ファンタジー世界の勇者や冒険者を題材にしたゲームといえばRPG、アクション、シミュレーションとジャンルは多岐にわたります。
その中でもジャンルとして例があまりないのがシューティングゲーム。
しいてあげるとしたら「パンツァードラグーン」や「ドラッグオンドラグーン」などでしょうか。
ドラゴンの背に乗り戦うシューティング要素が特徴の両作ですがどちらかというとシューティングというよりアクションゲームの要素が強いでしょう。
今回紹介するレトロゲームはゴリゴリのシューティングゲームながらもRPGを思わせる世界観とシステムが特徴的なこちらのゲーム。
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・ドラゴンブレイズ
ジャンルシューティングゲーム プレイ人数1~2人・彩京(AC版)
・タイトー(PS2版)
・ゼロディブ(Switch)
・彩京
・2000年(AC版)
・2005年3月31日(PS2版)
・2018年4月5日(Switch版)
・アーケード
・PlayStation2(プレイステーション2)
・Nintendo Switch(ニンテンドースイッチ)
・無
・ドラゴンの騎乗と近接・遠距離攻撃を使い分ける戦略的なシューティングゲームを楽しめる。
・美しく作り込まれた命が宿るRPG世界をドラゴンと一気に駆け巡る爽快感。
・ドM必見の焦らしのスローボールからの弾丸速球の緩急が程よい緊張感のシューティングゲーム。
ストーリー
地・水・火・風・そして月に太陽。
4つの魔石と月と太陽の神による魔法均衡は、結界世界メガリスにかつてない繁栄をもたらし人々は長い間、豊かで平和な生活を営んでいた。
しかし平和な時代は、突如現れた魔王ネビュロスと闇の軍勢によって幕を閉じる。
遥か昔、世界創造時の神々の大戦でネビュロスは太陽と月の神に破れ、4つの魔石によって封印されていたが戦争に魔王召喚を行使し、勝利を図ろうとした国家により封印を開放されてしまう。
現代の世に復活を果たしたネビュロスは、復讐として月の神の精神を暗黒の力で支配した。
万物の構成を司る月の神は、次々と人の精神や姿を醜悪なものへと変貌させ、闇の軍団を創りあげていった。
そしてメガリス全体はかつてない破壊と混沌の渦の中に巻き込まれ始める。
既に太陽の神に向けて闇の軍勢が動き始めた。
これに脅威を感じた太陽の神は、4人のドラゴンナイトに神々の武具を託し魔王ネビュロス打倒を命じた。
「彩京シューティングコレクションVol.3ソルディバイド&ドラゴンブレイズ」説明書より
決めろ必殺技ドラゴンシュート!
本作で最大の特徴がこの「ドラゴンシュート」。
ドラゴンシュートと聞くとキャプテン翼やイナズマイレブンに登場しそうなトンでもシュートの名称のようですが半分はあってます。
「ドラゴンシュート」とはドラゴンに騎乗しているキャラクターとドラゴンを分離させたり再度合体させて戦わせることができるシステムです。
この分離の際に発生するする特殊な近接攻撃のことをドラゴンシュートとも呼びます。
この近接攻撃が超高威力のためボス戦に超有効!
無制限使用と正にドラゴンを味方につけた頼もしい限りの必殺技!
遠距離ショットとドラゴンシュートの使い分けが本作の攻略の鍵となります。
また、ドラゴンシュートを使用することでドラゴンをキャラクターとは別の位置に配置して複合的に攻撃を行うことができます。
ドラゴンを効果的な位置に配置して自機は他の敵の攻撃もしくは回避に専念するなど戦略的な攻略を行うことができるのが特徴です。
もちろんドラゴンシュートを使わなくても攻略は可能ですが攻略方法が複数あるのは覚えゲーが多い言われるシューティングゲームとしては楽しみの幅が広がりますね!
個性にあったドラゴンを相棒に4人の戦士が魔王を打ち砕く!
RPGのパーティー構成としてお馴染み主人公枠の「戦士」、サポート役の「遠距離戦士」、パワーが売りの「重戦士」、マジックマスターの「魔法使い」。
ベタですが本作で使用できるキャラクターは上記構成の4人から選択可能。
残念ながら彩京お馴染み隠しキャラ要素はないのですがセオリーとしては「ソルディバイド」以上にRPGに忠実かと。
隠しキャラとして遊び人とかいたら嬉しかったかも…なんてスケベ心を隠し切れない思春期から心だけ動かないレトロボーイは勝手に残念がる。
キャラクター達は容姿、設定、武器、ドラゴンの種類は違うものの基本的には「ショット」、「サブショット」、「合体マジック」、「分離マジック」、「マジックボム」の5種類を使い分けて戦います。
「ショット」は主に攻撃手段として使用するメインショットそれを補うオプションショットとして「サブショット」があります。
「ショット」は溜め撃ちすることができ分離状態の変化で「合体マジック」、「分離マジック」と効果が変化する「スーパーマジック」とし使用可能。
「マジックボム」はシューティングゲームお馴染み少しの無敵時間と画面を覆う全体攻撃技。
上記RPGのテンプレート的構成とお伝えしましたが本作のキャラクター設定は個性を引き出すために「属性」でもキャラクターの特徴を表現しています。
「天駆ける竜騎士:クエイド」はザ・竜騎士のスタンダード熱血炎な「ファイアードラゴン」を操る主人公的存在。
「大海原の少女:ソニア」は水を操る女性らしい正にヴィーナスとも言えるフォーター乙女でドラゴンも「アクアドラゴン」を操ります。
「巨木の森の番人:ロブ」はドワーフ=森に住んでいるのイメージ通りハンマーや斧などを操るキャラクターは雷を操るがセオリーの「サンダードラゴン」使い。
「若き死霊魔道士:イアン」はアーケード版の2000年で既に今の30代は若いを認知したかのような30歳=まだ若いの死霊魔道士。
死霊を操るだけあり彼の手にかかればドラゴンの骨すら「スカルドラゴン」へと変貌させる。
このようにドラゴンという種類によっても個性を引き出しています。
それぞれが攻撃の威力や範囲、移動速度などに違いはあるものの「ドラゴン」という共通の頼もしい相棒を与えられた各キャラクターをプレイヤーがどう操るか。
それが本作の醍醐味でありプレイヤーごとにも楽しみ方が変わってくるところでしょう。
ドラゴンが駆けるの疾走感がそのまま高難易度の高速弾丸がプレイヤーを襲う!
本作は「ソルディバイド」とは違い設定や縦スクロールシューティングということもあり疾走感を表現した作品となっています。
砂浜を駆けるまるでチョコボのような鳥の大群。
それを追い越すドラゴンのスピード。
それに呼応するようなゲーム内の弾速の速さ。
各設定上速く動くものの多い本作はそれに合わせて難易度も高くまるで「怒首領蜂」の高速弾丸あらしを体験しているようでした。
そんな背景には目もくれられない攻撃のあらしですが、空中から見下ろす世界の命の息吹を感じないのはもったいない!
我々は空中で戦争をしていますがそれを地上の生き物はどう見ているのかどのように感じているか、どのように支援・声援を送っているのか、どのように逃げ惑うのか。
そんなRPGの佳境の緊張感やアクション映画のレースアクションなどとにかくプレイヤーを軸に繰り広げられる出来事の数々が見ごたえがあります。
活気あふれた市街地や静かな森の中など戦いは場所を選んではくれないという物悲しさと「もし戦いが終わったらドラゴンもう一度この美しい世界に訪れる」という主人公さながらの死亡フラグを感じつつ楽しむことができます。
全7ステージで構成されており2週するとクリアとなります。
ステージ1~4はランダムで5~7は固定となっています。
ステージ1~4までランダム
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ステージ5
ステージ6
ステージ7
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弾丸の速度は速いですが7ステージある分ステージ一つ一つは手軽に遊べるので粘り勝ちできるスタイルです。
短時間で集中してプレイできるため程よい緊張感の後の達成感を感じやすいゲームです。
難しいゲームではありますが「やればできる」の決して意地悪過ぎるゲームではありません。
「怒首領蜂 大往生」なんて泣くレベル…
それらが好きなドMな皆さんなら気に入るゲームだと思いますよ!
まとめ
今までドラゴンブレイズはアーケード、家庭用ではPS2版「彩京シューティングコレクションVol.3ソルディバイド&ドラゴンブレイズ」にしか収録されていなかったため多くのユーザーがプレイできる環境ではありませんでした。
こういったゲームはプレミアソフトとなって初めて面白さや価値に気づく人が大半だと思います。
そんな時こそプレイできる機会や環境があればな~と常々紹介していても思います。
本作はそんな願いが通じたかもしくは皆が望んでいたのかニンテンドースイッチ版「ドラゴンブレイズ for Nintendo Switch」としてDL版のみですが発売しました。
本当に最近のニンテンドースイッチのアーカイブス化は良ラインナップで素晴らしい!
特に彩京シューティングゲームを満遍なく取り揃えている辺りは流石です。
3DSの頃も「サマーカーニバル'92 烈火」を配信しちゃうなどシューティングゲームには何かと手厚い任天堂。
シューティングゲームはジャンルも開発元なども市場的に縮小やクオリティ程の強気な勝負ができないジャンルでもあるのでこの盛り上がりは今後のシューティングゲーム業界に大きく影響、または転機を与えるのではないか、そう考えています。
本作はRPG要素を加えた横スクロールシューティング「ソルディバイド」で挑戦したことを今度はRPG要素を加えた縦スクロールシューティングとして挑戦した実験作。
果たして開発者、ユーザーにはどちらの方式がうけたのか、またはそもそもRPG要素はシューティングゲームファンに受け入れられたのか。
そちらを同時に体験するならPS2版「ソルディバイド&ドラゴンブレイズ」なのですがいかんせんプレミアソフトとして高騰凄くて…
しかし、少なくともRPG要素を取り入れた唯一無二の作品としては評価されたという証ではないでしょうか。
私個人的には「ソルディバイド」が新鮮でした。
あの頃のRPGは天上からキャラクターとフィールドを見下ろす視点が主流だったので横スクロールは新鮮でした。
それでは次もね~