アーカイブス化、リメイク、HD化、復刻、名作のメモリアルイヤーでメモリアルタイトルなどここ数年はレトロゲーム再評価の波がきている。
ダウンロード販売によるパッケージを必要としない販売方式で名作タイトルからマニアックなタイトルを安価で遊べる。
リメイクによる名作を今の映像技術やデータ容量で無印発売当時には実現できなかった表現・遊び方の実現。
HD化により近年のハイビジョン対応で開発チームが思い描いた繊細な彩色表現。
復刻によりプレミアゲームを定価、安価で発売し世のマニアへの救済と布教をする。
名作はメモリアルタイトルとして10年単位で再燃し現行ハードで何度でも甦る。
そんな中セガフェスである発表があった。
「メガドライブミニ」の発売だ。
メガドライブといえば1988年10月29日にセガから発売された16ビットの家庭用ゲーム機です。
メガドライブはカセットソフトとしては珍しくプラスチックケースに入っているため保存状態を保つのも箱より容易なのでこのブームに便乗して収集してみようかな。
メガドライブ ミニは、4月14日と15日に開催されたイベント「セガフェス2018」で初披露された。フェスでは「ゲーム業界を席巻したタイトルから、マニアがうなるものまで、ユーザーの声を反映したタイトルを収録する」と話している。
私が注目するのはやはり「マニアがうなるタイトル」です。
プレミア化した作品なのか、はたまた未発売タイトルか?
どちらにせよマニアがうなるということは一度世に出ている名前のタイトルには間違いないでしょう。
それよりもなぜ旧ハードのミニ化が進んでいるのでしょうか?
任天堂だけではいざ知らず、他企業も参戦となると今後「任天堂」、「セガ」だけではなく、ソニーなどの「プレイステーション」など参戦ハードは続々出てくるでしょう。
今回はそのあたりの私の考えを話していこうと思います。
次々とミニ化する旧名機たち
レトロハードのミニ化は何も初めてじゃない。
2016年11月10日に「ニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータ」通称「ミニファミコン」。
2017年10月5日には「ニンテンドークラシックミニ スーパーファミコン」通称「ミニスーパーファミコン」。
上記2つが任天堂から発売されソフトの復刻ではなくハードそのものにゲームを収録して発売するというメーカーでは異例の販売を行った。
ハード内にゲームを収録すること自体はゲームマニアであればさほど珍しいことではない。
レトロゲームの互換性があるハード内に収録されていたり、画面と一体型となった携帯ゲーム形式のものまで全て存在していた。
しかし、あえて今ハード生産の大元がそのような取り組みを始めたことこそが異例なのだ。
メーカーはハードを作りソフトを別に売り、周辺機器メーカーなどサードパーティーは互換機を作る。
そういった流れだったのだがメーカー自らその舞台に踊り出るとは!
しかし、そこはメーカー互換機ではなくあくまで複数タイトル入りのハードを発売することのみにとどめている。
良く言えば「公式で名作タイトルを名作機のスリムバージョンでできる!」だが悪く言えば「アーカイブスが入っているただの箱」だ。
あえて旧ハードのミニ化が意味すること
ではこのミニ化現象に消費者はどんな価値を見出しているのか。
それは大きく分けて3つ「デザイン性」、「コンパクト性」、「特別性」と私は考えています。
デザインは元々ゲーム機としての名機。その当時としては画期的なデザインはゲームという革命を引き起こした。
それだけの実績が放つデザインは今もなおマニアだけならず、世界中の人から愛されている。
さらに加えてコンパクト性。ただコンパクトなだけではどちらにしろ場所を取ってしまうがデザインが優れていてコンパクトだと「場所を取らないインテリア」として成立する。
されに特別性。特にミニスーパーファミコンがその筆頭だ。
ミニスーパーファミコンは往年の名作に加えて幻の未販売ソフト「スターフォックス2」を収録してそのゲームでしか遊べないコンテンツを提供することでユーザーの心をがっちりと掴んだ。
もともと「ニンテンドー64」の発売を控えていたためお蔵入りし次世代機で「スターフォックス64」として継承された続編が発売された。
このように幻のお蔵入りソフトを復活させて販売できるのはハードとソフトを両方作ってきた会社だけができるとんでもない個性です。
今後恐らくこのビジネスモデルが成功パターンとなれば一気に様々なハードのミニ化と未発売タイトルの復活などが期待できるかもしれない。
またアーカイブス化の流れも整備されレトロゲームがレトロゲームではなくこれから永遠に遊べるタイトルの一つとしてデジタル作品の在り方に大きな革命を起こすことは間違いないだろう。
先人の貴重な「情報」を後世に伝える技術が圧倒的に進化した中で古い時代にはなかった「権利問題」が壁を作っているこの業界。
制作者に敬意を表してアーカイブス化の報酬を数多表舞台から姿を消したクリエイターたちに分配することができるならレトロゲームならずともエンターテイメント業界の再編や衰退を食い止めることができるのではないだろうか。
私は権利関係や報酬の正当な額、分配など詳しくないしわからないやつが何を言ってるんだ。実行もできない癖にと思われるかもしれない。
でも今まで業界を支えてきたのはクリエイターだけではない。ファンや消費者両方の願いがあったから実現してきた。
消費者が求めるものを作るクリエイターとクリエイターの理想に共感した消費者。
消費者への新しいジャンル・価値観の開拓。それに感銘を受け人生の記憶に残る。
過去は教科書で学べるが過去の経験を体験できるものは貴重だ。
ゲームはその時々のカルチャーの写し鏡ような存在だ。
まとめ
何はともあれ新たなハード戦争が始まるのか共有、共存の一手なのか勝ち負けで業界は動くのか、最高の融合を果たすのか、それぞれの個性を貫き通すのか。
「AI」、「VR」と仮想現実や表現や新たな生命体の意思が革新的進化を加速させる今ゲームはどんな進化を遂げるのだろうか。
スマートフォンに大きくゲームの市場をわずか数年で塗り替えられた家庭用ゲーム機は生き残りをかけてもがいている。
しかし、スマートフォンで旧名作が移植され再度レトロゲームが再評価を受けたことで少しづつ旧ハードにユーザーの興味が移りつつあるのも間違いはない。
しかし、このままだと興味の範疇で終わってしまう可能性があるためこのように大々的に旧ハードを復活させたのか。
筆者は今後についてあえて深堀せず新しい世界に身を委ねてその度に驚きと興奮を味わいたい。
それでは次もね~