています。
しかし、本作の良いところは3Dグラフィックではないところにもあります。
2Dグラフィックにすることでロードなどの負担がかからない。
ましてやシナリオに力を入れているゲームなのでシナリオやイベント部分を詰め込もうと思ったら2Dグラフィックに行きついたのでしょう。
そのため戦闘のテンポも良くストレスのないプレイができるためストーリーに集中しやすいのも特徴です。
もっとロード時間が短縮問題が解決されたら3Dグラフィックでリメイクの動きなんて動きもあるかもしれませんね。
私はこの2Dグラフィック好きです。
平面ですが奥行きがあり、3Dグラフィックではだいたいが主人公目線なので、2Dだとフィールドの全体を見渡せるので、プレイヤー+背景が非常に映える画面構成になります。
本作でも注目すべきはマルチエンディングの存在。
本作は主人公とは別にもう一人の主人公「ジョウイ」との物語が二人を岐路に立たせる。
お互い親友だからこそ、お互いを思い彼らの心は一人で別々に動き出す。
そんな心理描写も相まって、余計に他のキャラクターにもそんな心理描写を期待してしまうが何よりキャラクターが多い。
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しかし、本作はどのキャラクターの会話、心理描写も丁寧に描いておりプレイしているうちに主人公に限らず、誰かが欠けたら全く違う物語の流れになっていただろうな、そんな刺さる描写も多く存在します。
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また2Dグラフィックでの丁寧なアニメーション表現がより世界観を盛り上げます。
サブミッションの雑巾がけなど細かい部分もアニメーションで表現されているので見ていても凄く楽しい。
そして王道中の王道な悪役「ルカ」の存在も大きい。
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ルカは主人公たちの前に立ちはだかったり、町を焼き尽くし惨殺していく非情な悪。
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彼に助けをこおうとも、希望を与えた上で裏切る暴君。
せっかく豚のまねしたのに殺されるなんて…
最後に人間のみっともない慈悲を見つつ殺すなんて悪趣味すぎる。
そんな激動の展開をいちいち考察を行ってしまい、自分で考えすぎてしまうという墓穴を掘りまとまりきらないまま先へ進み、また考え込むの繰り返し。
完全にハマっていました。
マルチエンディング性ということもあるためか冒険の探索や本拠地で行えることなど、非常に自由度も高く、108人もいる仲間を集めたり、サブクエストに挑むなど目的が明確なので、「何をすれば良いのだろう」といった自由すぎるあまりの迷いプレイの心配はなくゲームの目的に集中できるのも本作の良いところです。
まとめ
戦闘に物凄い派手さがあるわけではないが、本シリーズをプレイするとRPGにおいて世界観やストーリー、キャラクターの性格やそのやり取りの面白さ、ドラマ性が完成度の大きな要になっている事をあらためて認識させられる作品です。
なんとなく広くて、行ける場所が多くて、戦闘が派手で。
それでも満たされない気持ちはキャラクターやシナリオに感情移入ができなかったからなのか!
順序が逆だったんですね。
凄い映像、凄い広い世界、戦闘が派手だから感情移入できるのではなく。
お話しがしっかりした上での映像表現や派手な演出によるキャラクターのかっこよさが引き出される。
小説を例に出すとわかりやすい。
映像も目に見える派手な演出もないのに引き込む力があります。
テレビゲームも例外ではないのです。
本作は1,2の順番にプレイしてこその面白さがあるのでPSP版の「幻想水滸伝Ⅰ&Ⅱ」がお得でオススメですよ。
それでは次もね~