続編が発表されるとワクワクする。
特に好きな作品だとなおさらだ。
どんな作品になるんだろう。
前作の最後や道中で謎に包まれた伏線は回収されるのだろうか。
キャラクターたちはそのままか、それとも新規キャラクターなのか。
前作のキャラクターたちは物語に関与するのか、時系列はいつの設定か。
プレイステーションやセガサターン、ドリームキャスト時代ならグラフィックの大幅な進化も毎回楽しみだったでしょう。
今回紹介するレトロゲームはグラフィックが進化した…のか?とにかく進化して帰ってきた名作シミュレーションRPGの続編です。
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・ヴァンダルハーツ2(VandalHearts2)~天上の門~
ジャンルシミュレーションRPG プレイ人数1人・コナミ
・コナミコンピュータエンタテインメント東京
・1999年7月8日
・2000年6月29日(ベスト版)
・PlayStation(プレイステーション)
・無
・相手と同時に思考を巡らす更なる読み合いの強化「デュアルターンバトル」で戦略がアップ。
・プレイヤーすら蝕むそのシナリオも人間の欲望を包み隠さず表現していてアーカイブス配信が無いのもちょっとわかる。絶望好きははまること間違いなし。
・武器と技を組み合わせることができる「ウエポンカスタマイズ」で武器にも個性を出せるようになった。
ストーリー
4大列強国並立まで…
かつて愚かな人々は、神の庭より「生命樹」の種を盗み出し、その神秘の力によって虚飾に満ちた楽園を築くと、欲望のおもむくまま、退廃的な享楽と背徳の限りを尽くした。
これを憂えた神は、大災害をもたらして邪な人々を一掃するが、その一方で聖者ニルヴァースに奇蹟の力を秘めた「聖剣」を与え、敬虔な心を忘れなかった一握りの人々を救うよう命じる。
ニルヴァースは「聖剣」の力に支えられ、幾多の苦難の末に良き人々を清浄の地へ導くが、最後の力を使い果たした「聖剣」は粉々に砕け散り、その破片一つ一つが、世界中の散らばり、全ての武器の原型になったと伝えられる。
その後、ニルヴァースは人々を率いて周辺諸部族を平定し、国を興すが、これが後にログナイト大陸全土を範図とする超大国「神聖ニルヴァディア教国」の元となる。
聖ニルヴァースを建国の祖とする「神聖ニルヴァディア教国」の下、大陸には長く平安な時代が続いた。
しかし、聖暦300年を越えた頃から、度重なる異教徒襲来や、破戒僧の増加によって、教国の権威は徐々に失墜してゆく。
教国の力が弱まる一方、地方の領主や大地主は力を蓄え始め、互いに牽制し合って、小規模な領土争いが頻発する。
そして、聖暦425年神学論争に端を発する地域紛争が、遂には大陸全土を巻き込む大戦争に発展してゆく。
後に「分断戦争」と呼ばれるこの戦いの末、時の教皇ロペス4世の認可の下にフェルガータ平和条約が締結した。
これによって30余りの地域が、独立主権を持つ国家として認められる事になり、教国は事実上解体を余儀なくされる。
その後、独立した国々は戦争や婚姻などによる再統合を繰り返し、やがて現在の4大列強国(ナトラ王国、教皇領ニルヴァディア、ヴァルナンツェ共和国、ゾーラ・アルケイオ二重帝国)並立時代を迎える事になる。
「ヴァンダルハーツ2~天上の門~」説明書より
ゲームは少し変えるだけでここまで進化する!
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前作に続き高低差や敵隣接時の支援効果を活かしたシミュレーションRPGです。
「タクティクスオウガ」や「ファイナルファンタジータクティクス」好きならきっと好きなジャンルでしょう。
それに加え本作は新システムとして、「デュアルターンバトル」、「ウエポンカスタマイズ」として導入されました。
「デュアルターンバトル」は前作同様ターン制でリアルタイムには進行しません。
それは安心してください。
ただ今回は「行動を同時に決めて同時に動く」それが「デュアルターンバトル」です。
前作のターン制だと自分のターンの行動が終わり次第、相手のターンに移行します。
ですが、本作は同時に行動を決める、つまりは「相手が動いてから判断して戦略を立てる」のではなく「相手がどう動くか予想し行動を決める」というバトルシステムに変更されました。
これでかなり高等な戦術が楽しめると同時に前作よりも難しくなったと感じます。
しかし、この変更により「素早さ」のステータスが物凄く重要な意味を持ち、本作攻略には無視できない要素となっています。
本作は「技」といわれるいわばスキルや魔法があります。
「ウエポンカスタマイズ」は、前作にはなかった「武器内の技を交換できる」システムで、自分の好きな装備や使いやすいものをより使いやすく出来るシステムです。
このシステムが組み込まれただけでも前作を大きく上回る戦略を楽しむことができます。
但し、セットできる数には武器毎で上限があります。
このように戦略性も広がった本作は前作のシステムを活かしつつもパワーアップしています。
物語は前作より神話性が増し、より宗教よりな政治の動きを見せる。
何にも代えがたい不思議な力の存在が人々を狂わせる。
そんな世界観がひしひしと伝わってきます。
なんて救われないだろうか…
でもこういう物語がなぜか惹き込まれる。
ある意味飾り気のない知りたくないようで知りたい人間の醜い部分が各キャラクターに宿っているからでしょう。
でも説明書通りのビジュアルがゲーム内にフィードバックされていないのはギャグでしょうか。
説明書とビジュアルが大きく違い、顔のビジュアルが「クロックタワー」のようで陰湿感は凄く伝わります。
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しかしこの主人工の「ヨシュア」誰やねん…
完全にかくれんぼ好きの傭兵おっさんや…
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ヒロインの「アデル」もクロックタワーの続編に出ても違和感ない闇が深そうなご尊顔。
それだけシナリオも闇深き展開も多いのですが常にこの顔せんでも…
このように表情表現はあまり豊かではないですね。
ライトなシミュレーションRPGを楽しみたい人は前作、もっと戦略的に楽しみたいなら本作をおすすめします。
もちろん前作にはまった人は本作も楽しめますよ。
ストーリーの繋がりは世界観だけなのでどちらから遊んでも大丈夫なので好みに合わせて遊んでみてください。
まとめ
前作から新システムの追加だけではなく、グラフィックも大きく変更してきました。
今回のグラフィックは海外向けと日本向けの中間のデザインという感じです。
前作のリアルを少しデフォルメ化したデザインではなくちょうど「ヴァルキリープロファイルシリーズ」のように絵画の人物のような神秘的なデザインになっています。
しかし、実際のゲーム内グラフィックがイラストに追いついていない感じで、ちょっと芋っぽくやはり海外向けのようなグラフィックです。
それに更なる続編「Vandal Hearts: Flames of Judgment」はガッツリ海外向けグラフィックで海外のみ配信ということで、本作2を発売した時点で今後日本展開するか海外展開するかを見定めていたのでしょうか。
血しぶきブシャーは全作品共通です。
どういうこだわりなんだってな…
ともあれ、いざ遊んでみると楽しめるものですし、この独特の絶望感溢れるシナリオは日本語の細かい表現だからこその楽しみ方ができるものです。
静止画テキストよりもシミュレーションRPGのフィールドを写しながらの物語進行なので状況の見え方が生々しいのでわかりやすい。
そういった面で通常のRPGとはまた違う楽しみ方ができるのがシミュレーションRPGの魅力ですね。
それでは次もね~