夢とはなんでしょう。
先が見えないが未来に希望を抱く自分の理想の姿でしょうか。
それとも憧れていた何かに手が届いた時の達成感?
それとも幻想的なデートスポットに行った時?
「まるで夢みた~い」は幸せを表現する言葉として用いられます。
しかし、本当の夢は寝ている最中にみる幻想。
自分すら想像できないような出来事をランダムで想像している不思議と脳で感じる映像体験。
それには悪い夢、「悪夢」も含まれている。
絶望時に「夢なら醒めてくれ!」と思うのが正に悪夢のような出来事。
今回紹介するレトロゲームはそんな夢をシミュレートした実験的なプレイヤー自身が実験体な不思議なゲームです。
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・LSD(エルエスディー)
ジャンルドリームシミュレータ プレイ人数1人・アスミック・エース エンタテインメント
・アウトサイドディレクターズカンパニー
・1998年10月22日(PS版)
・2010年8月11日(PSP版、PS3版:プレイステーションアーカイブスで配信)
・PlayStation(プレイステーション)
・PlayStation Portable(プレイステーションポータブル)
・PlayStation3(プレイステーション3)
・有
・PSP版、PS3版:プレイステーションアーカイブスで配信
・開発者の脳、夢を描いたドリームシミュレータ。
・夢の行き先のパターンが多いためワープするたびに新鮮な景色が広がっている。
・不安になるようなサウンドが世界観の不気味さと不思議さカルトさを表現している。
はっきりしたグラフィックで開発者の夢を探検できるドリームシミュレータ
LSD…なんだこれは、パッケージだけ見るとなんのゲームか想像できない…インベーダーゲーム?
裏面は…夢のゲームですね。夢のようなゲームではなくです。
そう!LSDは「ドリームシミュレータゲーム」なのです。
変なゲームなのです。
だいたい裏面各項目がカッコで読み仮名が簡単な感じどころかカタカナにも読み仮名をふっているところがもう奇妙です。
「悪夢」項目の説明が長時間のプレイでヘンになると注意書きがあるがその続きが「健康のために、就寝前の30分程度のプレイに抑えておくことを推奨」就寝前って悪夢見せる気満々じゃないか!!
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本作はオープニングからぶっ飛んでいます。
へんなミュージッククリップ、実写映像のようなものをまじえて夢の中にいざないます。
どうにも内容を紹介しにくいゲームですが夢の中を歩き回るゲームです。
ステージは6つ「明月荘」、「寺院」、「京都」、「自然界」、「HAPPY TOWN」、「バイオレンス街」あらためて確認するとステージは6つのみですがもっとあるような感覚です。
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オブジェや建物一つ一つが興味を引き、探索心がものすごく掻き立てられます。
これはすごいことです。
あそこにはなにがあるんだろう。
どうなってるんだろうと。
オープンワールドというジャンルに入れても見劣りしない魅力があります。
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とにかく同じ景色が広がることが滅多になく同じ構造でも模様や音楽、雰囲気が違い新鮮味が常につきまといます。
同じ景色でも模様が覚えにくくあたかも違う景色に見せてしまう。
夢は直前まで覚えていたのに起きるとすぐ忘れる事があります。
しかし、もう一度見ると「あっこの夢見たことある」と急に引き出しが開いたような感覚があります。
それも体験できるのが本作の魅力です。
このゲームはそれぞれのステージ(夢)に移るには「リンク」と呼ばれる要素を使います。
使うというよりかはどこでもいいのでモノにぶつかることで何処かに移動します。
何処かってどこ?何処かですよ…ふふふ。
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ランダムに移動する先は何が待ち受けているのか。
これだけステージが少ないにも関わらず一度として同じものを見た感覚にならないのには工夫があります。
同じ場所でも見た目を変える、リンクでしか訪れられない場所など少ない要素ですがユーザを惑わすことに成功しています。
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一応夢なのである程度リンクを繰り返すと夢から覚める要素がありますがゲーム内で一日経つだけで覚めた感覚はありません。
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それどころかある一定日経過するとなんかオープニングのような奇妙な映像が流れます。
なんかです。
なにっかって言われてもなんかです。適当に言うな!!紹介にならんだろう!!わかりました一つ例を挙げると音楽にあわせてお相撲さんが四股踏んでたりします…ほらもうわかんない。
一見適当に作ってるだろと思いきや夢のあるある要素思い当たる要素はしっかりと抑えているため不思議な胸の高鳴りと恐怖ではないが何か不安にさせる要素があり、不思議な作品です。
私の夢で思い当たる要素として、例えば移動している最中に急に谷底に落ちる感覚や、黒い誰かがいる。
別に何ともないのになぜか怖いという感覚も再現されています。
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キャラクターというよりかは生きてるようで無機質で無意味なオブジェクト。何でそこにいるのか、存在するのか。
理由がないから不思議と引き込まれて、理由がないからこそ何でいんの!!と不安な気持ちにさせるオブジェクトが多数登場する。
地味にこいつら動くから不気味なんだよなぁ…
本作は明確なゲームオーバーやエンディングがないためただただ夢の世界を探検することになります。
しかし、一部黒い謎の紳士にぶつかると夢の記憶がリセットされてしまうキャラクターがおり、これが本作のゲームオーバー扱いとなります。
黒い影の人物は私もそうですが夢の中に出て来て最も不安になる人物であり、何かに誘われるような不思議な人物でもあります。
このように夢のリアルというよりは夢のきっかけや夢の不思議さを体験できる作品となっています。
まとめ
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奇ゲーとして知られる「中天」や「東脳」そして本作「LSD」の作者「佐藤理」が手掛けたこともあり、その作品を思わせるオブジェクトも多数登場し氏の作品ファンであれば馴染み深いものもあるでしょう。
上記作品群も雰囲気はLSDみたいなゲームなので気になる方はオススメです。
不気味、不安、怖いと言いつつ私はお気に入りです。
海外ファンによるリメイクプロジェクト『LSD Revamped』も素晴らしい試みですがやはり、原版が好みですね。
理由はリメイクはキレイ過ぎるところ。映像に靄やノイズもなく不安要素がない。
ある意味、夢の中の不安定さがプレイステーションというまだまだ発展途上なハードで再現されたある種奇跡のゲームかもしれません。
一人称視点というのも地味に憎い要素です。何者でもない自分として夢の中に放り出され彷徨う。
VR新時代に突入したさなかこういった仮想現実(夢だけど)作品は当時は先進的過ぎたかもしれません。
それでも評価する人は一定数いたおかげでPSアーカイブスで配信し今でもプレイできるまでの作品へ長い期間かけ成長しました。
PS3やPSVITA、PSPなどでプレイできるので一度プレイしてみて下さい。
それでは次もね~