人気があっても家庭用移植されない。
移植されないため稼働が終わるとほぼ全ての人が今後遊べなくなる。
そんな不遇な作品も多いアーケード業界。
そんなアーケード業界が逆転の一手を放つとしたら家庭用の人気作をアーケードにすれば!の発想でした。
近年だとPCやスマホで人気を博したゲームたちが次々とアーケード進出しゲームシステムなど形を変えゲームセンターで稼働しています。
今回紹介するレトロゲームは人気シリーズをアーケード用にアレンジした作品を紹介します。
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・ロックマンパワーバトルファイターズ
ジャンルアクションゲーム プレイ人数1~2人・カプコン
・カプコン
・2004年7月29日(PS2版)
・2017年1月18日(GA版)
PlayStation2(プレイステーション2)
・有(プレイステーションストア)
・アーケード版唯一のロックマン作品を唯一完全移植され2作品同時収録した家庭用移植作品。
・シリーズオリジナル版にはなかったボスの動きでシリーズファンも新鮮にプレイできる。
・家庭用オリジナルモードの「対人戦モード」、「全シリーズのボスラッシュモード」が追加。
ロックマンシリーズ最初にして最後のアーケード作品
本作はロックマンシリーズ初のアーケード作品「ロックマン・ザ・パワーバトル」、「ロックマン2・ザ・パワーファイターズ」の2作品を一本に収録した作品です。
特徴としてロックマンシリーズのボス戦を連続で行う「ボスラッシュ」で構成されたゲームです。
アーケード版でもロックマンの特徴を活かしたボス戦で得たボスの特殊能力を用いた戦闘やスライディング、壁キック。
またロックマンシリーズの特徴であるステージの特殊ギミックを活かした攻略などが取り入れられています。
アーケード版からの移植はネオジオポケット版「ロックマン・バトルファイターズ」とPS2版「ロックマン・パワーバトルファイターズ」のみとなります。
2000年7月6日に発売したネオジオポケット版は携帯ゲーム機ということもありグラフィックはもちろん、一人プレイ専用で機能も制限されていますが世界観、ゲーム性は十分に満たしています。
むしろ携帯ゲーム機に2作品同時収録しようとして実現してしまうのが凄いですね。
グラフィックはファミコン版のようになっているため好みによってはこちらの方が好きという方もいるかもしれません。
そして本作「ロックマンパワーバトルファイターズ」は唯一のアーケード完全移植版となります。
また追加要素として「プレイヤー同士の対人戦」や「全てのボスのボスラッシュモード」などオリジナル要素が追加されました。
基本ルールは1も2もそれほど差はなありません。
ロックマンシリーズお馴染みの任意でステージ選択を行いそのままボス戦へと挑みます。
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戦闘ではロックマンお馴染みアクションである「スライディング」や「ダッシュ」を使いながら攻略していきます。
攻撃手段はお馴染み「ショット」、「チャージショット」。
そしてアーケードゲーム主流である格闘ゲームからのインスパイアなのか昇竜拳のような「ロックアッパー」やムーンサルトのような「クレセントキック」などカプコンだからこそ借りることのできた技を少し隠し味として格闘ゲーム要素を使用しています。
またダウン時には回転移動しながらの起き上がり動作を行うこともできます。
正にゲームセンターの主流ゲームであるシューティングゲームと格闘ゲームを合わせたような作品にしようとした感が盛り込まれた作品です。
各ステージをクリアするとロックマンシリーズでお馴染みのボスの能力を特殊技として使用することができます。
そしてアーケード版とオリジナルシリーズで違うところは全てのキャラクターがボスの特殊攻撃を使用することができる点です。
オリジナル版ロックマンだとキャラクターの能力を差別化するため一番オールラウンドなロックマンのみボスの能力が使えます。
他は固有の強力スキルがあるみたいな設定ですが本作はキャラクターごとの大きな差がないことと協力要素、PS2版は対戦要素があるためキャラクターごと突出しすぎるとゲームバランスが崩れると踏んでか全員がボス能力を使えるいうロックマンシリーズでは珍しい設定となっています。
使用キャラクターのエネルギーゲージがなくなるかタイムが0になるとゲームオーバーとなります。
ロックマン・ザ・パワーバトル
1995年10月にアーケードで稼働したロックマン初のアーケードゲームでロックマンシリーズ1~7のボスから選出されて構成されています。
もちろんファミコン時代の旧作シリーズなのでボス等はアーケードようにアレンジされより行動や攻撃パターンが特殊なものへと生まれ変わっています。
またチャージショットなど強力な攻撃を行うと吹っ飛び動作を行い敵がひるむことがあります。
このようにアーケードならではの要素を備えたのとロックマンシリーズはボス戦が割と難易度が高いので新規でも楽しめる戦略性を加えた要素を兼ね備えています。
そのためロックマンシリーズファンでも新鮮なプレイ感覚を味わうことができるのが大きな特徴です。
またシリーズ主人公である「ロックマン」以外に旧作ではプレイヤーキャラクターとして使用できない「フォルテ」、「ブルース」が使用可能となっています。
ロックマン2・ザ・パワーファイターズ
1996年8月にアーケードで稼働した前作「ロックマン・ザ・パワーバトル」の続編です。
前作の「ロックマン」、「ブルース」、「フォルテ」に加え、新操作キャラクターとして後の「ロックマン8」作品から「デューオ」が参戦。
ボス構成は前作同様ロックマンシリーズ1~7から選出されています。
前作は純粋にロックマンシリーズのボスラッシュを楽しめるということでしたが続編となる2はよりアーケード版ならではの要素を強めた作品となっています。
前作からの変更点として以下が変更となりました。
・ひるみ動作にひるみ値が追加:前作は強力な攻撃でないとひるみませんでした。本作はダメージの蓄積でひるみ動作を行うようになりました。
・必殺技の追加:チャージショットの派生攻撃として必殺技の「チャージアタック」が追加。
・サポートメカの追加:「エディー」が登場し、その中から「ラッシュ」、「ビート」、「ゴスペル」などのサポートメカが出てきます。
・特殊武器の入手有無:ボスの撃破により入手アイテムの中からランダムでドロップに変更。
・パワーアップアイテムの追加:アクション強化されるアイテムがボスからランダムでドロップする。
・敵キャラクターのガード動作追加:本作主人公キャラクターのパワーアップ要素が増えたことによりボスも強化されガード機能が追加されました。
前作より多くのアクションを追加した本作はいい意味でロックマンシリーズから離れたアクションを多用に追加することでよりアーケード用として改良されています。
しかし、敵キャラクターにもガード機能が付いたがプレイヤー側が割とパワーアップしてしまったので、はめ技が決められてしまうのが難易度的に物足りなくなってしまった点ではあります。
このことによりロックマンシリーズファンにとっては評価が分かれるところです。
このシリーズを新鮮と感じるかロックマンシリーズの絶妙な攻略バランスを崩したと感じるか。
どちらにしろアーケードゲームとしてあまり長く続かなかったことでアーケードゲームの評価としていまいち振るわなかったように思います。
しかし、家庭用に移植され、アーカイブスにも登場したことでその手軽さとアーケードで触れることのなかった人に再評価される流れがきています。
まとめ
どうしても最近の家庭用ゲームファンはアーケードやスマホなどの課金ゲームより買い切りのゲームのほうが好むようです。
私もやはり学生時代はお金入れたら終わりのゲームより買い切りで永久に遊べるの方がコスパ的には良かったためあまりアーケードはプレイしてきませんでした。
今は少し後悔もありますが今からでもあの頃の空気を味わうためにアーケードゲームを少しずつプレイするようになりました。
アーケード唯一のロックマン作品なだけにそれだけでも貴重な作品です。
しかし、それ以降アーケードではロックマンの新作は姿を見ることはありませんでした。
なぜでしょうね?
それはあまりにも家庭用が人気すぎてわざわざアーケードでプレイしようとする人が少なかったからでしょうか。
それでも格闘ゲームブームが起こった1990年代に一度はアーケード作品として実現してゲームセンターの活気に便乗したいという作品は多かったはず。
今ではそれすら叶わない作品が多く存在する中で昔のアーケード作品の家庭用移植は大歓迎です。
しかし、最近だと配信中心でパッケージが少なくなっているのが寂しいところです。
それでは次もね~