ホラーを身を持って体験したらトラウマになりそう。
だけど震える手足、鳴りやまない心臓を押し殺して、いつまで続くかわからない恐怖に耐えながら行動する。
未知なる謎や仕掛け、一回でアウトの修羅場をくぐり抜ける。
それは戦争映画でもそうだがまた少し質が違う。
ホラー映画の主人公は圧倒的にひ弱で迫り来るものに対抗する手段をほぼ持ち合わせない。
ただひたすら逃げて、隠れるしかない。
今回紹介するレトロゲームはそんなか弱い少女がある屋敷を訪れた時の出来事です。
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・クロックタワー(CLOCK TOWER)
ジャンルアクションアドベンチャーゲーム プレイ人数1人・ヒューマン
・加賀テック(WS版)
・サンソフト(Wii版、PS3版、PSP版、PSVITA版、Wii U版)
・D4エンタープライズ(PC版)
・ヒューマン
・1995年9月14日(SFC版)
・1997年3月28日(PC版:【CLOCK TOWER for Windows 95】として発売)
・1997年7月17日(PS版:【CLOCK TOWER 〜The First Fear〜】として発売)
・1997年9月30日(SFC版:フラッシュロムカセットで販売)
・1999年8月20日(PC版:【ULTRA2000「CLOCK TOWER〜クロックタワー〜」】として発売)
・1999年12月9日(WS版:【クロックタワー for ワンダースワン】として発売)
・2010年8月3日(Wii版:バーチャルコンソールで配信)
・2011年11月9日(PS3版、PSP版、PSVITA版:プレイステーションアーカイブスで配信)
・2013年11月6日(Wii U版:バーチャルコンソールで配信)
・2017年5月23日(PC版:プロジェクトEGGで配信)
・SUPER Famicom(スーパーファミコン)
・PC
・PlayStation(プレイステーション)
・WonderSwan(ワンダースワン)
・Wii(ウィー)
・PlayStation3(プレイステーション3)
・PlayStation Portable(プレイステーションポータブル)
・PlayStation Vita(プレイステーションヴィータ)
・Wii U(ウィーユー)
・有
・PS3版、PSP版、PSVITA版(プレイステーションアーカイブスで配信)
・Wii版、Wii U版:バーチャルコンソールで配信
・プロジェクトEGGで配信
・サイドビューで展開される映画感覚の恐怖体験。
・武器や力も持たないか弱い少女が主人公なため対抗手段が少ないことに余計恐怖が増大される。
・ある映画をモチーフにした作品。
ストーリー
恐怖はここから始まった
北欧の山間にひっそりとたたずむ屋敷があった。
主人の名はバロウズ。
屋敷には高くそびえる時計塔があり、土地の人々はその鐘の音を合図に放牧を行ったものである。
いつしか土地の人々はこう呼び習わしていた。
「CLOCK TOWER」ー時計塔屋敷、と。
しかしある日、時計塔の鐘の音は途絶えてしまう。
まるで時を無くしてしまったかのように。
1995年ー
とある孤児院にひときわ目立つ美少女を見いだす事が出来る。
彼女の名は、ジェニファー…。
5才の時父は失踪、その後母親とも死に別れ、孤児院に引き取られたのである。
そしてある日、彼女と友人達3人の養育先が見つかったという知らせが入った。
彼女は引率してくれる教師メアリーと3人の友人達と共にその場所へ向かう。
そこが「CLOCK TOWER」と呼ばれる屋敷とも知らずに……。
「CLOCK TOWER 〜The First Fear〜」説明書より
時計塔がそびえ立つ屋敷を一人歩く少女
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本作は「サイモン・バロウズ」の元にグラニット孤児院から4人の養女となるべき少女たちがクロックタワーと呼ばれる屋敷を訪れるところからお話しが始まります。
グラニット孤児院の教師「メアリー先生」が引率し「ジェニファー・シンプソン」、「ロッテ」、「ローラ」、「アン」と5人で洋館に訪れます。
関係ないけど昔からクロックタワーのメアリー先生がデヴィ夫人に見えてしょうがない。
本作の操作キャラクターはジェニファーオンリー。
ジェニファーは少し変わった操作方法で慣れないと上手くジェニファーを操れないでしょう。
画面にはカーソルがあります。
このカーソルで全ての操作、アクションを行います。
カーソルは特定の物体に合わせると形が変化する場所があります。
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この変化はジェニファーがその物体に対して何らかのアクションが行えるということです。
本作はジェニファーを操作しながらクロックタワーから脱出するために移動、探索を行っていきます。
ジェニファーには体力や精神状態のパラメータがあるのですが、数値などでは反映されません。
代わりに画面左下にジェニファーの顔が表示されます。
このウィンドウは別にテレビ番組の抜きではなくジェニファー自身の状態を表しています。
ジェニファーの状態には「体力」、「パニック状態」というものがあります。
体力は4段階あり体力が多い順からブルー→グリーン→オレンジ→レッドとなっています。
やはりか弱い少女が古い不気味な洋館を練り歩くのは体力も減りますし、ストレスにもなります。
体力の回復はジェニファーの動きを制止させるとその場に座り込み休憩を行います。
そうすると体力が徐々に回復していきます。
ただしこのゲーム追われる場面も非常に多いため、そうのんきに休憩ばかりも取れないのが怖いところ。
タイミングを見計らいスキをみて周りに注意しながら休憩を行いましょう。
そしてパニック状態はジェニファーが生命の危機に瀕した時フェイスウィンドウが点滅します。
この状態をパニック状態と言います。
パニック状態は何らかのドッキリがあった場合に発生します。
例えば何か仕掛けのようなギミックが彼女を驚かせたり。
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本作のメインの敵としてジェニファーを襲うハサミを持った男「シザーマン」が襲ってきた時などとにかく危険信号なのでこの状態になったらまずはその場から離れることを優先してください。
またシザーマンに追われている状態を「逃走状態」といいシザーマンを撃退するまで特定のBGMに変化します。
本作で有名なシャキンッシャキンッ!とハサミを鳴らす音はプレイヤー自身の恐怖と焦りをかりたてます。
ジェニファーもパニック状態ですがプレイヤー自身もパニック状態になりそうなBGMなので落ち着いて対処しましょう。
シザーマンを撃退するには逃走中にとにかく周りのものをクリックしてシザーマンの障害になるような場所を発見すること、また最後の手段として「パニックボタン」を連打することでジェニファーの火事場の馬鹿力を発動できますが、体力を非常に消耗するため使いどころが重要です。
このようにか弱い少女がメタルギアのような隠れながらクロックタワーに隠された謎と共に脱出するという非常に難易度が高いものとなっています。
またマルチエンディング性のためグットエンディングを見たい場合はそれなりのフラグ回収が必要になります。
そのためにはある程度あの恐ろしいシザーマンに立ち向かわなければなりません。
どのように攻略するかはプレイヤー自身ですが、上記の基本をおさえておかないとすぐにゲームオーバーになって死亡してしまいます。
みんなでジェニファーを応援しよう!応援上映の先駆け的ゲーム感
本作含めてクロックタワーシリーズ通して独特のホラーの怖さがあります。
もちろんSEや演出も怖いのですが、それは映画などで味わうもの。
映画では自分以外の人が恐怖し耐えうる様を怖がることができる安全な恐怖体験(心臓飛び出そうになりますけど)。
ゲームでこその怖さはプレイヤー自身が恐れる感覚です。
バイオハザードなどはプレイヤー自身が襲われ、その困難を恐怖に耐えながら乗り越えていきます。
本作は他のホラーと違う特徴があります。
それは訓練も受けていない、か弱い少女が様々な困難に立ち向かうところにあります。
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ジェニファーは弱冠14歳で女性であるため力も非力で武器も所持していない。
そんななか殺人鬼が住まう屋敷で一人探索を行うということは並大抵のことではないことは想像に難しくないでしょう。
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本作はマルチエンディング性で9個のエンディングが用意されています。
それぞれ攻略の仕方や脱出するタイミング、シザーマンとの激闘やフラグとなるアイテムや物語の謎の回収など様々な要素からエンディングが決まります。
クロックタワーにはフラグではなくても屋敷の謎や不気味な部分が見えてきます。
瓶の中には生きてまだ脈動を打つ臓器。
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やせこけた人形?死体?のようなものが動き出したり。
悪魔の召喚に使いそうな魔方陣の儀式部屋。
大量のマネキンにドレスを着せている部屋。
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ホラーゲームお馴染みの生き物を解体する厨房など、殺人鬼が潜んでおり、なおかつ何か別の次元(魔法や悪魔など)のものに取りつかれた屋敷であるということです。
探検+ホラー体験は考察も含めワクワクもしますしドキドキもします。
その感覚がたまらなくゲームへの没入感を高めています。
本作の恐怖の元
本作は「フェノミナ」というイタリアのホラー映画をモチーフにしているそうです。
特に主演女優の「ジェニファー・コネリー」が「ジェニファー・コルビノ」を演じるという、本人役のような役名。
フェノミナの主人公のジェニファーは昆虫と交信することができるという設定があるが、クロックタワーでもなぜかジェニファーは動物に助けられたり、ヒントをもらうことが多いように思う。
それはフェノミナの影響で昆虫を動物に置き換えてオマージュしているのかもしれません。
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それにしてもフェノミナとクロックタワーの主人公は瓜二つで可愛い。
黒髪ロングに太眉、もろ好みだ。
このような美少女+ホラーというのが何とも言えない妖艶な魅力を引き出しているのでしょう。
まとめ
クリック式の移動なのでもっさりしておりなかなかプレイ感がつかめない特殊な操作ではあるが、まるで「映画のキャラクターに指示を出している」今でいうところの応援上映としてプレイヤーの反応や操作がそのままキャラクターの結末を変えてしまうものになるというもの。
映画ではなかなか出来ないテレビゲームならではの応援上映が行える本作。
実際の映画をモチーフにしているだけあって、キャラクターのミステリアスな雰囲気や表情、洋館の雰囲気、音や光の入れ方など場面や危機的状況によって使い分けているのが見事です。
洋館内での事件はベタですが箱庭的な密室感は恐怖をかりたて建物内部を陸の孤島へ仕上げています。
それでは次もね~