たまにある、たまにある。
作品のオリジナルをカバーやアレンジ作品が超えることが。
しかしそれは並大抵のことでは超えことができない。
オリジナルはオリジナルゆえに超えることができないのだから
それでも超えてくる作品は、その作品への愛と情熱&技術が必要。
愛と情熱がなければオリジナルの良さは引き継がれないし、技術がなければそれこそオリジナルの再現にも及ばない。
今回紹介するレトロゲームはそんなオリジナル版に勝るとも劣らない人気ゲームを別会社が開発した作品です。
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・スーパーファンタジーゾーン(SUPER FANTASY ZONE)
ジャンル横スクロールシューティングゲーム プレイ人数1人・サンソフト(MD版、Wii版)
・セガ(PS2版、PS3版、MDmini版)
・サンソフト(MD版、Wii版)
・エムツー(PS2版、PS3版、MDmini版)
・1992年1月14日(MD版)
・2008年5月7日(Wii版:バーチャルコンソールで配信)
・2008年9月11日(PS2版:【セガエイジス2500シリーズ Vol.33ファンタジーゾーン コンプリートコレクション】に収録)
・2014年4月16日(PS3版:【セガエイジス2500シリーズ Vol.33ファンタジーゾーン コンプリートコレクション】に収録して配信)
・2019年9月19日(MDmini版)
・MEGA DRIVE(メガドライブ)
・Wii(ウィー)
・PlayStation2(プレイステーション2)
・PlayStation3(プレイステーション3)
・Mega Drive Mini(メガドライブミニ)
・有
・Wii版:バーチャルコンソールで配信
・PS3版:【セガエイジス2500シリーズ Vol.33ファンタジーゾーン コンプリートコレクション】に収録して配信
・開発・販売元が別とは思えないほどの世界観の再現、完成度の高さ。
・シリーズで唯一アニメーションによるストーリー演出が加えられており、感情移入しやすい。
・プレイヤーの遊びやすさと見易さに配慮したインターフェイスが整っている。
ストーリー
宇宙歴623X年、ダークメノン軍と名乗る謎の軍団がファンタジーゾーンに現れた。
ダークメノン軍の目的はファンタジーゾーンを我が物とすること。
彼らは次々と惑星都市を襲い、略奪を繰り返した。
その野望にいちはやく気づいたオパオパの父オパパは、単身メノン星へと向かったが、ダークメノン軍の返り討ちにあい、重傷を負ってしまう……。
オパオパよ、父の仇を討ち、ダークメノン軍を打ち破れ!
「セガエイジス2500シリーズ Vol.33ファンタジーゾーン コンプリートコレクション」説明書より
セガではないファンタジーゾーンの行く末はいかに
本作はセガから発売されていた今までのファンタジーゾーンではなくサンソフトが開発・販売を行っているファンタジーゾーンである。
サンソフトは以前もファンタジーゾーンの移植で本シリーズに関わっており、その移植の完成度の高さから本作の開発の期待は大きく、その期待に応えるかのように完成したのが本作です。
開発が移ったということは当然サンソフトならではの世界観でファンタジーゾーンを表現したり解釈・改変が行われるのでしょうか?
そしてスーパーとついたファンタジーゾーン。
どの辺がスーパーになったのか。
システム面で解説すると、システムは初代のものを復唱しているため、2のようなワープゾーンは存在せず、1ゾーン内で1ステージという仕様になっている。
ワープゾーンシステムは賛否両論あり、あまり好まれないシステムだったので「ファンタジーゾーンGear」でも省略されています。
本作もその例に漏れずにワープゾーンは廃止。
従来の左右自由に動ける方式、武装をショップで購入する方式、ポップな世界観などファンタジーゾーンで評価された部分を残しつつサンソフトの解釈で世界観を作り出しています。
ステージ数は8でラストステージにボスラッシュあるというお馴染みの構成。
ステージ1:花の惑星 ピクニカ(PICKNICA)
ステージ2:火山の惑星 カザーン(KAZARNE)
ステージ3: 滝の惑星 ニャガーロ(NIAGARO)
ステージ4:洞窟の惑星 リズケイブ(RISSCAVE)
ステージ5:土の惑星 グランディウス(GRANDIUSS)
ステージ6:電気の惑星 レ・ピッカー(LE-PICKER)
ステージ7:虹の惑星 アフロリウス(AFLORIOUS)
ステージ8:暗黒の惑星 メノン(MENON)
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ステージの背景はファンタジーゾーンちっくというか、セガが開発したかのような遜色ないクオリティ。
色は全体的にオリジナルより薄い色ですがどぎつくなく、それでいてカラフルなので世界観も保っています。
そしてシリーズのファン向けとして懐かしさを思わせる演出。
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例えば、ステージ8のボスラッシュの際に背景が今までのシリーズで倒してきたボスの残骸が浮かんでいるというシリーズを通して世界は繋がっている感を出している憎い演出が施されています。
ファンタジーゾーンを把握しファンの気持ちにもなって演出を手掛けていることがわかる工夫が随所にみられます。
ファンメイド感満載の愛の溢れた演出の数々
本作は本家じゃないのに一番ファンタジーゾーンの物語を分かりやすく掘り下げた作品となっています。
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その証拠にシリーズ唯一オープニングとエンディングにアニメーション演出やシナリオが盛り込まれており、非常にストーリーが分かりやすい。
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ファンタジーゾーンの抱える脅威とは何なのか、何に立ち向かっているのか。
今までは見た目の世界観からあまり闇の部分はあるようで伝わりにくい部分もあったので、まさか本家以外がここまで愛のこもったゲームを制作できるのかと感動しました。
傷ついたパパオパに寄り添うオパオパが可愛い。
ボスのデザインやギミックも面白く、ショップのデザインやインターフェイスにも配慮があり、プレイしやすい内容となっています。
それでいてファンも納得の出来となっておりファンタジーゾーンの良いとこどり!
もちろんオリジナル作品があったからこその本作ですが、ここまでリスペクトして制作されたらOK出すしかないですよね。
まとめ
本作は続編でもあり、セガではなく他の開発・販売元のファンメイドのような作品。
ファンメイドを会社組織という大きな媒体で作っちゃったというような、お茶目で才能の良い使い方をしています。
他の作品でもそうですが情熱がこもったゲームは原作へのリスペクトが高く、原作より下手に良いもの作ろうではなく、原作を再現した上での調整を凄く丁寧に行っているのではないでしょうか。
本作にはその情熱が感じられる作品であり、その心意気は尊敬に値します。
個人的には比べるわけではありませんがオリジナルを越えるまであると言えるほど完成度が高いゲームになっています。
それでは次もね~