角界を揺るがす大事件なんてのはいつの時代も起きるものです。
それはひとえに伝統と新時代の考え方がどうしても入り乱れるからです。
伝統を守り重んじるのか、革新的な改革をするのか。
でも相撲界の革新的ってなんだ?
意外とビデオ判定なんかはどのスポーツよりも早く意外と進んでいるように感じます。
パワハラ、体罰なんかはスポーツ全体に言えることだし…
そう考えると伝統を変える必要はないけど重んじるのは大切かなという答えに行き着きます。
今回紹介するレトロゲームは相撲ゲームを探したときにこれ以上の充実度はないであろう作品を発見したので紹介したいと思います。
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・日本相撲協曾公認 日本大相撲 本場所激闘編
ジャンルスポーツゲーム プレイ人数1~2人・コナミ
・コナミ
・2002年7月11日
・PlayStation2(プレイステーション2)
・無
・「財団法人 日本相撲協會」公式ライセンス商品なので実名選手が使用できる。
・とにかく決まり手が62種類と豊富で普段滅多に見れないであろう決まり手まで再現している。
・本場所開幕からの行事の再現、力士の挙動までリアルに再現されている。
実名選手が使える!相撲協會公式ライセンス作品
まずは色んな意味で流石というべきでしょう。
相撲ゲームという人気はあるけどやはりゲームとしてはニッチな分野に挑戦する。
更にはニッチな分野の作品にも公式ライセンスを取るという徹底っぷり。
しかし、「パワプロ」シリーズをやってきたコナミだからこそ実名選手を操作出来たら楽しいことは重々承知なのでしょう。
これまで相撲ゲームはいくつか出しているコナミですがコナミに限らずゲーム業界全体を見てもこんなに充実した相撲ゲームはないでしょう。
それほどニッチなテーマのゲームではありますが数少ない中でもこれがというのはそれなりに理由があります。
本作は選手の数もさることながら今は引退した歴代最強の力士が一同に集まっているのが凄いですね。
力士データは「平成14年初場所」時点での力士から選出されています。
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まず「武蔵丸」と「貴乃花」が横綱時代というのが懐かしい!
「魁皇」に「千代大海」、しかも後の大横綱「朝青龍」がまだ関脇の時代とかレアですね。
今や相撲部屋の親方になった面々もちらほらといますね。
相撲ファンではなくても名前ぐらいは聞いたことがある面々ばかりです。
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有名力士からマイナーな力士までを操作できるのは総勢40人以上と相撲ゲームではこれまで類を見ない充実っぷり。
こう眺めると力士ごと下の名前あったんだと今更気づきました…相撲ファンならフルネームで覚えてるんだろうな。
もちろん実名を使用しているだけではなく力士ごとに「得意形」、「得意技」、「十八番」が存在し力士の特徴を活かした戦いを行うことができるのも本作の醍醐味です。
PS2のパワーを使い、力士の顔も表情こそないものの全て忠実に再現されており名前の読み上げがなくとも判別ができるぐらいリアルに表現されています。
相撲とは
相撲は文化的な遊びでも知られ、友達同士や特に父親と昔相撲をとったことがないだろうか。
最初は当然親に押し負けるが成長と共に力がついてきてそれを見て親は子供の成長を喜んでいたのだと思う。
正式な競技としては直径4.55m(15尺)の円形の土俵の中で廻しを締めた二人が取り組みを行い勝ち負けを競うもの。
土俵から出るか、地面に足の裏以外がついた場合、もしくは反則を行った場合、負けとなります。
また禁じ手として「突く(張り手は有り)、殴る、蹴る」は反則となります。
再現度を高めるために練り込まれた取り組みシステム
取り組みは基本的には相撲のルールに忠実で立会いのもと「突く・押す」もしくは「まわしを掴みバランスを崩し」そして「決まり手」を決める。
本作は相撲の取り組みを忠実に再現するために少し特殊な操作方法が必要です。
特にコントローラのアナログパッド両方を使った操作が特に独特で最初はまともに取り組みが行えません。
なので最初は練習モードの「朝稽古」や対戦モードの「出稽古」で操作に慣れることをおすすめします。
やはり土俵の円上の奥行きを用いての操作なので格闘ゲームのように直線状の戦いではないため再現性がなかなかしにくいゲームではあります。
格闘ゲームでいうところの投げ技の精密さに超絶特化したゲームとも言えるでしょう。
恐らく柔道ゲームを仮に作る際と同じでようは相手のバランスを崩したところで投げるなどの技を決める。
これがゲームとして成立させるうえで重要でしょう。
そのかわりなのでしょうか相撲の醍醐味であるぶつかり合いが弱くぺちって感じでここは表現が弱い感じはしました。
まわしを組む前提なので難しいところではありますが巨漢の同士のぶつかり合い感はあまりないですね。
そのため取り組みが長くなってしまうことがしばしばあります。
そのため本作のパラメーターの一つである「スタミナゲージ」がぐいぐい減っていくのでそれらも注意する必要があります。
操作に慣れたらいざ本場所へ
本作メインモードとして相撲の本番舞台である「本場所」に出場し優勝を目指すことが目的となります。
15日間で15回の取り組みを行い最も勝ち数の多い力士が優勝となります。
力士は最初は10人ほどしか使用できませんが優勝することで使用できる力士が増え、総勢40人以上が使用可能となります。
相撲ゲームということで「土俵入り」や取り組み表の「電光掲示板」も再現されており相撲の雰囲気を忠実に再現しています。
これらはスキップできるのでストレスなく取り組みを行えるのもいいですね。
相撲ファンは「それが良いんだよ!」と仰るかもしれませんが個人的に取り組み前の準備は長いためそれをゲームで毎回強制発生だと恐らくクソゲーとなっていたでしょう。
自分の番までスキップすることも可能ですがコンピュータ同士の対戦を観戦することもできます。
本場所取り組みは自分が使用する力士の特徴やパラメーターを知ることが攻略のポイントとなります。
もちろん横綱の方がパラメーター的には優秀ですが取り組みの立ち位置やバランス崩しのせめぎ合いがありため、油断すると横綱でもあっさりと負けてしまいます。
逆に格下が大金星をあげるというリアル相撲でも盛り上がる展開を作り出すことも可能です。
・力:突き押しの威力に影響する。
・すばやさ:移動スピードに影響しスピードが早い力士は相手の後ろに回り込むなどの戦略をとることができる。
・足腰:投げ・寄り系の成功率に影響する。
・技術:掛け・反り・連続系の成功率に影響する。
・バランス:本作で最も重要なパラメーターでバランスを崩す力や防御力に影響する。
本場所取り組みはとにかくリアルで迫力があります。
本場所開幕の振る舞い、観客の声援、場内アナウンス、行司のかけ声など隅々まで再現されています。
そして力士の放つ大技、そして投げられる方のバランスの崩し方など挙動の一つ一つにこだわりを感じよく観察し再現されたゲームです。
PS2で再現したからこそ関節の動きまでスムーズなので決まり手も決まると爽快感があり、技の出しごたえがあります。
また本場所で獲得した懸賞金は「よろず屋」の買い物に使用することができ「まわし」、「化粧まわし」、「懸賞旗」を購入することができます。
その他に力士の「能力変更」を行うことができパラメーターを増やすことができる育成要素もあります。
まとめ
前々からではありますが今の相撲業界はモンゴル勢が横綱、大関もしくは優勝する姿が目立ちます。
日本は相撲は国技ではあり、小さい頃から慣れ親しんでいますがモンゴルなどのように習い事レベルで行う人は少ないです。
そのためマイナーではないがゲームの世界では再現性も薄く本作以降も続編やその他別会社からも特に発売はされていません(スマホでカードゲームはあったけど)。
PS3、PS4で発売すれば凄いリアルで更に昔の力士も使えるなんているパワプロさながらのボリュームとか期待しちゃいますが採算はとれなさそうな気はします…
そのため本作はゲームの歴史的にも大変貴重な一作なのではないかと思います。
それでは次もね~