続編を作るにあたって、大体は馴染みのある「○○2、○○3」と数字でナンバリングしていくのが一般的でしょう。
シリーズが多ければ多いほど後追いするユーザーにとってわかりやすいでしょう。
でも人類はどこまでその数字のセンスに耐えられるでしょう。
漫画であれば100巻越えの漫画シリーズも何点かあります。
ゲームだと?シリーズ数でいけばあるのでしょうが20のナンバリングを超えるゲームは見たこと…ないと思います。
「ファイナルファンタジーシリーズ」や「ドラゴンクエストシリーズ」でもやっと15越えるかどうか。
正当なシリーズでナンバリングつけようと思うとどうしてもマンネリ化してしまいます。
字ずら的にもサブタイトルやちょっと関連した名前にしたいものです。
だから外伝作品なんかには本編とは違うとこだよ~とかこいつにスポット当てるよ~なタイトルがついていたりします。
今回紹介するレトロゲームは続編と付いてるが外伝な疾走感あるシューティングゲームです。
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・SKULLFANG(スカルファング) 空牙外伝
ジャンルシューティングゲーム プレイ人数1~2人・データイースト
・データイースト
・1996年(AC版)
・1997年5月30日(SS版)
・AC(アーケード)
・SEGA SATURN(セガサターン)
・無
・自らがボス敵を追って撃破せよ!「チェイスシューティング」ゲーム。
・サターン版(家庭用)は隠し機体4機追加。
・前作より「ウルフファング」で大きなゲーム性の変更があったためシステム的には「空牙」のシステムグラフィックがパワーアップした縦スクロールシューティングゲームの正統進化作品。
ストーリー
西暦2001年にオセアニア大陸で勃発した「第二次ラグナロック戦役」終結後、世界は一時的に平和を取り戻した。
「ラグナロック」との小規模な戦闘は世界各地で発生してはいたが、常に大きな戦災に至る前に収拾がつけられていた。
だが、西暦2008年、太平洋沿岸の大都市が「ラグナロック」の大型戦闘機の奇襲攻撃によって壊滅させられたのを皮切りに、再び「ラグナロック」の攻撃が開始されたのであった。
統合軍作戦司令部はただちに「対ラグナロック防衛プログラム」を起動、だが、その間にも「ラグナロック」の航空部隊は着々と集結しつつあった。
大西洋を北上するラグナロック機動部隊…その攻撃目標は、”北米大陸”。
統合軍の迎撃機が次々に発信し敵機動部隊とその主力である重爆撃機と交戦するが、敵部隊は足を緩めることなく進行してゆく。
これを阻止すべく、統合軍は戦闘空域に機動要塞艦”轟牙”を投入、”骸牙小隊”による追撃作戦を開始した。
”轟牙”は艦首カタパルトを展開し、”F/AV-01B:SILPHⅡ”、”AV-02A:MEGA-VALKYRIE”、”FV-03C:SEYLEN-EX”、”BV-04:SIF”の4機からなる”骸牙小隊”が離艦する。
…骸牙小隊に与えられた任務は、敵機動部隊を最終防衛ライン到達前に撃破することである!!
「スカルファング 空牙外伝」説明書より
カーレースのような疾走感!ボスを追いまわし撃破する「チェイスシューティング」ゲーム
本作は「空牙」、「ウルフファング」の続編に辺ります。
続編なのに「空牙外伝」っていうのが少しややこしいですが、「ウルフファング」とは違い本作は、「空牙」に登場した機体の上位互換機が登場していることもあって「空牙外伝」なのでしょう。
そして物語の進行的には「ウルフファング」が近いのでもじって「スカルファング」としたのでしょう。
あと「ウルフファング」は唯一横スクロールシューティングやロボットアクションということもあり、システム上も「空牙」と本作「スカルファング」と一線を脱したゲームなので差別化しているのでしょう。
ファングが物語の続編を表し空牙外伝がシステムや機体上の続編を意味していると私は考えています。
前作「ウルフファング」では横スクロールシューティングでさらに操作機体はロボットということで大幅にシステムやゲーム性の変更を行いました。
ですが、本作で縦スクロールシューティングに戻し、シリーズ最初の作品である「空牙」のコンセプトでパワーアップした作品となっています。
そして「空牙シリーズ」の醍醐味と言えばそのカッコイイ機体の数々!
「空牙外伝」ということで空牙からパワーアップした4機が主人公機として選択できます。
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機体も戦闘機に戻り、「空牙」の上位互換機として「F/AV-1B Silph II(シルフ2)」、「AV-02A Mega-Valkyrie(メガヴァルキュリア)」、「FV-03C Seylen-Ex(セイレーンEX)」が登場。
そして新機体として「BV-04 SIF(シフ)」が登場します。
そしてサターン版には基本4機のプロトタイプ版として開発された設定の「SILPH-ASSAULT(シルフアサルト)」、「VALKYRIE-II(ヴァルキュリア2)」、「SEYLEN-II(セイレーン2)」、「PROTO-SIF(プロトシフ)」追加されています。
性能調整段階だけあって不安定さはありますが、どれも量産型ではない特有の尖った、まるで専用機のような性能を持っています。
そして本作は出撃時に機体だけではなくパイロットを選ぶことで、機体自体の操作の選択しが大きく変化します。
「ファイターパイロットタイプ」は方向キーを入力することでまるで演習飛行のようなトリッキーな技で緊急回避技を繰り出すことができます。
自機の残像を作り出す「ハイオンシールド」。
上下左右と回避を行う「サイドスラスト」と「バックスラスト」。
急な衝突からスクロールスピードを一気に下げて急ブレーキを行う「エアブレーキ」。
緊急回避の「バレルロール」。
更にはサターン版のみの特殊ギミックである攻撃を行いながら緊急回避可能な「ローリングアタック」も実装。
最初はこのファイターパイロットがおすすめです。
戦闘機のアクロバティックな動きでプレイしていて非常に楽しいです。
「スカルファング」ならではのシューティングゲームを味わいたいのであればファイターパイロットがおすすめです。
そして「ボンバーパイロットタイプ」は緊急回避ボタン主体の支援攻撃を行えるタイプ。
機体によって威力や攻撃範囲が異なる、攻撃型パイロットでちょっと上級者向け。
ファイターパイロットのように回避技に頼れないので選ぶ機体によって性能差の影響をもろに受けるパイロットです。
その代わり高火力、広範囲の爆撃がスクロールアクション重視のファイターパイロットとはまた違った爽快感があります。
ボンバーパイロットは基本のシューティングゲームの遊び方をしたい場合におすすめです。
攻撃方法はシンプルで「ウェポンチェンジ」で4種類のショットを使い分けます。
通常攻撃の「バルカン」。
広範囲なショット「クラスター」。
追尾可能な「ミサイル」。
貫通力が高い「レーザー」の4種類です。
本作は制限時間内にステージボスを追撃し撃破します。
シューティングゲームで制限時間?と思うかもしれません。
基本的には縦型シューティングは自動的に画面(ステージ)がスクロールしてステージの最後にボスが待ち受ける。
極端な話し、弾幕さえ回避できれば受け身でステージボスまで辿り着けます。
ですが、本作は「チェイスシューティング」。
チェイスといえば「カーチェイス」など「追う・追跡する」という意味があります。
つまりボスを追跡して撃破するゲームなのです!
画面スクロールは「スロットルボタン」でコントローラして行います。
プレイヤーがスクロールをコントロールするように追跡目標(ボス)も加速と減速を繰り返し最終防衛ラインを突破し軍施設を目指しています。
そのためボス戦時画面外の時は上記のように追跡してるって感じでかっこよくモニタリングされるのも、にくい演出です。
追跡目標が軍施設到達、または追いついたとしてもタイムが0になるとゲームオーバーとなります。
そのため攻めの姿勢が大事で敵の攻撃をかいくぐりつつ前へ前へと進行する必要があります。
男女の関係の男側(追う側)みたいですね。
「私を捕まえてごら~ん」。
「「アッハハ」、「ウッフフ」」。
「オラオラオラオラオラ!待たんかいコラ!」なプレイができます。
だからこそ本作は本当の意味での男気が試される硬派なシューティングゲームです。
攻めの姿勢が攻略に大切、それとともに弾の被弾率も多くなります。
本作操縦する機体は出撃時にシールドを展開しています。
なのである程度の攻撃には耐えることができます。
ですが、シールドが0の状態で攻撃を受けてしまうとゲームオーバーになります。
シールドは減少しても時間で少しずつ回復します。
しかし、シールド回復に集中しすぎてしまうと今度は受け身になり制限時間オーバーになってしまいます。
これらのバランスを保ちながら攻略を進めるのが本作の醍醐味です。
ゲームモードは「ノーマルモード」、「エクストラモード」、「トライアルモード」があります。
「ノーマルモード」はアーケード時の設定調整でプレイできる「アーケードモード」です。
「エクストラモード」は家庭用(セガサターン用)のゲームバランス及びオリジナルステージ追加したモードです。
「トライアルモード」はボスのみのボスラッシュモードとなります。
本編は全7ステージで構成されています。
ステージ1【大西洋を北上中の敵機動部隊を撃破せよ!】
ステージ2【兵器工場に向けて侵攻中の重ホバークラフトに低空より接近し、攻撃せよ!】
ステージ3【軍港湾施設を襲撃した高機動イオノクラフトを追撃せよ!】
ステージ4【北米大陸西岸上空に集結中の敵航空部隊を撃退せよ!】
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ステージ5【欧州方面軍司令部に接近中の敵影を確認!ただちに補足・撃破せよ!】
ステージ6【中米防衛圏に侵入した敵強襲機動部隊を排除せよ!】
ステージ7【統合軍総司令部に侵攻中の巨大戦艦・ラグナロックⅢを撃沈せよ!】
本作、男気なんて言いましたが追いながら回避し攻撃するなど攻めの姿勢もありつつ繊細な操作も求められます。
制限時間もあり意外と大胆なプレイも要求されます。
しかもスクロールアクションというめっちゃ画面が動き反射神経も使います。
こういった駆け引き、昨今のeスポーツの競技として正に有りなゲーム作品。
新しいゲームだけじゃなくレトロゲームも種目として確立したら面白いですね。
格ゲー、カードゲーム、FPS、RTSなどではなくなんでもこいなゲームマスターみたいな。
現代にも名人フィーバーは巻き起こるのか!?
最後に小話というか半分ネタですが、本作「アーケードモード」ではなんとモニターを90度回転させることにより縦型モニターにしてアーケードさながらのプレイができるんです!
こんな風にね!
よっこいガシャーーーン!
…今のモニターは90度回転させることができますが時代はブラウン管テレビ。
物理攻撃感が半端ないプレイスタイルですね…
もちろんそれによるテレビの故障は保証外。
新たな遊びを提供するにもある意味、制作者もユーザーも命がけですね。
まとめ
前作、前々作と同じシューティングゲームながらも、まったく違う遊び方を展開していった三作品。
どれも同じ世界の舞台なのに、世界はこんなにも選択肢がある。
空中だけじゃない、陸上も。
戦闘機だけじゃない、ロボットも。
そして挑戦を受けるだけじゃない、挑戦をしにいく。
そんな様々な戦いを繰り広げる本シリーズは全てプレイしても前々違う景色が見える。
甘いものからしょっぱいもの、辛いものというように飽きがこないシリーズをサイクル的にほっする。
そんなシリーズの今回は最終作。
まあ、また「空牙」からやるんですけど。
それでは次もね~