ロボット作品と言えばどんな無骨なロボットでも空中戦は外せない。
そのアクロバティックな動きと360度縦横無尽に駆け回るロボットの姿はスピード感もあり視聴者のボルテージを上げるためには必須とも言える手法だ。
しかし、そんな中あえて地味な陸上戦を扱いジャンプもできないまるで理想のロボットではない、そんなロボットアニメで人気を博した作品がある。
その名は「装甲騎兵ボトムズ」。
今回紹介するレトロゲームはPS2のパワーを余すことなく使いその魅力を伝えたボトムスゲームの決定版とも言えるゲームです。
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・装甲騎兵ボトムズ
ジャンルシューティングゲーム プレイ人数1~2人・バンダイナムコゲームス
・ユークス
・2007年11月15日
・PlayStation2(プレイステーション2)
・無
・ローラーダッシュなどATの機構を余すことなく再現した極上の操作感が魅力。
・50種類のストーリーミッションと160種類以上のミッションディスク、そして50種類以上のAT操作可能と正にボトムスゲームの決定版的作品。
・原作アニメを元にゲームにしたボトムス初の作品。
ストーリー
百年戦争
アストラギウス銀河を二分するギルガメス連合とバララント同盟との間で、勃発した戦争。
当初はバララント優勢だったが、ギルガメス陣営の惑星メルキアでのAT開発と大量投入が功を奏し、互角にまで持ち直す。
その後、バララントも独自のATを投入し、戦力は均衡。
疲弊を極めた両軍は7213年に休戦。
約百年にもわたる戦争であった。
「装甲騎兵ボトムズ」説明書より
装甲騎兵ボトムズとは
装甲騎兵ボトムズとは日本サンライズ制作のロボットアニメで原作テレビシリーズは1983年4月1日から1984年3月23日、テレビ東京他で全52話放送されました。
それまでガンダムのようなスピード感を重視した作品が多く見られるサンライズだったが、本作は徹底したロボットアニメとしてのリアルを追及した作品となります。
そのため本作のロボット「アーマードトルーパー(AT)」
しかし、スピード感がないとストーリーのテンポ、戦闘の爽快感が出ないためATの足の裏に「ローラーダッシュ」という地面を滑走できるギミックを付けることでリアルでロボットを早く動かす方法として再現されています。
またこれといって特別な機体というものが存在せず、その代わり「パーフェクトソルジャー(PS)」と呼ばれる強化人間の優秀度合いで戦力の優劣がつきます。
正に「機体性能の差が戦力の絶対的差ではないことを教えてくれる」作品です。
みんなが主人公機という正に全員参加の戦闘が熱く、強化人間などの人口で優秀な人間を生み出すという少しハードボイルドなテーマを扱った分かりやすくも大変深いテーマを持った作品です。
リアル路線な本作は特別な機体は存在しないが「ローラーダッシュ」はじめ回転する3連レンズ「ターレットレンズ」やその丸いフォルムのデザインが好評で派生作品やフィギュア、プラモデルなどマルチ展開しています。
そのリアル路線の効果はファンの創作意欲も搔き立てボトムスの「ターレットレンズ」などを再現してしまったりした方もいます。
ひとえに「リアルで再現できそうなデザイン」がそうしたアニメと現実の境界線を取り払って非常にファンとの距離が近い作品なのではないでしょうか。
ボトムスのリアルへのこだわりをそのまま再現した作品
ボトムスはそのメディア展開の幅広さから本作より前にプレイステーションでも様々な外伝作品が発売されています。
しかし、本作は次世代機プレイステーション2で再現できる豊富な3Dグラフィックを用いてその重厚感とハードボイルドな雰囲気をいかんなく発揮しています。
特に見栄えの良さだけではなく動きやギミックのリアルさなど原作アニメでこだわり抜いた挙動を再現しています。
こういったこだわりを見られるゲームはプロデューサーや開発者の中に絶対ファンがいるだろうという愛が感じますよね。
本作用意されたボトムスの世界観を追体験しながら挑む「ストーリーモード」、本作主要ロボットである「アーマードトルーパー(AT)」同士の対戦を楽しめる「バトリングモード」で遊ぶことができます。
「ストーリーモード」はミッション形式で各ミッションごとに条件を満たすことでクリアとなります。
ミッションは全50ステージとだいたい原作アニメの52話と同じでテレビシリーズのお話しを網羅しています。
そして「バトリングモード」ですが本作ミッションをプレイする前に操作や戦い方を覚えてからプレイすることを推奨します。
なぜなら本作ロボットで戦うという単純なものではなく「生き残るための戦略」が重要となってくるからです。
主人公とアーマードトルーパーを使い分けろ
本作は原作アニメ主人公でもある「キリコ・キュービィー」と「アーマードトルーパー」を切り替えてミッションに挑みます。
なぜキリコに切り替える必要が?ATに乗っていた方が強いじゃんと思うかもしれません。
しかし、キリコで攻略しないとクリア条件とならないステージもあるため必然的にキリコの操作に慣れる必要があります。
またキリコで操作するということはATがはびこる戦場に生身で放り出されるということなのでやはり操作は慣れておく必要があるでしょう。
また自身のATが破壊されたときに別のATに乗り換えることもできるので救済措置としてもキリコで操作することは起死回生の一手となる場面もあります。
キリコは強化人間なのでシステム設定上ダメージを受けても時間経過でHPが回復します。
今のFPSゲームなどそれほど珍しくないシステムですがこうなるとFPS作品はやはりみんな常人ではないことがわかりますね。
キリコでAT相手をすることでの利点もあります。
ATでも発生するのですが敵ATを攻撃すると稀に「クリティカルダメージ」を与えることできATに搭乗していないほうがクリティカルの発生率が高くなります。
このクリティカルを利用することで敵ATのパイロットのHPを0にしてATを奪うのも戦略の一つです。
AT部位破壊
本作のこだわり抜いたリアル感はロボットをただ倒すことに留まりません。
より戦略的に戦うために「部位破壊」を行い戦況を有利に進めましょう。
もちろん自機ATにも部位破壊と同じ影響が及ぶので注意が必要です。
・頭部:サポート系のプログラム効果が無効に
・胴体:行動不可となる。
・右腕:半壊で右腕武器のダメージ量減少。全壊すると右腕武器とミッションプログラムが使用不可となる。
・左腕:右腕同様、左腕武器のダメージ減少と武器、ミッションプログラムの使用不可となる。
・脚部:ローラーダッシュが使用不可となる。
ミッションディスク
「ミッションディスク」はミッションプログラムというようにATに様々な効果や技を与えてくれるシステムです。
ミッションディスクは160以上存在しプログラムにも種類があり大きく分けると「サポートプログラム」、「アクションプログラム」、「コンバットプログラム」の3種類です。
・サポートプログラム:コマンド入力不要で効果を発揮するサポート系プログラム。
・アクションプログラム:攻撃や移動技をプログラムごとに特殊な行動へと変えるプログラム。
・コンバットプログラム:時間経過で溜まるミッションディスクゲージを消費して発動する必殺技。
これらは本作のカスタマイズ要素としてプレイヤーに合ったミッションディスクを探し出すのも楽しみであり、攻略の大きな助けとなります。
アーマードトルーパーの操作がとにかく気持ちいい!楽しい!
アーマードトルーパーの操作感の評価の高さばかり目立つ本作ですが、これゲームに触れれば感じずにはいれません!
本作は原作アニメを元に製作されているため登場するATは50種類以上と正にボトムスゲームの決定版とも言える充実の機体数。
このAT操作がたまらないんだ!
特にみなさんもプレイしたらおそらくは気に入るであろう「ローラーダッシュ」。
これはボトムスファンではなくてもロボット操作としては物凄く気持ちが良い。
本当に地面を滑走するような滑らかな動きとローラーダッシュモードをオフにした時の通常歩行とのギャップがまた良い。
ゴロゴロ…シャー…キューン…ズドドド…
鳴り響く効果音が動きと非常にマッチしているところも気持ち良い理由の一つでもあります。
またこれも作り込まれてるんだ!「ターレットレンズ」!ボトムスではこの頭部の三角状に並ぶ3つのレンズを切り替えるギミックがかっこいいのですがこれもしっかりゲームのシステムとして落とし込んでいるのは流石ですね。
「ターレットレンズ」は「3人称」、「ズーム」、「スナイプ」の3つの視点モードに切り替えることで攻略にあった視点に切り替えが可能です。
骨太デザインの「アームパンチ」も健在でパイルバンカーなどによる射出するアームは近接戦で非常に強力な攻撃となります。
これら原作アニメを盛り上げたボトムスの機構を存分に再現した極上の操作感を是非ご堪能あれ!
まとめ
ボトムスゲームはこれまで何度も発売されましたがそのアニメに宿るリアルを表現しようとすると扱うマシーンのスペックや容量的に物足りない部分が多かった。
しかも容量的問題なのか外伝作品ばかりで本作のように原作アニメを網羅したのは初の作品で出来栄え内容共にボトムスファンは待ってました!という充実の内容となっています。
またギャラリーモードも豊富なためファンは必見とも言える作品です。
私個人はそれこそマシンスペックを要求するゲームであれば是非次世代機で続編もしくはリメイク版が出ないかなと熱望しています。
PS4の「フィギュアヘッド」でコラボキャラとしてスコープドックが登場しましたが滑らかさグラフィックは言うまでもなく凄いのですが「フィギュアヘッド」というゲームのシステムに合わせる以上アーマトルーパーらしさはやはり消さざる負えないのが残念でした。
しかし、今なおこうしてコラボなどが行われるということは期待してもいいのかな?期待しましょう!
それでは次もね~