私ホラーゲームみたいなドキドキ探索をしてみたい!
だけど…お化けとかホラーは苦手という方!もしかしたらちょっとしたドッキリであれば現実とあの世の狭間…
お化け屋敷なら!
ホラーゲームは何かと現実にまるでお化けやモンスター、狂人が存在するかのような迫力だから苦手な人には物凄く手の出しにくいジャンルです。
それがホラーゲームの良いところですが、私も恐怖のあまりホラーゲームはなかなか一人じゃプレイできない。
それじゃ面白いレトロホラーゲームを紹介できないじゃないか!
それが今年の克服目標です。
お化け屋敷であれば多少のはりぼて感が出て偽物感が出るし怖くないので大丈夫だろうと思い。
挑戦…ゴホン!紹介するのはこちらの異色のホラーアクションゲーム。
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・ILLBLEED(イルブリード)
ジャンルバーチャルホラーランドゲーム プレイ人数1人・セガ
・(株)クレイジーゲーム
・2001年3月29日
・Dreamcast(ドリームキャスト)
・無
なんと驚きなのがキャラクターデザインはなんとあの「バジリスク 〜甲賀忍法帖〜」の作者である「せがわまさき」が担当していたのです。
・ホラーが苦手な人でも楽しめるクロックタワーからシリアス分を少し抜いてバカゲー要素を足した作品。
・それでいてお化け屋敷という箱庭の密室での探索、探求のドキドキ感はしっかりと作り込まれている。
・国産ながらもデザイン、グラフィック、演出は完全に洋物のノリでブラックジョークが程よいアクセント。
・元ネタ探しが楽しいあっと驚く、クスッと笑えるパロディネタ満載。
ストーリー
「インブリード」は、”もっとも上映禁止を多発させた問題ホラー映画プロデューサー”にして名高いマイケル・レイノルズが、入場者を恐怖のドン底にたたき込むためだけに造った本格ホラー・テーマパークです。もしすべてのステージから生還した場合には、最高1億ドルの賞金をご用意しています。
あなたが「イルブリード」に一歩踏み込んだとたんに経験するのは、容赦ないショック・イベントの猛襲。激しい恐怖の連続に、心拍数は面白いように上昇します。
これまで挑戦した人たちは、ことごとく死亡、脱落しています。一度入場したら最後、例え、生命の危機に陥っても、全ステージをクリアするまで退場することは出来ないのです。
つまり結末は、<脱出>か<死>の2つしかないのです。目もくらむ高額賞金のために命を捨てることを顕著しない勇敢なあなたの挑戦を、心よりお待ちしています。
インブリード説明書より
バーチャルお化け屋敷がここに誕生!
本作は問題ホラー映画プロデューサーが上映禁止の腹いせに制作した架空の映画を題材にした6つのバーチャルお化け屋敷に挑戦できるゲームです。
ステージ1:MINNESOTA HELL CINEMA【死を呼ぶホームラン】
事故で焼け死んだ少年の父親が巻き起こす復讐劇を、怨念たっぷりに描く人気ステージ。
ステージ2:CINEPANIC【女王ミミズの復讐】
地中を這い回る巨大ミミズがウジャウジャ!絶叫確実。
ステージ3:BOOGIE’S FUN MOVIES【材木人間】
北米に伝わる”ウドポックル伝説”にもとづいた、極めつけ恐怖の館。
ステージ4:SHOCK IT TO ME THEATER【殺人デパートの恐怖】
びっくりイベントの品揃えが豊富な”殺人デパート”って何だ!?
ステージ5:HALL OF RESENTMENT【キラーマン】
謎の男キラーマンとは!?
ステージ6:CHILD PALACE【トイハンター】
人気キャラクター「トイハンター」ことインダくんの物語。
「バイオハザード」のように特殊部隊所属の屈強な戦士ではなく「クロックタワー」のような無防備な彼らには恐怖に出くわすだけでパニックになってしまいます。
それらの恐怖感情を感覚やアイテムで回避しアトラクションの出口へと攻略を進めていきます。
アトラクションと呼ぶには狂気だがホラーというには馬鹿らしい
物語は主人公の「エリコ・クリスティ」の弁論大会から始まる。
エリコは自分の生い立ちをつらつらと語り始める。
弁論大会なのでさぞ特殊な生い立ちをお持ちなのかと聞いているとその特殊な生い立ちに同情すら覚える幼少期を過ごしたようだ。
親が移動お化け屋敷「ホラーキャラバン」を経営しており、物心ついたころから父親の考えたお化け屋敷の仕掛けの実験台になっていた。
物心ついたころがまずおかしい!かわいそ…
一見幼児虐待でトラウマとなり成長過程で影響を受けたと思うだろうがエリコはその逆だった。
彼女は学園でも才女として知られており弁論大会でもどうせエリコなら優勝でしょと言われるほどである。
それでは幼少期、ホラーキャラバンは彼女にどのような影響を与えたのか。
それは「何者にもまったく恐怖を感じなくなってしまった」ことです。
最強のストレス耐性じゃないっすか!
ある意味父親のホラーキャラバンの完成度の高さが伺えます。
この世の何よりも怖かったっていうことですからね。
そんなホラー英才教育を受けたエリコは「ホラー映画研究会部長」を務めている。
確かにこれだけ恐怖耐性があればホラー映画を冷静に分析できそうですね。
ホラー研に入るということは幼少期の父親の行いもそれほど恨んでいる様子はありません。
エリコの弁論大会が終わるとホラー研のメンバーが集合した。
メンバーは部長の「エリコ・クリスティ」をはじめ「ケヴィン・カーツマン」、「ランディ・フェアバンクス」、「ミシェル・ウォーターズ」の4人。
いわゆるホラーマニアの集まりで目的は多種多様。
エリコは「ザ・ホラー美少女」の典型的なか弱い美少女ですね。これだけじゃいまいちだと思ったのか「恐怖耐性がある」という強烈な個性をゲームシステムにも組み込んだのが良かったですね。
ケヴィンは一見チャラいですが、とても博識で優秀です。
ミシェルは天使ですね。霊感が強い少女でその力を社会の役に立てるために活動しているなんて天使だ…
ランディ…お前だけ狂気や…スプラッターホラーマニアは分かったが作品の出来ではなく「半裸美女の惨殺シーンさえ映れば満足」って映像だけで満足している内は良いですが、その内なんかやるぞこいつ…ラグビー部から移籍の脳筋野郎の能無しランディ。
しかも、ランディちょっと言葉の節々と明らかにろれつが回らないしゃべり方が怖えよ…
メンバーの一人ミシェルが巷で話題のお化け屋敷アトラクション「イルブリード」のチケットを持ってきた。
イルブリって略するのが学生のノリっぽいですね。
イルブリじゃん!ぱねー的な!
そのアトラクションの賞金はなんと「1億ドル」。
エリコ以外のメンバーはノリノリだがエリコはたかだかお化け屋敷の賞金が1億ドルはおかしいと冷静に分析し参加を拒む。
エリコを残しメンバーはイルブリードに向かうも数日経っても帰ってくる気配がない。
心配になったエリコはメンバーを探しにイルブリードへ足を踏み入れるのだった。
君のアドレナリンの準備は良いか?四感を感じながらの攻略はドキドキハラハラ!
マイケル・レイノルズのホラー映画を再現したイルブリードでは四感、体力、アドレナリンなどキャラクターの身体状況を把握しながら進めることが攻略の鍵となります。
ゲームの基本的な流れは各アトラクションシアターに入場してステージを攻略していきます。
ステージ攻略の最もキーとなるアイテムが「ホラーモニター」です。
このホラーモニターを手に入れることで四感センサーが働く。
この四感を感知することでアトラクションに仕掛けられたトラップやショックイベントを事前に感知することができるのです。
四感は「視覚」、「聴覚」、「嗅覚」、「第六感」の4つ。
未警戒状態だとびっくりして尻もちをつき、隙が生まれてしまうばかりか心拍数が255を超えるとショック死してしまいます。
ホラーモニターで警戒するにはアドレナリンを消費するので警戒成功やアイテムを用いて常に警戒できる態勢を整えることが重要です。
当然モンスターの攻撃を受けて体力が0になっても死亡してしまいます。
ホラーモニターを使い「警戒」、「調査」を繰り返しトラップ回避やアイテムを入手、様々なアトラクションイベントをクリアしてゴールへ向かうのが一連の流れとなります。
ホラーモニターは毎回入手することをおすすめします。
本作はトラップ位置がアトラクション入場毎に変化するので場所を覚えたから次はすんなりとはいきません。
しかし、毎回攻略方法が違うのは繰り返しプレイしたくなる要素であり、何よりいつも新鮮な気持ちでドキドキ挑めるのは作品として理想だと思います。
ホラーゲームなのにホラー分を薄めにできるのは「彩度の濃さ」、「演出の大げささ」、「真面目に狂気なのかおふざけかの中間キャラ」、「隠し味のセクシー要素」、だと感じました。
戦闘の出血シーンも何だか演出で使う血のりの量間違えました!と脳みそはじけんばかりに派手であり、画面やオブジェクト、キャラクターやモンスターが全体的に明るめで陽気なのだ。
私自身が本当に怖いホラーは画面が暗くはっきりせずBGMもなんか遠くて、モンスターのように陽気ではなく幽霊や狂人のような得体の知れないものです。
近い作品だとバイオハザードのゾンビですね。
ゾンビだと理性もないが出どころも出所もある程度分かるから実験の悲劇の産物モンスターぐらいに思えるのですが、幽霊は解析不可能、狂人は理性がありそれが狂っているからこそ怖いですよね。
狂人はこのゲームに出てきますが何というか字幕があるセリフがあるから安心できるんですかね?多分暗いところで聞くと怖いセリフでもイルブリードは画面が明るいのでコミカルに映る部分も多いです。不思議ですね。
登場キャラクターも頑張って狂気を演じているつもりがおバカに映る脱力演出。それを表す良い例がこちら!
無機物から放たれる意味もない言葉の羅列が恐怖を誘う演出がホラーやミステリーで良くあります。
それを頑張ってこの「材木人間」が演出してくれようとするのですが「ぱ行」はダメでしょう!気が抜ける…
「あぷぷーぷりぷりーぷー」ってぷりぷりーが子供が好きそうなワードで怖さがない!
ひとりでに動いている演出の方がなんか言えよ言ってよ怖いよとなったかもしれませんが余計な一言でガッチリ笑いの掴みを完璧にこなしてしまう愛らしい材木人間に早変わり。
「ら行」とか「濁点(゛)」使ったほうが怖いかも。
癖が強い!狂気が迷走して怖い通り越して愛嬌があるアトラクションの住人達
このゲームの良いところはB級なはりぼて感で登場キャラクターたちは操作を誤るとたちまち恐怖に襲われるが、プレイしているプレイヤーから見ると非常に滑稽に見えるバカゲー要素がある。
滑稽に見えるのはグラフィックがしょぼいからではない。あくまで「お化け屋敷」を意識して人間が制作したものだよ感とアトラクション感が上手く表現されという意味です。
彩色は非常に濃くてまるで外国のケーキみたいな派手な色のせいで狂気が半減し狂気とコメディの混合のような世界観に仕上がっています。
私のようなホラー苦手だけど探索や探検のドキドキ感は好きという人には打ってつけの作品です。
正直私この作品かなり好きです。こういうゲーム沢山出て欲しい。知って欲しい。
そんな癖の強い世界観には様々な陽気な演出があります。
例えば本作攻略の必須アイテムである「ホラーモニター」でムフフないたずらを試みる輩。
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なんと天才的な…ハレンチな!許さんぞ!お前ばっかり!どれどれ…ふほーっホントだ!
本来ホラーモニターは感知する物を視覚化するものですが物理的にこんなこともできるなんて!
ステージもパロディネタが有り、どのホラー映画のパロディと思いきや…
ステージ6のトイハンターって元ネタ絶対トイストーリーの事だろ!
この絵面完全にウッディとバズやん!完全に銀河の彼方へさあ行ってるよ!
他にも販売元がセガなせいか最初何となくソニックに見えただけで私の感性だろうと思いきやこの演出…
このリング絶対ソニック!
このように恐怖する前にツッコミが先に入るほどボケとしては掴みが最高のゲームです。
まとめ
ホラーゲーム入門編として私自身もみなさんにもおすすめできるゲームです。
理由は「怖いっちゃ怖い」だからです。
ホラー要素が無いのにホラーゲームをやってみたとは言えないでしょう。だからといって本格ホラーは敷居が高いという方に凄くおすすめしたい作品です。
ホラー耐性ない僕でも楽しくプレイできました。
いくらホラー難度が低いとはいえ面白くなきゃおすすめはできないのでホラー苦手だけど興味ある人もホラーゲーム好きな人にも遊んで楽しめるゲームとなっています。
ストーリーはマルチエンディング性で仲間の生死や2週目以降の展開でエンディングが変わるので1週目はゲームを楽しみ、2週目は雰囲気を味わいつつ楽しむのも良いですね。
国産なのに雰囲気もデザインもノリが洋物っぽくて字幕やキャラが変な片言なのも愛嬌があり、それらの発見も楽しむ要素として十分に備えています。
ゲームはエンターテイメントですからこういったおバカなノリを本気で作られると本当に面白いから困りますね。
残念ながらXbox版は発売中止、表現の過激さからリメイクは絶望的であろうドリキャスにありがちな先進的なゲームでした。
イルブリードのエリコのフィギュアが特典で存在しているのですが、スターウォーズなど外国のフィギュアっぽくてちょっと欲しい。今度探そう。
それでは次もね~