「外伝作品」といえば本作主人公以外の人気キャラクターや全く本編に出てこないが世界線は同じで別視点で描かれる物語があります。
どちらもファンにとっては嬉しいスピンオフ、ファンディスク的ご褒美作品です。
しかし、その作品の本編をあまり知らない人からすると外伝だけではなんのことかわからない。
だからといって最近多い本編見てなくても楽しめるよ~ではファン向けの笑える設定、おいしい設定、マニアックな話しもできないのでファン作品としては相応しくありません。
と…私は思います。
商売的にはファン以外の層も取り込みたいからファンじゃなくても本編知らなくてもは売り文句になって良いので仕方ないですが…
シリーズ作品はあくまでファン作品であってほしいというのはファンである私達のエゴなんでしょうか…
今回紹介するレトロゲームは外伝ながら新しい、しかしファンの求めていたものまで入っている続編ならぬ進化と言って良いシューティングゲーム作品です。
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・グラディウス外伝(GRADIUS Side Story)
ジャンル横スクロールシューティングゲーム プレイ人数1~2人・コナミ
・ソニー
・コナミ
・1997年8月28日(PS版)
・1998年7月30日(PS版:ベスト版)
・2003年11月20日(PS版:ベスト版)
・2006年2月9日(PSP版:【グラディウス ポータブル】に収録)
・2018年12月3日(PSC版)
・PlayStation(プレイステーション)
・PlayStation Portable(プレイステーションポータブル)
・PlayStation Classic(プレイステーションクラシック)
・無
・グラディウスの戦いでグラディウス軍が最も敵の懐へ飛び込んだであろう作品。
・シリーズファンだからこそグラディウスの新たな一面が見える演出が光る作品。
・グラディウス史上最も美しいドットグラフィック。
ストーリー
第3次バクテリアン戦役(『GRADIUSⅢ』)において、バクテリアン星団の中枢を破壊、その殲滅に成功したグラディウス星は侵略の脅威から解放された。
それから数百周期……。
永き平和のなかで、飛躍的な発展と進歩を遂げた文明によりかつてないほどの繁栄のときを迎えていたグラディウスだったが、悪夢はまったく突然にふたたび彼らの前に現れた……。
戦役以前から「闇の宙域」として恐れられ、近づくことを禁じられていた暗黒星雲に向かった探査船が消息を絶ったのを皮切りに、付近の植民惑星やコロニーが次々と正体不明の何者かの攻撃によって壊滅させられていったのである。
永い平和の中で戦いを忘れつつあったグラディウス軍は、各所で敗走につぐ敗走を重ね、正体不明の敵の進撃はついにグラディウス本星をもその魔手に捕らえようとしていた。
ここにいたり、グラディウス軍司令部は最後の賭けに出た。
敵の発生源であり侵略拠点でもある暗黒星雲中心部に対して、最新鋭超時空戦闘機4機による奇襲作戦を発動したのである。
グラディウス星の命運を担い、4つの翼が今、銀河の深淵に向けて飛び立った。
「グラディウス ポータブル」説明書より
グラディウスのこの進化を待っていた!外伝だけど気合いの入った作品仕様
グラディウスシリーズは基本的に母星グラディウスが襲われて、それを防衛するために敵の本陣に向かい撃退するお話しが主体でした。
ですが、本作はあえてまだ見ぬ敵陣に飛び込み敵の発生源を叩こうという珍しくグラディウスにしては先手の奇襲作戦にでるのです。
そのため本作はシリーズお馴染みの「ビックバイパー」に加え、その支援機として開発されていた「ロードブリティッシュ」、「ジェイドナイト」、「フォルシオンβ」の4機から選択しプレイすることができます。
これだけでも新しい試みですね。
今まではビックバイパーの装備タイプを選択しビックバイパー自身をカスタマイズするという流れでしたが本作はそれぞれの機体が装備タイプとして用意されています。
・ゲージ1:ビックバイパー、ロードブリティッシュ、ジェイドナイト、ファルシオンβ共通
スピードアップ:最大5段階までスピードアップする。
・ゲージ2:ビックバイパー「ミサイル」、ロードブリティッシュ「2WAYミサイル」、ジェイドナイト「スプレッドボム」、ファルシオンβ「ローリングミサイル」
ミサイル:前方斜め下にミサイルを放ち、地面に着弾すると地をはうように進む。
2WAYミサイル:自機の上下にミサイルを発射する。
スプレッドボム:前方斜め下に落ち爆発し範囲攻撃となる爆弾を投下する。
ローリングミサイル:自機の真下に投下され地面に着弾すると前後に分裂し地をはうように進む。
・ゲージ3:ビックバイパー「ダブル」、ロードブリティッシュ「リップルレーザー」、ジェイドナイト「ラウンドレーザー」、ファルシオン「オートエイミング」
ダブル:前方と斜め上にショットを放つ。
リップルレーザー:波のように広がりながら前方に放つレーザー。
ラウンドレーザー:ショットと自機の周りに円形のレーザーを放つ。
オートエイミング:前方斜め上の敵を自動で狙うダブルショットを放つ。。
・ゲージ4:ビックバイパー「レーザー」、ロードブリティッシュ「ディスラプター」、ジェイドナイト「パルスレーザー」、ファルシオン「グラビティバレット」
レーザー:貫通力のあるレーザーを放つ。
ディスラプター:射程範囲、貫通力の高いレーザーを放ち。
パルスレーザー:レーザーを前方に2発放つ。
グラビティバレット:着弾するとブラックホールのような爆発する。
・ゲージ5:ビックバイパー、ロードブリティッシュ、ジェイドナイト、ファルシオンβ共通
オプション:自機と同じ武器を搭載したオプションを最大4つまで装備可能。
・ゲージ6:ビックバイパー、ロードブリティッシュ、ジェイドナイト、ファルシオンβ共通
?(シールド)
シールド:前方にしか展開されないが耐久力は高いシールド。
フォースシールド:耐久力は低いが全方向にシールドを展開する。
ガード:自機の上下にシールドが展開される。地面に接触しても耐久力は減らず弾き返される。
リミット:3秒間無敵状態となる。
特にシールドセレクトは機体数と同じだけ用意されており上下ガードの「ガード」や無敵状態となれる「リミット」が追加されています。
さらに本作では「ゲージエディット」が追加されグラディウスシリーズお馴染みのパワーアップシステムゲージの順番をアレンジすることができます。
これにより早い段階で自分好みに装備を整えることができ戦略性や攻略難易度の調整が自ら行えるため、非常に遊びやすい作品となっています。
本作は全9ステージで構成されています。
ステージ1:雪原 BEYOND THE WHITE STORM 白い嵐を越えて
ステージ2:スクラップ REQUIEM FOR REVENGERS 復讐者たちへの鎮魂歌
ステージ3:水晶 INTO THE CRYSTAL CAGE 水晶の檻の中へ
ステージ4:モアイ RUINS OF SILENCE 沈黙の遺跡
ステージ5:細胞 ORGANIC FORTLESS 有機の要塞
ステージ6:植物 GREEN INFERNO 緑の地獄
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ステージ7:ブラックホール ON THE EVENT HORIZON 事象の地平の上で
ステージ8:ボスラッシュ FORMIDABLE GUARDIAN 恐るべき守護者たち
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ステージ9:要塞 FATE... 宿命……
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本作は前シリーズ(グラディウスⅢまでの)までのグラフィックや演出とは違い圧倒的な進化を遂げています。
グラフィック面では雪の表現や背景のオーロラの表現、クリスタル、植物や細胞の蠢くような動き。
そして演出面では画面が回転したり加速減速などステージに合わせたギミックを備えています。
そしてスクラップステージでは今までのシリーズで倒してきたボスの残骸が攻撃してくるという憎い演出。
またグラディウスシリーズで続編の度に物足りなかった真新しさの面でも新ステージやギミック、ボスなど外伝だからこそあらゆる面で一新されており、グラディウスの続編ではないからこそ創造できたもう一つの「グラディウス」となりました。
前作まではステージ構成やボスも全体的に似ており機体のタイプセレクトや難易度の面で調整を行い、あくまでグラディウスの調整版として続編がリリースされてきた感があるシリーズ作品ですが、ここにきて新たな形をユーザーに示してくれたことで今後のグラディウスシリーズが楽しみになる作品となりました。
まとめ
なんだかんだでグラディウス的システムは変えないのは正解だったかもしれません。
グラディウスのシステム的には好評なシステムをあえて削除するメリットはありません。
しかし、グラディウスシリーズの失速感があったころに本作、ましてや家庭用ゲーム専用でこのような作品が発売されたのは大変な幸運でしょう。
グラディウスの正統続編を望んでいた人には(後にⅣとⅤが発売されるが)評価が分かれてしまうところですが、実質Ⅲで最終だったのであれば、この外伝はファンディスクとしては内容もグラディウスに添いながらも新たな挑戦を施している。
今後のシリーズや別作品の出来も期待させるような作品であったことは間違いありません。
それでは次もね~