人間成長している過程の時が一番楽しくて充実しています。
過度なルーティンワークは逆に人間を疲弊させ退屈な物へと変わっていきます。
それは例え賃金を払われていてもです。
それに付け込んで低賃金で「やりがい摂取」も悪ですけどね。
今回紹介するレトロゲームは文明が成長過程にある変化の時代をルーティンワークではなく自ら選択して成長、失敗も経験できる作品です。
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・ポンコツ浪漫活劇 バンピートロット
ジャンルポンコツアクションアドベンチャーゲーム プレイ人数1~2人・アイレムソフトウェアエンジニアリング
・アイレムソフトウェアエンジニアリング
・2005年6月30日(通常版)
・2006年9月14日(愛コレ:ベスト版)
・PlayStation2(プレイステーション2)
・無
・選択肢もしくは行動手段など攻略方法がいくつも存在する。
・「トロットビークル」を操縦し様々な作業や戦いを行うのが楽しい。
・キャラクターや部屋の模様替え、トロットビークルのカスタマイズなど飽きさせない様々な変化を楽しむことができる。
・蒸気機関や路上ライブなどノスタルジックに浸れる世界観。
ストーリー
-変化の時代-
自動車が普及し始めた頃「トロットビークル」も生まれた
トロットビークルーそれは二足歩行の鉄の乗り物
悪路に強く、農業・土木・輸送など、広い用途で使われた
産業革命がトロットビークルを生み、普及を促した
人々は、新しい機械、新しい時代に期待していた
もっといい暮らしが
もっとすばらしい何かが
きっと手に入ると…
-海岸にて-
目を覚ます前に聞こえてきたのは
騒がしい海鳥達の声と波の音
うすく開けた目に入ってきたのは
朝の陽射しを反射する雲と
ボクを心配そうに見ている少女の顔だった…
「ポンコツ浪漫活劇 バンピートロット」説明書より
心揺さぶられる文明開化の時代に乗り込もう!
本作は主人公でありプレイヤーの分身となるキャラクター「バニラビーンズ(デフォルトの名前で変更できます)」が海岸で「コリアンダー」に見つけられる所からスタートします。
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主人公は記憶喪失という設定ですがこれはあくまでプレイヤーと同じまっさらな状態でという意味でしょう。
バンピートロットは自分で選択してそれが物語に影響を与えるのが特徴的で過去の記憶を探し出すというよりかはまっさらな自分の未来を描いていく、そんなゲームです。
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コニーと「トロット楽団」の仲間たちとの出会いが今後どんな運命の結末を迎えるのか。
良いですね。先が見えなく不安な中で生きていく精神力。私もこんな風に生きれたらとついつい主人公を自分に投影してしまいます。
この感情は恐らく「絶体絶命都市」などの「アイレムソフトウェアエンジニアリング」が開発というところが大きいでしょう。
「絶体絶命都市」でも主人公を自己投影し災害の恐ろしさと自らの選択がその他の人の今後を決めてしまうという究極の選択を迫られそれを選択しなければならない決断力。
バンピートロットの世界でもそんな世界観だけではなくこうしたい、こうしたらいいんじゃないかとプレイヤーを掻き立てる要素がふんだんに取り込まれています。
自らの運命と物語、攻略の全ての鍵となる相棒「トロットビークル」
「トロットビークル」は本作物語において発達した世界の主流となる動力源であり、これからの文明開化を支えるプレイヤーにとっても最重要であり、バンピートロットを楽しむ上で欠かせない存在です。
「トロットビークル」は2足歩行の人型の重量ロボットで人型ロボットの丁度頭の部分となる所に人が登場して操縦を行います。
この「トロットビークル」非常に優れモノで様々な用途に用いることができます。
例えば「移動」として用いることもでき、その性質上「持ち上げる」などの操作を屈指して運搬活動で報酬を受けることも可能です。
また「トロットビークル」を用いたバトルも盛んに行われ「野試合」や「闘技場」での戦いなどご自慢のトロットビークルを戦わせることができ結果によって報酬も手に入れることができます。
もちろんただ単に最初に与えられたトロットビークルでは性能的に行き詰る場面も出てくるでしょう。
そんな時はトロットビークルを「カスタマイズ」することができます。
「カスタマイズ」で行えるのは「修理・補給」、「パーツの売買・開発」、「パーツ交換」、「カラー変更」、「プレートのデザイン・変更」を行うことができます。
「修理・補給」はトロットビークルは近未来的要素でありながらもモダンなデザインをしているのは時代が「蒸気機関」を用いたからに他なりません。
「蒸気機関」で動く以上補給が必要となります。また戦いにおいて破損したパーツの修理を行わなければトロットビークル本来の性能を発揮できません。
この部分をめんどくさいと思うかで好き嫌いが判れるかもしれませんが「バンピートロット」しかりアイレム作品はこういったリアルが息づく世界観を丁寧に描いているところが魅力なので一概に悪い要素とは言えません。
しかし、プレイのテンポを損ねるという意味では同意する部分もありますがお金がなくて修理できないから「トロットビークルを使わない方法でお金を稼ごう」という別の選択肢を持つことができる本作の自由度の高さの前ではそれほど気にならないでしょう。
「パーツの売買・開発」はトロットビークルに用いるパーツを売買・開発することで「パーツ交換」を行うことができます。
バンピートロットの世界を歩いていると自分とは少し違うタイプのトロットビークルに遭遇することが多々あるでしょう。
用途によって柔軟に姿を変えられるトロットビークル。用途に合わせてパーツ交換しても良し、カッコよくデザインするも良し。
「カラー変更」や「プレートのデザイン・変更」も行えるため自分の理想とするトロットビークルを作るというのも本作の目的であり遊び方の一つとなります。
ただプレートは装着位置がトロットビークルの股間部分なので卑猥なデザインにしないでね…言ったかんな!
主人公の選ぶ選択肢の先には何が待ち受ける…
我らプレイヤーは何をする?
何ができる?といったように自由度の高いゲームなだけに迷ってしまいます。
何はともあれお金を稼ぐ所からはじめてみましょう。
何をするにもお金があれば余裕が出てきて、この世界をじっくりと楽しむことができるはずです。
お金を稼ぐにはどうすれば良いだろう…お金の稼ぎ方は色々あります。
例えば…
・敵を倒す
・発掘作業などでお宝を発見し売買する
・路上演奏でお金をもらう
・仕事の依頼を受ける
・ギャンブルをする
・盗む?
様々な選択肢がありますね。その中で「盗む」とありますよね。
そうですとても善良な仲間「トロット楽団」に所属する主人公とは思えませんが本作文明開化の裏も覗けるのです。
文明開化に乗じて成功した者そしてそれと対極するように失敗したものもいる。
そんなゴロツキの仲間となり悪事をはたらくこともできるのです。
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海賊狩りでお金を貯めるか、トレジャーハンターとなりロマンを追うか、大学のサークルのような仲間たちと青春しながら夢に向かって向上するか、真面目に仕事をするか、ギャンブラーになるか表舞台から姿を消すか。
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選択がその人の人格にまで及ぶのはアイレム作品ならではですね。
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また本作は時間の概念が存在するためできることや街での人の生活の様子も変わります。
夜になれば野外ライブやバーでライブなど大人の時間も過ごせるかも?
バンピートロットはノスタルジックな音楽もいいので世界観の雰囲気の演出にも行き届いたゲームです。
生活を豊かには文明開化のみんなの目標
文明開化の時代いい服を着て、いい車に乗って、いいものを食べて。
そんな生活を夢見て日々働く人達。
主人公であるプレイヤーもその一人である以上何か目に見えて良くなったという変化が欲しいですよね?
本作はその細かい部分にまでプレイヤーのやる気をくすぐる要素が張り巡らされています。
本作お金を様々な方法で手に入れた後はトロットビークルの整備だけにお金を使うわけではありません。
そのお金でいい服が買えます。部屋の模様替えができます。もちろん良いパーツを備えた高性能なトロットビークルにも乗れます。
更にはいいものも食えます。というか食わないと死にます…死にはしませんが…
主人公は「腹ペコ状態」になるとプレイする上で様々な不具合が出ます。
腹ペコで動けない…というように移動速度が格段に落ちてしまい攻略のテンポが悪くなります。
腹ペコなら演奏で稼いでやるよ!ですが演奏中とプレイヤー状態はリンクしており演奏中のお腹がなり評価が悪くなってしまう。
その悪循環を抜け出すためにトロットビークルのパーツも大事ですが服より部屋よりトロットビークルよりも生きるために食べること!
本作の命が息づいている感がこういった基本をおさえているからなんですね。
PS3ゲーム最大の悲報である続編の発売中止
実はこの作品、2007年に「ポンコツ浪漫大活劇バンピートロット2(仮)」としてPS3用として発売される予定だったことをご存知でしょうか?
2007年から情報や映像もちらほら出るものの一向に発売されない。そんな悶々として4年…
2011年3月31日に公式から正式に発売中止のお知らせがあり酷く落ち込んだものです。
PS2のパワーでは実現できなかったこと行っているということで開発者が実現したいことが何だったのか非常に気になりましたが知れずじまいになってしまいました。
ちなみにPS2とPSPで「ブロックス倶楽部 with バンピートロット」というバンピートロットのキャラクターたちを用いたフランス発祥の「ブロックス」を題材にしたパズルゲームが発売されているがブロックスの面白さを伝えるゲームであり特にバンピートロットとの関連性は薄い。
PSPで発売されたトロットビークルに焦点を合わせた「ポンコツ浪漫大活劇バンピートロット ビーグルバトルトーナメント」はトロットビークルのバトルの楽しさは非常に伝わるのですが、本作をプレイした人にとってはバトル用途以外の運用もできるトロットビークルのイメージが強く作品の出来は悪くないが本作と比べると見劣りしてしまうというプレイヤーが多かったようです。
キャラクター人気を狙ったコラボや単品作品だがバンピートロット的には上手く機能しなかったようです。
まとめ
本作は続編が発売中止となったためユーザーの中でも時が止まってしまったゲームでもあります。
いつか発売されるんじゃないか、PVも出てたからマスター近くまで開発は進行しているんじゃないか、はたまた「絶体絶命都市4」の時のように復活してくれるんじゃないか。
そんな淡すぎる希望を抱いて早10年。あれからうんともすんとも続報は無いので半ば諦めている。
しかし、最近だとスーパーファミコンミニの「スターフォックス2」などお蔵入りになったゲームの収録もあるので希望を捨てたわけではありません。
「バンピートロット2」が発売されていたら日本の箱庭ゲームも変わっていたかもしれない。
その可能性を感じずにはいられない作品です。
一作品でただけに残念ですが一作目が出てくれたことを喜ぶ。そう思っています。
幸いベスト版も出ている作品であり最近は中古の相場も落ち着いてきたな感じています。
本作後半になればなるほど築けるもの出来ることが増えてきて本当に面白くなってくるので気長にプレイしたい方オススメです。
この紹介がそのきっかけになれば嬉しいですね。
それでは次もね~