失われたゲームの遺産。それはドリームキャスト。
ドリームキャストのゲームはなかなかアーカイブス化もされずなかなか今の時代プレイする環境、機会に恵まれない。
しかし、セガが関わったハードなだけあってなかなか奇怪で興味深いゲームがわんさかとある。
今回のレトロゲームはそんな中の一本。あの巨匠が自ら創り上げてきたものを本気でオマージュする。
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・超鋼戦紀キカイオー for Matching Service
ジャンル3D対戦アクションゲーム プレイ人数1~2人・カプコン
・カプコン
・1998年9月(AC版)
・2000年1月13日(DC版:通常版)
・2000年1月13日(DC版:Matching版)
・Dreamcast(ドリームキャスト)
・無
・企画、メカニックデザインを「マクロス」や「アクエリオン」でお馴染み「河森正治」、「宮武一貴」というロボットアニメの巨匠が手掛ける本気のオマージュ作品。
・ロボットの技など往年のロボットアニメを想像させる演出が施されている。
・演出はオマージュでもゲーム内に登場するロボット作品は完全オリジナルデザイン。
あれ?どこかで見たことがある?と思う方々どこでも見たことありませんよ!
どこかで見たことがあるのはそれだけロボットアニメを意識した作りだからです。
なぜパロディ?と言われるものを作ろうと思ったか?
カプコンだったら何かしら版権を得て人気のロボットアニメを使えば良いのに。
開発費的に?
ただそうだとしたらこのゲームは熱量で作られたゲームだと感じました。
本作の企画と設定はメカニックデザイン「マクロスシリーズ」「アクエリオンシリーズ」の「河森正治」、「宮武一貴」が担当している。
この2人のメカニックデザインの巨匠が監修というだけあって何かを真似ることをする必要がないのだ。
それはパロディどころか完全オリジナルとして開発されている。
スパロボのように作品を超えたお祭り騒ぎ
登場機体はそれぞれ別系統の作品が存在するかのように「超鋼戦紀キカイオー」のような「なんちゃらかんちゃら、ほにゃららガー」!
のようなタイトル名が付いておりどの機体を使用しても何かしらの作品の主人公機を操っているような感覚になる。
ゲームは「カスタムロボ」のような奥行を活かした対戦アクション。
制限時間内に先に相手のダメージゲージを2回分満タンにしたほうが勝者となります。
ダメージゲージは減少するのが通例だが満タンにしたほうが勝者なんてユニークですけど分かりにくいですね。
日本の決定ボタンが〇で外国が×みたいな…それはプレステか!
しかしドリームキャストのコントローラも「G」、「A」、「B」、「J」と慣れていないとピンとこない配置ですね。
きっとセガが天下取ってたら世界基準だったかもしれないけど…
ルール自体は単純でその内飽きる人は飽きるかもしれない。
このゲームの売りは往年のロボットファンに贈る様々な演出シーンの数々が本作の売りとなっている。
対戦の中で度々挟まるカットシーンがロボット90年代ロボットアニメさながらの演出がふんだんに散りばめられている。
しかし攻撃の度にパイロットたちが各々の技を叫び攻撃するためガチ対戦型には不向きなゲームである。
しかし、操作は簡単で複雑なコマンドを入力する必要はなく、ライトユーザー向けに調整されている。
もちろん高難易度の対戦も用意されているのでヘビーユーザーにも安心。
本作最大の目玉はなんといっても必殺技のシーンだろう。
「必殺技」、「超必殺技」、「ファイナルアタック」…
必ず殺して、超必ず殺して、ダメ出しの最後の攻撃ってやりすぎ!
特にファイナルアタックは見どころでここぞ!という時の必殺技!
その名の通りファイナルアタックが決まるとその時点で勝利が確定し派手な演出とともに勝利宣言がこだまする。
ブレストファイヤー!!を彷彿とさせる。
必殺技は派手な物だけではなくコントのようなギャグ技まで存在するため硬派なロボットや心優しきラブリーロボット、
正統派ロボット、スタイリッシュなロボット、変形ロボット、ビューティーロボットなどロボットのお祭りのようなオールスターが揃いまさにスパロボの格闘ゲームといった感じ。
演出面は機体、ステージ背景の配色が明るく、機体同士が画面に近く、演出時は画面アップになるなどとことん演出をプレイヤーに伝わりやすく見やすい工夫がなされている。
攻略作品はひとつじゃない!世界線が繋ぐ壮大な世界観
上記でお伝えした通りストーリーモードは各オリジナルの作品から参戦する。
それぞれが80年、90年代にみたロボットアニメのようなタイトルが付いています。
攻略条件を満たすと隠し機体も使えるようになります。
「鋼鉄巨神 キカイオー」
「重装甲陸戦兵器 ワイズダック」
やっぱり定番の「鋼鉄」、「巨神」、「重装」と強固なイメージと「なんちゃらオー」ネーミングが光ります!
「戦え!パルシオン」
戦え!って強制ですねもお。
「特務騎兵 ディクセン」
「騎」が付くとスタイリッシュで急にお国の兵士感でますね。
「機鋼天使 ディアナ17」
戦場に咲く天使ね!ディアナ17の17ってパイロットが17歳だから!年追うごとにナンバリング変わるんかい!
「魔法の国のポリンちゃん」
メルヘンチックでロボコンみたいに可愛らしいロボットですね。
「Strategic Variable Fighter ラファーガ」
変形して戦闘機になるスタイル…さすがはここでマクロス出してきたか!
「夢幻合体 ツインザムV」
V!とにかく合体はV!をつけるこれ常識ね!
「魔霊将軍 轟雷」
将軍!もっと大きいと大将軍とか付けたくなるんだよな~
「ブロンディアⅡカスタム」
そしてあの隠し機体として「サイバーボッツ」からもコラボ参戦!
時代を先取りし過ぎたネットワーク機能について
よくドリームキャストは時代を先取りしすぎて~みたいな話題になるが今回はその中で「ネットワーク対戦」について少し気になってのでちょっとだけ。
私はガラケーのころの携帯電話を使用したことがないので電話料金のような分単位の課金はピンとこない。
ネットも今じゃ定額が当たり前だしね。
ドリームキャストでは「KDDI DOD回線(データオンデマンドかいせん)」を使用していたそうな。
その課金額が対戦中1分ごとに13円の回線使用料金がかかります。
500分=8時間20分プレイすると6500円だいたい今のネット回線の定額料金…
回線が定額制で使い放題だったら…ああ時代の残酷なこと…
そう考えると今の定額+500円程度の課金は気軽にプレイしやすいですよね。
しかも私が所有している「超鋼戦紀キカイオー」は「超鋼戦紀キカイオー for matching service」で通常版+ネット対戦用のためわざわざ専用ディスクを購入して高額の課金で遊ぶ人は稀であっただろう。ああ無常!
やっぱり最先端技術は魅力的だけど民間で使用するための環境が整備されてるって大事ですね。
でもこのチャレンジ精神がのちのち信者ともいえるセガファンが付く由縁だろう。
経営者からしたら販売当時に信者になって欲しかっただろうけど!
まとめ
パロディと言われかねないネタもふんだんに盛り込んでいるがあくまでオリジナル作品。
数多のロボットアニメへのリスペクトと愛が詰まった作品となっている。
ロボットアニメファンはそのパロディ加減に許せないところもあるかもしれないが、そういう人こそこだわりの演出に意外と唸るかもしれませんよ~
ドリームキャスト版はアーケード版と違いフルボイスでパイロット達の特徴が出るのでさらにパロディネタの幅が広がり元ネタがもろダダ漏れ状態。
絞るところまで絞った演出。しかしその監修がロボットアニメの巨匠が手掛けるとあってパロディが嫌味じゃなくむしろ自分たちが開発した演出や技のバーゲンセールといったサービスを大放出してるゲームだ。
いわば巨匠の作った同人のような自由な表現が光る作品だ。
演出が派手であればあるほど派手さに見合ったゲームバランスになるのでいささかバランスはあまり良くはない。
しかし動かせるアニメーションとしての特化とこだわりは楽しみ方と作品の演出をプレイヤーに委ねているので楽しみ方は無限大!人それぞれとも言うが…
ドリームキャストは現在プレイできる環境が非常に限られているがいつかプレイ環境の拡大するかドリームキャスト専用ソフトのアーカイブス化が進むと嬉しいですね。
それでは次もね~