シューティングゲームは既存のキャラクターがパワーアップやアイテムを手に入れることで技が変化します。
ショットが直線的や広範囲、追尾式、チャージショット。
ボムやガード、敵弾の薙ぎ払い。
速度上昇や回避の制御をしやすくするために速度を遅くするなど様々パワー要素がシューティングゲームにはあります。
今回紹介するレトロゲームはそんなパワーアップ要素とは珍しい「変身」する要素が特徴的なシューティングゲームです。
クリックすると拡大します
・エスプガルーダ(Espgaluda)
ジャンルシューティングゲーム プレイ人数1~2人・エイエムアイ(AC版)
・アリカ(PS2版)
・ケイブ(AC版)
・アリカ(PS2版)
・2003年11月(AC版)
・2004年6月17日(PS2版)
・アーケード(AC)
・PlayStation2(プレイステーション2)
・無
・覚醒モードの「変身」要素が加わることでよりキャラクターのアイデンティティとなる要素を追加。
・ガードバリア&ガードバリアアタックで攻防一体の戦闘が楽しめる。
・PS2版では敵配置含め、新キャラクターで操作する全く新しいステージ構成が楽しめるアレンジモードが追加。
ストーリー
人と聖霊が寄り添って生きるこの世界にも、錬金術による産業革命の波が押し寄せてきた。
機械技術の急速な発展は、平穏な世界に闘争の種を蒔き、いつしかそれは乱世の兆しとなって芽吹き始めた。
乱世の主役となったのはシンラの国王・ジャコウだった。
シンラを千年王国たらんと欲するジャコウは、聖霊石を魔方陣で封印した強力な「聖霊機関」の開発に成功。
中小国家のひとつに過ぎなかったシンラは、以後、急速に力をつけていく。
そして、聖霊機関がもたらす圧倒的な軍事力を背景に、シンラは周囲の国々に侵攻を開始、戦乱の時代の幕が上がった。
しだいにその版図を広げるシンラ。だが、それだけでは飽きたらないジャコウは、秘かに錬金術の範疇を超えた悪魔の研究に手をつけていた。
帝都にあるシンラの王城・ウツロブネの中では、国家錬金術士たちにより、人と聖霊を結びつけて新たな力を得ようとする計画が進められていたのだ。
「プロジェクト・エスプガルーダ」と名づけられたその計画は、やがてアゲハとタテハという、2人のガルーダを生みだすに至った。
”ガルーダの力をもって世界に覇をとなえる”
2人のガルーダを得、ジャコウのその邪な野望が正に達せられんとしたとき計画の中心人物の一人、錬金術士のヒオドシが、アゲハとタテハを連れて国外へ逃亡をはかる。
帝都から姿を消した3人を捕らえるべく、ジャコウは執拗に追ってを差し向けるが、彼らの行方は杳として知れなかった。
それから16年の月日が流れた。
運命は容赦なく、辺境で平穏な日々を送っていたアゲハとタテハを、乱世の表舞台に立たせる。
彼らが隠れ住む町に、ついにシンラの侵略の手が伸びてきたのだ。
その巨大な暴力は大いなる悲しみを呼び、無垢なる子らに眠っていたガルーダの力は今、目を覚ます。
「エスプガルーダ」説明書より
覚醒、変身、性転換!?さらには攻防一体の戦闘が楽しめるアイデンティティ満載シューティング
本作の大きな特徴が「覚醒システム」です。
この覚醒システムは覚醒状態になることで一定時間自機が強化状態となるモードです。
覚醒状態になると覚聖死界が展開され敵弾が「紫色」に変化します。
この状態になると「画面全体がスローとなる」、「自機が強化される」、「敵を破壊するとその敵が発射した弾を金塊(スコアアイテム)に変化させる」などの効果が付与されます。
覚醒状態を保つための覚醒メーターが0になると敵弾が「赤色」になりますが、姿は覚醒状態のままです。
それであれば覚醒状態を解除しないでそのままの方がいいじゃないと思ったらなんか敵弾が覚醒前より厳しすぎない?ステージ進んだから?
その理由は覚醒カウンタがなくなると自機強化は続いたままですが、敵弾は早くなり、金塊ボーナスもなくなった状態になるので自機強化のメリットは残りますが敵弾を回避できないようであれば直ぐに覚醒状態を解除したほうが攻略しやすいでしょう。
クリックすると拡大します
覚醒状態として敵弾の色で状態が判断できるのですが本作はキャラクターの見た目まで変わる変身スタイル。
しかも性別まで変わるんだから驚きです。
主人公の「アゲハ」と「タテハ」は「プロジェクト・エスプガルーダ」によって作り出された人間兵器なのでそれが可能となるのでしょう。
しかし、変身スタイルだけでもシューティングゲームでは珍しいのに性転換までするなんて「鋳薔薇」や「虫姫さま」もそうですがこのころから「ケイブ」はキャラクターへのアイデンティティに重点を置いてゲームを制作している感じがひしひしと伝わってきます。
他にも「ガードバリア」とガード+バリアの防御防御している展開すると無敵状態となり、敵弾がバリアに触れると敵弾を消すことができます。
ガードバリアはボタンを押し続けガードバリアゲージが続く限り展開し続けます。
ガードバリアを展開中にガードバリアボタンを離すと「ガードバリアアタック」が発射され威力はガードバリアを展開していた時間に比例し敵に大ダメージを与えることができる正に攻防一体の攻略が可能となります。
ステージ1:血別
ステージ2:渓谷の街
ステージ3:シンラ侵入
ステージ4:要塞都市
ステージ5-1:浮遊城ウツロブネ
ステージ5-2:血着
度々ステージに登場する「セセリ」は「アゲハ」、「タテハ」を追うジャコウの娘(息子として育てられた)で父親の愛情が自分に向かず2人に嫉妬心を抱き散っていく姿は不憫でしょうがない。
敵ながら同情せざる負えない悲しいキャラクターです。
セセリはその二人のライバル的な位置につけたのか続編の「エスプガルーダ2」にも登場して正に死にキャラという不憫なキャラクターを演じ続けなければなりません。
やられ時の「お父様、ごめんなさい」を聞くたびに泣けてきてしまいます。
本当は倒したくない…
倒した後のセセリの墜落が生々しい…
本作は敵を倒すと周りに血しぶきも飛び散り設定も世界観も絵の雰囲気から考えられないどす黒さがありギャップがあります。
キャラクターまで違う!?全てがオリジナルのアレンジモード
PS2版のみ「アレンジモード」が追加されているのですがケイブ作品お馴染みの「ブラックレーベル」のようなモードではありません。
アレンジモードというとステージ構成、敵の配置がアーケードモードと異なるというのがお馴染みで、本作のアレンジモードにもこれらの要素が実装されています。
本作はそれに加えて自機まで本編アーケードモードとは異なるキャラクターを採用しています。
広範囲が特徴の「Black」と連装ショットと近接攻撃の攻撃力の高さが売りの「千裕」が操作キャラクターとして参戦します。
参戦と言っても設定上どんなキャラクターかはイマイチわからないのが残念なところですが、アーケードモードでなかった通常ショットに加え「パワーショット」が実装され「アゲハ」や「タテハ」などとはまた違う攻略や操作感で楽しめる。モードとなっています。
まとめ
本作は声優はじめ本格的にキャラクターものに挑んだケイブ初の作品でまだデザインにぎこちなさは残るもののこれから目指すであろう方向性に一歩踏み込んだ作品だと思います。
その証拠に後に「虫姫さま」や「鋳薔薇」などのキャラクターの個性を出したケイブ作品がどんどん発売されているためその影響は非常に大きいようです。
シューティングゲームのライトユーザー向けとし発売しましたがそれでもケイブのシューティングゲーム。
モリモリの弾幕とギガスピードの弾速がせいぜいメガスピードになったぐらいで相変わらず硬派なシューティングゲームです。
シューティングゲームは相変わらず一般ユーザーからみたらハードル高そうですね。
それでは次もね~