シューティングゲームでキャラもの?
そんななよなよした要素シューティングゲームに必要ない!
そんな時期が長く続いたシューティングゲーム業界。
本当はそういったテコ入れも必要かもと感じざる負えない時期ですがやはり硬派な業界。
ミリタリーで埋め尽くされたシューティングゲーム業界を自分らだけキャラものなんて…
しかし、そんな中キャラクターを存分に使いバラエティー豊かなシューティングゲームを生み出した
今回紹介するレトロゲームはキャラクターの個性とファンを巻き込んだハチャメチャバラエティーなシューティングゲームです。
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・ガンバード(GUNBIRD)
ジャンルシューティングゲーム プレイ人数1~2人・彩京(AC版)
・アトラス(PS版、PS2版、SS版)
・Console Classics(Steam版)
・ゼロディブ(スイッチ版)
・彩京
・1994年(AC版)
・1995年12月15日(PS版、SS版)
・2004年2月19日(PS2版)
・2015年7月18日(Steam版)
・2017年12月7日(スイッチ版)
・AC(アーケード)
・PlayStation(プレイステーション)
・SEGA SATURN(セガサターン)
・PlayStation2(プレイステーション2)
・PC(Steam)
・NintendoSwitch(ニンテンドースイッチ)
・有(スイッチで「ガンバード for for Nintendo Switch」として配信)
・Steam配信
・キャラクター性と遊び心をふんだんに盛り込んだ見て楽しい、プレイして楽しいを開拓シューティングゲーム。
・各キャラクターのエンディングまたはタッグを組んでクリアした際のキャラクターたちの掛け合いがどれも面白く繰り返しプレイしたくなる楽しさ。
・初心者でも楽しめる難易度設定。
・おまけモードも充実しておりファンには嬉しい要素とファンと作り上げたイラストコンテストギャラリーは愛に溢れた内容となっている。
ストーリー
舞台は今世紀初頭のヨーロッパ。
人類初めての動力飛行に成功したころのお話。
かつて多くの冒険者たちが追い求めた「アトラーの魔鏡」。
それは、持ち主の願いを何でもかなえる魔法の力を持つといわれる。
しかし、はるか昔に王家の墓より盗掘され消失したとされており、その存在すら定かなものではなかった。
そして時代は科学と技術の新時代を迎え、もはや魔法の鏡など忘れたかに見えた……。
しかし今、再び「アトラーの魔鏡」が世間を賑わすこととなる。
なんとフランスの考古学者が魔鏡の断片を発見したのである。
しかも同時に出土した碑石には次のような一文が読み取れた。
「我が断片を集めよ、我再び復活せん。我の封印を解きし者の願い、万事を叶えん」
かくして世界各地に四散した魔鏡の断片を求め、世界中の冒険家たちが色めき立つなか、それぞれの願いを胸に秘めた5人の”大空の冒険者”が飛翔する。
”空路”なき時代のこと、彼らの有利は他を圧倒的するかに見えたが、目的を同じくする恐るべき組織が動き出したことを、今はまだ誰も知らない。
「ガンバード」説明書より
アニメに掛け合い、ボイスにコンテストまで!キャラクターものに徹底的に挑戦した業界の未来を見据えた意欲作
彩京ブランドとしてキャラクターを登場させた「戦国エース」。
ステージをクリアすると無言で問答無用で次のステージへ淡々といざなう今までのシューティングゲームに対して勝利コメントを間に挟むことで程よい緩急となりこれは有りだなとしみじみ思ったものです。
「ガンバード」はその豊かなキャラクターを用いたシューティングゲームとして「戦国エース」に続いて第2弾として製作されました。
戦国エースではキャラクターは登場したもののキャラクターを実際に操作することができなかったのでキャラクターが魅力的なだけに少し残念でした。
ですが本作「ガンバード」はなんと自機がキャラクターなんです!
キャラクターデザインはそれに合わせて箒や筋斗雲などキャラクターを見せつつも飛行できるように工夫されています。
もしかしたらガンバードの流れも「ティンクルスタースプライツ」の箒で飛行するキャラクターをシューティングゲームに登場させた意図もあったんでしょうか?
またキャラクターごとにボイスも用意されており、ステージ間のキャラクターの掛け合いを盛り上げてくれます。
特に私は「マリオン」がお気に入り!とにかくデザインが物凄く可愛い!
赤い帽子のおっさんにNを付けただけでこんなにも可愛い青い魔法少女に変わるなんて!関係ないか…
魔法うさぎのでなぜか関西弁の「ポムポム」との掛け合いもお馴染み名コンビです。
「マリオン」は私が思うのと同じく大変人気のキャラクターとなり「戦国ブレード」など後の作品でコラボレーションキャラクターとして参戦したりしています。
まさか本当にこの後「ガンバード2」という続編が出るとは…嘘から出たまことというか有言実行というかファンサービス旺盛というか。
結局ゲーム内だと夢落ちなんですが見事に落として上げてきましたね。
不自然なまでに「○○ある」を使う孫悟空など中華娘の「ヤンニャン」も可愛いけど。
他にもロボット軍人「バルナス」やロケットパックで飛ぶ科学者「アッシュ」、私が驚いたのはペダルをこぎ人力で飛行するスーパーおじいちゃん「鉄」など個性的な面々を操作することができます。
また秘宝を狙った冒険活劇には欠かせない悪役ドタバタ3人トリオも完備!
女リーダーの「ルージュ」にその横に男「クロード」と「エース」。
「ヤッターマン」のドロンジョ様率いるドロンボ一味みたいなものです。
そして驚くべき事実。この盗賊団3人、なぜそこまでドロンジョ一味に感じるのでしょう?
それはこの3人の声優が全員ドロンボ一味を演じた声優さんたちなのです!キャラクター設定として完璧ですね。
そしてアーケードから家庭用SS版とPS版に移植される際にアニメーションによるオープニングムービーが追加され、よりガンバードの世界観とキャラクターを引き出した作品となりました。
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オープニングムービーだけで主人公5人の「ガンバード」と盗賊団「トランプ」の関係性とお互いが争う理由である魔鏡の存在を分かりやすくアニメーションにしていてオープニングテーマの「大空の冒険者」も世界観とマッチしていてとても良いオープニングムービーです。
この作品でしか使えないテーマ曲っていいですよね。「大空駆けるシューティングスタ~ガンバード~♪」はいこれでもうガンバードでしか使えないみたいな専用曲。
そして恐らくはアーケード版で獲得したファンと作り上げたであろう「ギャラリーモード」。
これは関係者による「ゲストギャラリー」、一般公募による「イラスト大賞作品」と「コンテスト応募作品」が全て収録されているというボリューム。
応募した人良い思い出になっただろうな。
こうしたファンと作品を繋いだモードと作品を見ると改めてキャラクター性とユーザーとの距離感がグッと縮まった何よりの証拠ではないでしょうか。
しかもイラスト大賞作品はキャラクターたちがフルボイスで解説してくれるという正に至れり尽くせりな内容です。
マリオンが本作のキャラクターデザインを担当した「中村博文」のことを絵を描かせたら日本一と称しますがその後仕事も日本一遅いと上げて落とすコントっぷりは何か愛を感じずにはいられない。
こんなやり取りも聞けてファンもとより開発者との距離感も近い本作は本当に余すところなく楽しめる、骨までしゃぶりつくせる作品です。
5人のガンバードたちも笑って笑えるエンディングを目指していざ!
本作はキャラクター性に特化しているためシューティングゲームとして大きな特徴はない。
キャラクターごとの特有の技はあるものの基本は一緒です。
「パワーアップアイテム」を取得すると最大4段階までのショットレベルの強化が可能で3段階目からはサブウェポンが装備されます。
「溜め撃ちショット」することができ、キャラクター固有ショットとなります。溜めは敵に当たると死にませんが溜め撃ちはリセットされます。
「ボム」を使用するとキャラクター固有の技で危機回避することができます。
後は彩京特有の「弾速」の速さでしょうか。
「怒首領蜂 大往生」なみの弾速の速さだったらエンディング見れないと泣いていましたがそこまでじゃないので安心しました。
逆に止まって見えるぜ!
いい意味でもシンプルですが、戦闘中は各動作にボイスが付きますのでとてもワクワクしたプレイ感があります。
ステージ数は7ステージ×2でステージ1~3はランダムで4パターンから選出されたステージを攻略することになります。
道中ボスや中ボスで「トランプ」一味がちょいちょい関わってくるのがドロンボ一味やロケット団のポンコツ3人組の定番な演出がいいですね。
しかも毎度用意してくるメカニックがポンコツながらも意外と凝った作りですのでそこも見どころですよ!
ステージ1~3
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ステージ4
ステージ5
ステージ6
ステージ7
さあクリアしてからが本作の本領発揮と言えるでしょう。
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エンディングを迎えた各キャラクターたちの寸劇が始まるのですがこれが本当にキャラクターの特徴の特徴をとらえたベタではありますがとてもテンポよいドットアニメーションでどれも楽しく仕上がっています。
しかも、フルボイスですのでかなり楽しめます。
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しかも本作は単体毎のエンディングだけではなくタッグでクリア場合のエンディングも用意されているという作り込みっぷり。
RPGなどのストーリーのように道中でのからみがないだけにキャラクター同士の関係性や協力関係を組むことで生まれる感情を描かれるのはこの上ないご褒美ですね。
これはほんの一部なので是非各キャラクターのエンディングも見ていただきたい!絶対面白いですよ!
これらクセのある面々を知ってからエンディングを見ると楽しさ理解度倍増すると思いませんか?
そんな方には親切にも本作はキャラクターの「自己紹介モード」が搭載されています。
このモードでは5人のガンバードに加え盗賊団トランプの自己紹介も用意されているというマニアックっぷり。
もちろんフルボイスでキャラクターたちのあんなことやこんなこと、はたまた特殊な趣味まで知れちゃうかも?
さらにさらにキャラクター各人の自機性能をチュートリアル方式でおしゃべりしながら説明してくれる「性能紹介モード」も搭載。
なんと親切で心強い!
このようにキャラクター性もそうですが細かい部分まで丁寧に作られていてどのモードに訪れてもガンバードの世界観を繰り出し飽きさせない工夫が凄まじい、そんな作品です。
まとめ
「ガンバード」が世に出たことにより彩京の作品だけではなく多くのシューティングゲーム作品がキャラクター性を取り入れシューティングゲームという硬派で周りから見ると近寄りがたいジャンルのゲームのユーザーとの距離を縮めることに成功しています。
その結果難易度は硬派でキャラクターはゆる可愛いとゲーム性とキャラクター性のバランスが程よく取れたのではないでしょうか。
難易度も硬派、操作する自機も硬派で地味(個人的には好きですが)だとやはり華やかさに欠けるかな。
逆に難易度もゆるくてキャラクター性もゆるいと今度はゲームとしてやりごたえがなくなってしまうのでこれが丁度良いのかな?
注)本作おまけモードなどはPS2版「ガンバード1&2」では全て削除されているためおまけモードを楽しみたい方はSS、PS並びにアーカイブス配信の作品をおすすめします。
それでは次もね~