戦略ゲーム。
トランプ、将棋、囲碁、すごろくゲームなどのテーブルゲームには必ず勝敗を掴むための戦略がある。
それは単調だが奥深い世界で、プロも存在するほどだ。
テレビゲームはその特性上「体験」を重視しているため、戦略ゲームはもちろんだがライトユーザー、爽快感を味わいたい人。
様々なジャンルに対応したゲームが多く、あえてガチガチの戦略ゲームというのは案外地味でコアなゲームユーザー向けです。
あえて戦略ゲームに行き着くのはテレビゲームの難易度が物足りなかったり、慣れて感覚的にプレイできるようになったユーザーぐらいであろう。
テレビゲームが世の中に存在しない、または浸透していない時期に少年時代を過ごした人々は将棋やトランプなど考えるゲームが好きな年齢層です。
よく漫画とかでおじいちゃんはしょっちゅう将棋や囲碁をしているシーンが多くないですか?
さらには認知症治療にも考えるゲームというのは効果があり、お年寄りが戦略ゲームを好んでプレイする時代になりました。
しかし、現在はスマートフォンで複数のゲームをしながら別のゲームをするマルチタスク的な方も多く、作業的なゲームに疲れている方も多くいます。
そんなゲーム倦怠期のみなさんは一度一つのゲームをじっくり考えながらプレイしてみてください。
マルチタスクで物語も入ってこない方は一つのテレビゲームにどっぷりはまったあの頃を思い出せるかもしれません。
そんな思いから、今回紹介するレトロゲームあまり有名ではないかもしれませんがシリーズ化もされているこのシミュレーションゲーム。
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・ヴァンダルハーツ(VandalHearts)~失われた古代文明~
ジャンルシミュレーションRPG プレイ人数1人・コナミ
・コナミコンピュータエンタテインメント東京(PS版)
・コナミコンピュータエンタテインメント名古屋(SS版)
・1996年10月25日(PS版)
・1997年11月27日(SS版)
・PlayStation(プレイステーション)
・SEGA SATURN(セガサターン)
・無
・高低差、障害物、地形、方向あらゆる点で勝利への道筋を模索できる戦略ゲーム。
・レベル上げ、武器。防具の選定、上位ランクの職業に転職など育成要素も多彩。
・重厚な世界観と壮大な物語に隠されたヘビーなシナリオ。
ストーリー
サステガリア大陸・中央部に広がる肥沃な地域は、古の救世主「トロア」の末裔である神聖アッシャー王朝によって、千余年もの間統治されてきた。
しかし、未来永劫続くかと思われた王国の繁栄のなかで、王侯貴族達は徐々に退廃的な享楽へと身を沈め、かつて神聖視されたトロアの教えも、いつしか忘れ去られていった。
この世紀末的状況に於いて、圧政に苦しむ民衆は、賢者アレスの指導の下、解放軍を組織し、王国に叛旗をひるがえす。
後世、革命戦争と呼ばれる内乱の勃発である。
対する王国軍の反攻は苛烈をきわめたが、知略に長けた賢者アレスと、不退転の意思をもって前進する解放軍の前に敗走を重ね、ついに崩壊の憂き目を見る。
その後、勝利した革命軍によって、議会制を柱とした大陸初の共和制国家「イシュタリア」が誕生した。
だが、新政府盟主の座を嘱望された賢者アレスは、戦後いずこへか姿を消し、その消息は今日に至るも定かでない。
そして15年後、新たな動乱の影がイシュタリアを包み込もうとしていた…。
「ヴァンダルハーツ~失われた古代文明~」説明書より
英雄不在の新共和制国家の行く末は…
ヴァンダルハーツ…
古代ブラフ帝国が裁定の炎への対抗策として生み出した破滅の剣。
裁定の炎を相殺しうるほどの強大な力を秘めるが、同時に持つ者の心の闇を増幅させて凶戦士化させてしまうリスクを孕む。
成長する金属で形成されており、持ち手がヴァンダリアンとなるとネオVハーツへ進化する。
こういう特殊な方法で作られた伝説の剣や選ばれた者じゃないとその強大な力に体が耐えられない設定などべたですが、わかりやすいし、その選ばれし者が大抵自分(主人公)であるためそれを手に入れるまでワクワクしますよね!
本作は大陸初の共和制国家「イシュタリア」を舞台に繰り広げられる戦いです。
共和制国家なのになぜ戦いを?
それは王国の圧政に苦しむ民を救った解放軍の指導者「賢者アレス」が革命軍の戦いに勝利したのち消息を絶ったからなのです。
そのため新共和制国家を統治するものとして渇望された「賢者アレス」がいないため統治することが難しくなっていたためです。
指導者、つまり決定を下すものや、民衆をひっぱるカリスマ性を無くして統治は出来ないからでしょう。
なぜ消えたし「賢者アレス」…
そんな疑問を負ったままプレイヤーは本作の主人公「アッシュ・ランバート」となり戦いの日々が始まります。
理不尽さはないが、あなどるなかれ!程よい難易度にわかりやすいシステムで遊びやすい戦略ゲーム
本作はバトルフィールドが地形・高低差・攻撃方向で戦局が変化する、ターン制のシミュレーションRPGゲームです。
本作は地形を用いた戦闘と地形の高低差がゲームの有利不利に大きく関わってきます。
高低差や距離、時には箱を踏み台に進路を築いたり、その逆進路を絶つことで敵の進路を妨げる戦略も可能です。
また切り開いた進路の先に仕掛けがあり、箱だけではなく装置を作動させないと進路を確保できないギミックも存在します。
そのため戦闘をするもの、ギミックを作動させるもの、箱を動かすものなど複数の役割があります。
誰か一人がだけでは進めない。
全員が同じ兵士では勝てない。
それぞれに個性を持った職業の仲間が必要です。
そのため本作は様々な職業が存在します。
基本職業は7つ。
主人公専用クラスのバランス型、戦士タイプの「ヒーロー」。
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そして似た職業の戦士タイプである「ソルジャー」。
機動性はないが物理攻撃に強い装甲兵タイプの「アーマー」。
遠隔攻撃が可能な弓タイプの「アーチャー」。
機動性が高く敵を飛び越え水上の地形も移動可能な飛兵タイプの「ホークナイト」。
魔法も物理も両方有効な武道タイプの「モンク」。
回復魔法使いタイプの「ヒーラー」。
そして攻撃魔法が得意な攻撃系魔法使いタイプの「メイジ」があります。
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それぞれ一定のレベルの上げを行うことで上位クラスや派生クラスへの転職も可能で同じレベルでもかなり違いが出るほどのパワーアップをします。
他にも「武器」、「防具」でキャラクターたちの性能を強固にしていくことができます。
そして戦略ゲームでもっとも重要なのが駒(キャラクター)をどう使い分けるかです。
本作はクラスごとに得意・不得意、敵やステージとの相性があります。
戦士タイプは物理に強いが魔法に弱い、その逆が魔法使いタイプ。
そして地形事に陸上と空中での得意不得意。
味方も得意な敵がいるように苦手な敵もいます。
なので育成する際も1キャラクターまたは少数キャラクター育成ではなく、全体的にまんべんなく育成することが大切です。
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いざ強い味方が苦手属性の時にせっかく相性が良い味方がいても、レベルの低さで勝敗が決してしまいます。
また攻撃する方向からでもダメージ量や回避率も異なり、横・背後からの攻撃は敵味方ともに回避率が下がり大ダメージを受けてしまいます。
このように自然のステージ、死角を利用した攻撃、クラスごとに誰をどの敵に向かわせるかなど様々な要素が勝敗の分かれ道となります。
ただ一人で戦う必要はありません。
本作は同じ敵に対して隣接している仲間が多いほど「支援効果」という、いわばチェインボーナスのようなもので、目標の敵に隣接している味方の数だけ攻撃力が上がります。
支援効果は最大で4段階まで得ることができ敵を四方から囲いなおかつ背後からの攻撃は効果抜群です。
このように一人だけ主人公みたいになりにくいゲームなので味方をフルに使い攻略していきます。
「ファイアーエンブレム」のように仲間が死んだらいなくなるという事はないので思い切ってプレイできるので戦略ゲームとしてはライトユーザー向けと言えるでしょう。
ちなみに主人公のアッシュが死ぬとほぼゲームオーバーなのでアッシュはしっかりと守りながら攻略することも鍵となります。
まとめ
ちょっと作画が洋ゲー風なので「ファイナルファンタジータクティクス」と比べると日本人的にはとっつきにくいグラフィックではあります。
ですが重厚な世界観、戦闘システムがしっかりと戦略的かつ育成要素を組み込んだゲームなので思いのほかゲーム性にはまるかもしれません。
さらには続編とした同じくPSで「ヴァンダルハーツ2〜天上の門〜」、さらにその続編の「Vandal Hearts: Flames of Judgment」が海外で配信されています。
絵柄的に洋ゲーっぽいしシリーズ追うごとにグラフィック寄せてきたなと思ってました。
やっつけたグラフィックも血しぶきとんでるし…
やはり海外で人気となったソフトのようです。
しかし、国産ながらも海外で通用する作品です。
残念ながらアーカイブスは現在ありませんが、中古でも安価なのでシリーズ1,2合わせて遊んでみてください。
それでは次もね~