リメイク作品は基本的に1年や2年、5年そこらでは行われません。
それはリメイクが希望されるほどの人気作、名作であれば移植するほうが他機種でも遊べるし、現在の主要機種で遊べる環境さえ築けば作品は復活するからだ。
だからリメイクは作り直すほどの企業力が必要となります。
何よりオリジナル版のゲームシステムを知っていなければなりません。
資料があってそれを再現するだけなら移植と変わりません。
ただリメイクとなると一番そのゲームを知っているのはやはりオリジナル版のスタッフ。
今回紹介するレトロゲームは15年の時を越えてオリジナル版スタッフが集結した名作シミュレーションRPGです。
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・タクティクスオウガ(Tactics Ogre)
ジャンルシミュレーションRPG プレイ人数1人・クエスト(SFC版)
・リバーヒルソフト(SS版)
・アートディンク(PS版)
・スクウェア・エニックス(PSP版、Wii版、Wii U版、3DS版)
・クエスト(SFC版、SS版、PS版)
・スクウェア・エニックス(PSP版、Wii版、Wii U版、3DS版)
・1995年10月6日(SFC版)
・1996年12月13日(SS版)
・1997年9月25日(PS版)
・2009年2月10日(Wii版:バーチャルコンソールで配信)
・2010年11月11日(PSP版)
・2011年12月22日(PSP版:アルティメットヒッツとして発売)
・2014年3月12日(Wii U版:バーチャルコンソールで配信)
・2016年11月21日(3DS版:バーチャルコンソールで配信)
・SUPER Famicom(スーパーファミコン)
・SEGA SATURN(セガサターン)
・PlayStation(プレイステーション)
・Wii(ウィー)
・PlayStation Portable(プレイステーションポータブル)
・Wii U(ウィーユー)
・Nintendo3DS(ニンテンドー3DS)
・有
・Wii版、Wii U版、3DS版:バーチャルコンソールで配信
・できる事が多すぎるボリューム満点なシミュレーションRPG。
・世界観、グラフィック、音楽が壮大で美しい。
・PSP版はオリジナルスタッフによるリメイク作品。
ストーリー
オベロ海に浮かぶヴァレリア島・・・・・・。
古来より海洋貿易の中継地として栄えたこの島ではその覇権を巡り、民族間で紛争が絶えなかった。
そうした永い戦いに終止符を打った男がいた。
後の覇王と呼ばれたドルガイアである。
ドルガイア王は民族間の対立を取り除くことに努め、ヴァレリアは半世紀に渡り、栄えることとなる。
しかし王の死後、その後継を巡って貴族階級のバクラム人、人口の大半を占めるガルガスタン人、少数派民族のウォルスタ人の三民族が覇権を争い、ヴァレリアは再び内乱状態に陥った。
バクラム陣営、ガルガスタン陣営が島を二分する形で一旦沈静化したかに見えた内乱だが、それがつかの間の静寂であることを知らぬ者はいなかった。
「タクティクスオウガ 運命の輪」説明書より
前作からゲームシステムも攻略方法も一新!タクティクス要素に様変わりして帰ってきた!
本作世界観はスーパーファミコンで発売された「伝説のオウガバトル」の続編にあたります。
続編と言ってもゲームシステムは全く異なったものでありタクティクスのオウガバトルとして、その戦略性からもはや外伝的、単体の作品として評価が高い作品になります。
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本作主人公、主要キャラクターとして「デニム・パウエル」、「カチュア・パウエル」、「ヴァイス・ボゼック」がゲリラを行うところから物語は始まります。
この3人を主軸に物語は進んでいきます。
最初は3人ですが4人、5人、6人へとドンドン仲間を増やしていき物語の条件を達成していくことが本作の目的となります。
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様々な特性が違うユニットを仲間にし編成して戦うシミュレーションRPGです。
ユニットは人間だけではなくドラゴンなど別種族のユニットも存在します。
特性は様々な職業やユニット、武器、魔法、ステータスにもいたります。
ステータスは戦いを通して経験値やスキルポイントによってユニットは育成していきます。
シミュレーションRPGといえば仲間の出会いや勧誘を繰り返しユニットを増やして戦略性を高めるのが醍醐味です。
本作はプレイヤーの行動や主張によって仲間になるかならないかが決まります。
賛同してくれるものは軍に入隊希望し、意見の相違があれば除隊してしまうこともあります。
バンドの方向性が違えば解散の危機となります。
たまには意見を合わせ説得することも大事?もしくは我を貫いて理想を貫く?
世渡り上手であれば意見を使い分けて信頼関係が築けるが、真っ直ぐな性格だと意外と仲間集めに手こずるかもしれません。
さらに物語の選択は仲間だけに留まらず世界を揺るがす決断を下さなければならないことも。
シミュレーションRPGシステムは決断の連続、それを物語にも用いることでさらに広がる本作は「決断のシミュレーションRPG」となっています。
決断を急ぐ必要はありません、ターン制ですし、選択肢もあります。
但し、必ず決断しなければなりません。
ターン制と言っても本作は普通のターン制ではありません。
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そのシステムが他のシミュレーションRPGの違う本作だけの特徴である「ウェイトターンシステム」です。
「ウェイトターンシステム」は交代のターン制なのですが、「キャラクター単位でのターン制」になります。
各キャラクターウェイトターン(WT)という数値がありそれが0になるとアタックターンとなりユニットが行動を行うことができます。
つまりいっぺんに全員というよりかはWTの減少が早いキャラクターから行動するため自軍のユニットが2回行動してから相手1回ということもありますし、その逆もあります。
そのため通常のシミュレーションRPGより先を読むのが非常に難しくなります。
その反面、相手が行動できない時に一気に複数行動で相手を撃破、またはサポートに入ることができます。
ユニット単位なのでWTさえ管理が上手くいけば一斉攻撃を食らわず単一で抑え、その後味方が援護し難を逃れるという幅広い戦略をとれます。
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また本作フィールドは高低差と向き、地形、天候でも戦局が大きく変わってくるのでよりユニットの配置も考える戦略性があります。
そしてシミュレーションRPGを進めると必ず悩むこと。
この手のタクティクスゲームはユニットが死ぬとそのユニットは2度と使えないというペナルティ。
本作でもそのペナルティがあります。
ですが猶予があり、ユニットが倒れるとユニットの頭上に数字が表示され、0になるまでに復活魔法やアイテムを使うことで復活できます。
数字が0になったるとそのバトル内は復帰できなくなり、ライフが1つ失います。
そしてライフを全て失うと死にます。
つまりある程度死ねる回数が決まっていてそれ以上失う事で死ぬことになります。
猶予があるとはいえ選択しを選んだり苦労して手に入れた仲間は上手く立ち回りを行いましょう。
ゲームの構成はワールドマップに点在した街や城、砦を移動してバトルフィールド、もしくはイベントシーンに遷移します。
イベントシーンは物語を語るだけではなくプレイヤーの選択肢によってルートも変化します。
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選択肢によっては大きく物語が変化する場合もあるので慎重に選択しましょう。
バトルだけでなくストーリーの中にも攻略の鍵が隠されており分岐点、パターンが多く存在しマルチエンディング方式としてプレイしがいがあるボリュームのゲームです。
各キャラクターの個性的なセリフまわしも多彩で数々の名言が飛び出します。
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各項目選択時には画面上にヘルプが出るので数多く項目がある本作でもチャート的に覚えて遊ぶことができるのが親切設計で良いところです。
オリジナル版スタッフで紡がれる完全版リメイク!
1995年に発売され、その後様々な機種に移植された名作。
そしてPSP版はリメイク版として「タクティクスオウガ 運命の輪」として発売されました。
今までの移植ではなくオリジナル版スタッフによる完全リメイク作品。
運命の輪と副題が付いているのには意味があり、追加要素も多く、ゲームバランスはオリジナル版とは別に再度調整されているため隅々まで楽しめるようになっているところが「運命の輪」リメイク版の良いところです。
「運命の輪」システムはいわば「if(もし~だったら)システム」です。
上記で記載した決断が迫られるシミュレーションRPGという表現。
ですが選んだ先をプレイした後、もしああしてればどうだったのだろう、という決断後の迷い、そしてもう一度その選択肢にたどり着くためにプレイし直すのも中々大変です。
そこで「運命の輪 W.O.R.L.D」システム。
これは特定のポイント、選択肢から現在の兵力を維持したままやり直しができるシステムです。
そしてもう一つが「運命の輪 C.H.A.R.I.O.T」システム。
これは戦闘中に「待った」が使えるシステムです。
将棋でいう何手前かに戻りやり直せる戦場の神になれるシステム。
この2つを組み合わせることで本編の補填を行え本作をすみずみまで楽しむことができます。
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またPSP版は画面もワイドになり、UIもとても見やすく、手のひらサイズで本格的なシミュレーションRPGが体験できます。
まとめ
前作からシステムをがらりと変えましたが、もはや単体の作品としても、シミュレーションRPGの名作としても光り続けています。
必殺技などや大型の魔法などの演出に派手さはないものの音楽、セリフ、物語、グラフィックなど細かい所の作り込みが行き届いており、ゲームの素材を十二分に引き出した作品と言えます。
キャラクターも個性豊かで作品の世界観や全員を目立ち過ぎずくすみ過ぎずな絶妙なデザインです(褒め言葉)。
主張が強すぎない分ばっちり溶け込んだ雰囲気が個人的に好きなのです。
テンポ良く遊びたい人には不向きですがじっくりと腰を据えて将棋を指すように楽しみたい人にはハマること間違いなし!
名作ゆえ世界的にも人気や評価が高いためか、中古でも安価で購入することができ、誰にでもオススメできるシミュレーションRPGです。
それでは次もね~