【大正もののけ異聞録】文明開化の狭間で繰り広げるもののけ奇譚

ゲームを色々プレイしたり調べていると、その制作会社の傾向が見えてくる。

RPGが得意だったりアクションが得意またはそのジャンルに力を入れている。

○○な世界観の再現度や雰囲気づくりが上手い。

それぞれ特色が見えてくるとその制作会社自体のファンになったり、このジャンルならここは間違いないなど期待度がグンと上がります。

しかし、定評のあるジャンルや世界観を避けて新たなことに挑戦する。

得意なジャンルという一つの柱ではなく新たな柱を作り、人気作品を生み出す。

そんな挑戦を各社が周期的に行い新たなヒット作品を生み出そうとしている。

しかし、その挑戦は数多の成功と失敗がある。

また良作であるものの「この制作会社はこのジャンル以外認めない!」などという食わず嫌いや、不運にも販売時期や超大作との競合、新ジャンルのためプレイ人口が少なくレビュー、評価などやインフルエンサーがいないなどあまり日の目を見ない作品も多くあります。

有名な制作会社を調べてみると意外な作品が過去に開発していたりと、今の人気の秘密やこんなゲームも作ってたことがあったんだと新たな発見ができて面白いですよ。

今回紹介するレトロゲームはその中でも異国ものRPGに特化した制作会社から発売された珍しい「大正日本」を題材にしたシミュレーションRPGゲームです。

タイトル販売元開発元発売日フォーマットアーカイブス

クリックすると拡大します

・大正もののけ異聞録

ジャンルシミュレーションRPG

プレイ人数1人

・ガスト

・ガスト

・2003年2月27日

・PlayStation2(プレイステーション2)

・無

本作のセールスポイント

・開発元である「ガスト」では珍しい日本を舞台にした作品。

・キャラクター、もののけ達のビジュアルがとても可愛らしく、BGMもガストらしい愛らしい演出の数々。

・複数の主人公からおりなす37個もの視点から描かれる目的は違えどその収束されるストーリーはどれも個性豊か。

ストーリー

大正初期の日本。

西欧化が押し進む世の中。

人と自然とのかかわりによりその存在を示した”モノノケ”は、次第に人々からその存在を否定されるようになる。

そんな彼らが最後の地として選んだのは、日本の中心に位置する天に最も近い 山の国、信濃。

”モノノケ”の中に最後に終結する約束の地として伝えられている国である。

 

多くのモノノケが、はるか遠くから、この約束の地に終結する。

そんな中で出会う種族も素性も異なる5人。

彼らに共通するのは「モノノケと意思を疎通することができる」という能力のみ。

不思議な力に導かれるように集まった彼らは、あるものは自分の素性を確かめるために、あるものは自らの住まいを守るために、あるものは自分の力を試すためにー

自らの信念に基づいてお互い争うこととなる。

そして物語は一つの結末へと進んでいくー。

「大正もののけ異聞録」説明書より

異国ばっかりじゃん…実は挑戦していた和風RPG

ガストと言えば「アトリエシリーズ」、「アルトネリコシリーズ」や「よるのないくに」などのRPGが有名ですね。

欧州や西洋などのアンティークを思わせるそのおしゃれな異国の世界観とキャラクターデザインは男性ファンのみならず女性ファンも多いゲームを制作しています。

また錬金術をシステムや世界観の題材として多く使用しているのも特徴です。

そんなガストが実は「和風」の世界観を題材にしたシミュレーションRPGを出していることをご存知でしょうか。

それが本作「大正もののけ異聞録」。

本作は主人公は一人だけではありません。

各プレイアブルキャラクターが「天降勾玉」というもの集める必要があります。

クリックすると拡大します

天降勾玉は全部で37個あると言われており、そのため37パターンの物語を楽しむことができます。

最初の主人公はこの5人の中から選択し天降勾玉手に入れると新たなアドベンチャーパートが出現します。

ゲーム構成は「アドベンチャーパート」と「百鬼夜行パート」に分かれています。

アドベンチャーパート」は各主人公たちの物語が進められるパートとなります。

ガスト開発だけあって日本の街並みは文明開化途中の田舎と都市が交差する世界観で現代と戦国時代の狭間にいるような不思議な世界観です。

舞台は「信濃」で歴史上もかつて地方行政が栄えた国であり、今の長野県に位置している国です。

アドベンチャーパートでは百鬼夜行パートにために部隊編成や探索、アイテム収集、フリーバトルで育成などを行います。

フリーバトル」と「百鬼夜行パート」戦闘は基本的に同じです。

普通の敵かボス戦の違いと認識していただいてかまいません。

バトルはタイトルにもある通り「もののけ」を操り戦うバトルシステム。

主人公は指揮官となりもののけを指揮しバトルを勝ち進みます。

イメージとしては「指揮官が指示だけではなく一緒に戦うポケモンやドラクエモンスターズ」ですかね。

指揮官は特殊技「霊技」を扱うことができもののけの後方支援としても活躍します。

勝敗は指揮官を倒したほうの勝利となります。

クリックすると拡大します

指揮官は上の図でもわかる通り属性の優劣ではどの属性も苦手属性となります。

そのためもののけが全員やられてしまうと本当に無防備状態なのでもののけの存在は重要不可欠です。

もののけが圧倒的に有利なのに人間が従えているなんて…

人間…いや知恵の怪物恐ろしい!

戦闘で勝利するともののけを仲間にすることもできるので、どんどん仲間にして戦術の幅を広げるのも本作の魅力であり攻略する上で重要な要素となります。

クリックすると拡大します

もののけ達にも種類があり、様々なスキルを使い分けながら上手く部隊編成を行い自軍の勝利へ導きます。

もののけがやられると石になる演出ですがこれにも意味があります。

もののけの戦闘不能時「」が一つ消費されるのですが、その魂が残っていれば一定時間でバトルに復帰することができます。

相手のもののけを全て倒すと指揮官に攻撃することができるので、もののけを壁役に使うのか、それとも圧倒的な攻撃力で先手をとるか。

はたまた復活しまくるゾンビパーティーを作りあげるか。

もののけ達はその特性だけではなく「スキル拡張」や「クラスチェンジ」し強化、装備を整えることでも戦力アップすることができます。

もののけ達はキャラクターデザインも凄く可愛く、スキルの名前もほのぼのネーミングでとても癒されます。

私は特に「ユキンコ」のスキルで「おとうさん」というスキルが雪だるまのおとうさんが出てきて「娘をいじめるな!」とばかりに攻撃する姿がとても癒されました。

このように癒しも世界観も「ガストの王道」として制作された本作ですが、日本を舞台にした作品は珍しいのでプレイしてみる価値ありですよ!

まとめ

本作はシミュレーションゲームといってもポケモンのように対角線上で向かいあうやドラクエモンスターズのように敵の正面で戦うではなく、相手の陣と自陣を行ったり来たりと画面移動が忙しく、戦闘テンポ的にも少し残念な面もあります。

まだPS2だったので良かったですがPSだったらさらにプレイしにくかったかも。

横幅を活かすのなら今のHD時代にこそピッタリなシステムだと思います。

大正浪漫やもののけなんかは女性にも人気のジャンルですし、さすが女性にも需要があるゲームを制作してきただけあります。

歴女の方も増えてきていますし、もう一度システムを再構築してリメイクか和の世界観を今のガストが表現したらどうなるのか。

これを知ってしまったものはちょっと期待してしまう。

そんな作品でした。

それでは次もね~

関連記事(一部広告含む)

よろしければシェアお願いします!