不思議なダンジョン。
ただの洞窟にあらず外界には存在しない、もしくは洞窟に存在するからこそ摩訶不思議に形を変える不思議な空間。
不思議のダンジョン。
不思議であることが前提なそのダンジョンに覚悟を持って挑むアイテム商人や風来人、マジック少女、鳥やはたまたポケットサイズのモンスターまで数多者猛者たちが伝説となった。
その不思議のダンジョンにはその臭気を帯びたような不思議なアイテムが数多く存在する。
そんな貴重なアイテムが存在するダンジョンもただで冒険者を返しはしない。
そのダンジョンは誰一人として同じ風景を拝むことは出来ないのだから…
今回紹介するレトロゲームは1000回遊べるローグライクでその名をはせた「不思議のダンジョンシリーズ」からあの「風来の女剣士」が活躍するこちらのゲームです。
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・不思議のダンジョン風来のシレン外伝 女剣士アスカ見参!
ジャンルローグライクゲーム プレイ人数1人・セガ(DC版)
・チュンソフト(PC版)
・ネバーランドカンパニー
・2002年2月7日(DC版)
・2002年12月20日(PC版)
・2004年2月27日(PC版:ベスト版)
Dreamcast(ドリームキャスト)
Windows98~7(PC)
・無
・名作「風来のシレンシリーズ」の大人気キャラクター女剣士「アスカ」をプレイヤーキャラクターとして使用できる。
・進化したモンスター育成要素に加えバラエティーに富んだダンジョンなど更に1000回以上遊べる要素満載な追加コンテンツ。
・発売当時に配布されていたダウンロードコンテンツがオフラインパッチにより現在(2018年12月現在)も完全版状態(PC版のみ)でプレイ可能。
不思議のダンジョンシリーズとは
「不思議のダンジョンシリーズ」とはローグライクというジャンルで「1000回遊べる」と銘打ってその繰り返しの中毒性からゲームのジャンルとして確立し第一作目の「ドラゴンクエストシリーズ」のアイテム商人「トルネコ」を主人公とし自身のアイテム商店での武器やアイテムの調達をRPG世界ならではの世界観で再現したスピンオフ作品である「トルネコの大冒険」。
不思議のダンジョンシリーズから産まれたオリジナルシリーズで「風来人シレン」を主人公とし旅をしながら自身の装備を調達する現地調達式風来人シリーズ「風来のシレンシリーズ」。
ドラゴンクエストと対を成す2大RPG巨編「ファイナルファンタジーシリーズ」からその愛くるしい外見からマスコットキャラクターとして人気となった「チョコボ」を主人公とした「チョコボの不思議なダンジョン」。
更には育成RPGの巨塔、「ポケットモンスターシリーズ」より「ポケモン不思議のダンジョンシリーズ」。
これまたRPG界の異端、「ペルソナシリーズ」でお馴染み「アトラス」とのコラボが実現した「世界樹の迷宮シリーズ」より「世界樹と不思議のダンジョン」があり、度々RPGの名作とコラボを実現しており次回作はどんな大作とコラボするのか注目の熱いシリーズです。
ゲームシステムとしてはプレイヤーが多階層で構成されたモンスターの巣窟であるダンジョン(シリーズによって建物や地下や天空など多岐にわたる)を攻略していくゲームです。
シリーズ通しての最大の特徴は同じダンジョンでも入るたびに地形、構成、アイテムの位置、種類、モンスター、ワナの配置が変化します。
「食べる」・「飲む」・「振る」・「打つ」・「ころがす」・「読む」・「入れる」・「見る」・「投げる」・「置く」などそれぞれに意味があるテクニックであり、それら多くの選択肢をアイテムに適用することで無限の攻略方法が生まれます。
これらの毎回全く違う状況でその場に合わせたテクニックを屈指してダンジョン攻略を楽しむ正に「1000回以上遊べる中毒」が病みつきなゲームです。
ストーリー
天輪国。
ここは、巨大な輪の形をした天輪山脈と、その輪の中に天輪の樹海がある、深い自然に囲まれた土地である。
今この国では、半月前よりひとつの問題がもちあがっていた。
樹海の奥深くに砦を構える「鋼賀(こうが)」という忍びの集団があろうことか、近隣の村人や旅人を襲い、その荷を奪うという事件が続発しているのだ。
だが鋼賀はもともと、モンスター退治を生業とし、平和を守る者たちとして知られていた。
彼らはなぜ変わってしまったのだろうか……?
一年の修行の旅を終えて天輪国へ帰ってきた、鋼賀のくのいち・ミナモ。
彼女は、鋼賀が人を襲うという話に驚愕する。
「そんなはずない!鋼賀は、そんなことしないわ!」
彼女はかつての、平和を守っていた鋼賀しか知らなかった。
さっそく真相の究明に乗り出すミナモだったが、なかなかうまくはいかなかった。
そんなおり、一人の少女がこの国を訪れた。
彼女の名はアスカ。
まだ若いが、剣に己の身を託し、風来修行の旅を続ける剣士である。
アスカはかつて旅のおりに出会った友人、シレンとコッパに会うために、この国に来たのだった。
そしてアスカは、豊かな農村である「十六夜の里」で、コッパと再会するー。
「不思議のダンジョン風来のシレン外伝 女剣士アスカ見参!」説明書より
PC(Windows)版とDC(ドリームキャスト)版の違い
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本作はPC(Windows)版とDC(ドリームキャスト)版の2種類で発売されています。
両機種とも差ほどストーリーの補完要素としてどちらかが決定的に欠けている要素というのは無いのですが当時のインターネットの普及や今では当たり前であるゲーム機種のネットワーク環境などの違いによりコンテンツに違いがあります。
それは追加コンテンツ、今でいうところのダウンロードコンテンツ(DLC)です。
後発のPC版はDC版のやり込み要素満載のダンジョンの高難易度、更にはアップデートによる追加ダンジョンなどDC版でも十分すぎる内容がネットでの配信要素によりさらにパワーアップしました。
残念ながらDC版の配信サービスは終了したもののPC版については配信ダンジョンやオンライン専用モードをオフラインで実行可能な「オフラインパッチ」を配信し今後もフルバージョンでプレイできる状態とし今なお配布しています。
そのため死ぬほど遊べるローグライクとして今なおファンの間では長くプレイされ続けています。
しかし、プレイ環境がWindows10などの環境に合わない事やドリームキャストという少しマイナーな(私たちゲーマーではメジャーであると信じていますが)ハードということ、アーカイブス配信がないなどがあります。
また中古相場、特にPC版は一度再販されているものの出荷本数も少なく、現在も他機種でのリメイクなどの動きもないためDC版共に高騰しています。
おすすめしたいゲームではありますが、その後も派生、続編などシリーズはありますがシレン以外での外伝作品なくあまり今後の発売や配信などリメイクの期待も持てません。
アスカ自身も凄く人気なキャラクターだけにいい意味で残念な作品です。
ですが、この一本が世に出た事を感謝するあまりの残念ですけどね。
あの人気キャラクターが主役へ昇格!?ファン歓喜の風来外伝
本作の主人公であり風来シリーズ人気キャラクターにして僕らのヒロイン!
見目麗しく凛々しい振る舞いは女剣士属性というジャンルの中で圧倒的なポテンシャルを放つ美女。
その名は「アスカ」。
彼女の初登場はニンテンドー64で発売された風来のシレンシリーズの名作「風来のシレン2 鬼襲来!シレン城!」で風来のシリーズ主人公「シレン」の仲間となる女剣士です。
サブヒロインも女性キャラクターの「ミナモ」ということもあり女性視点でのキャッキャウフフなシナリオ展開も見どころの一つ。
今回はシレンの相棒「コッパ」も仲間となりシレンシリーズならではの空気感も忘れていません。
風来のシレン2よりもアイテム、ダンジョンの種類や構成でもパワーアップしておりアスカファンにも不思議のダンジョンファンにも嬉しいみんなお得な一本です。
・新要素「エレキ箱」によるモンスター育成要素が熱い!
風来のシレンシリーズのお助け要素として仲間の同行があります。
しかし、それだけでは物足りない。そんな中熱くさせたのがダンジョンで行く手を阻むモンスターたちを仲間にできるということ。
不思議のダンジョンシリーズはモンスターそれぞれの種類に下位種、上位種が存在しており主に色の違いでその種族の上位下位が判別できる。
そしてモンスターによって主人公のステータス異常や中には凄まじい攻撃の手数や破壊力を持つものもおり、それが上位になるほどとても厄介な相手となります。
ですが逆にそれらのモンスターを仲間にできたらこれほど頼もしいことはないですよね?
それを叶えてくれるのが風来のシレン2から実装されて好評なシレンシリーズのモンスターボールこと「モンスターの壺」による捕獲システム。
それが本作では「エレキ箱」としてパワーアップしました!
・多種多様な鬼畜ダンジョンから特殊ダンジョン、ネタダンジョンまで豊富なダンジョン
ただでさえ遊び方が豊富な不思議のダンジョンがこれでもかというくらい多種多様なダンジョンを詰め込んでパワーアップした本作。
本編「八魔天編」より「~の試練」と様々なシチュエーションを取り揃えたダンジョンの高難易度版(PC版)。
一風変わった条件または制限を屈指して攻略する配信ダンジョンである「週替わりダンジョン」。
これらのダンジョンがやり込みを行った、その領域までたどり着き更なる遊び心や高みを目指したいユーザーにはうってつけのコンテンツです。
当時ドリームキャストやPC環境という玄人向けのハードで発売されたため販売が振るわなかったという側面を持つ本作ですが、インターネットという環境を用いて徹底的に更なる遊びを提供しようとするユーザーファーストなゲームです。
更にオンラインサービスが終了してもオンラインコンテンツで遊べるようにオフラインパッチを配布したのもこれからも長く遊んでほしいという開発者の思いが本作には伝わってきます。
個人的には「週替わりダンジョン」が玄人じゃないと考案しないような縛りプレイをあえてユーザーに認識してもらうことによって挑戦心をくすぐる個性的なダンジョンばかりです。
・女勘定奉行
ねずみ小僧ばりのギタン(シレンシリーズのゲーム内通貨)投げを屈指して攻略するダンジョン。
このダンジョン内ではギタンと食料、保存壺しか手に入らない。
不思議のダンジョンシリーズはアイテムを投げることでそのアイテムの効能が何らかの結果を生み出すのだがギタン投げは少々のダメージを与えるのみ。
ギタンは通貨として使う時にこそ一番使い時であり価値あるものなのに投げ捨てるようギタンを使用するのはある種の快感でもあろう。
「足元が暗いからお金を燃やそう」という成金ばりの無駄遣い。
「ギタンを使いたくても使えない。モンスターに襲われたので仕方なくギタンをぶつけてみたら倒せたのでそうした。殺すつもりはなかった。」などと供述してしまうほどギタンしかないダンジョンです。
・巣窟効率勝負
アイテムを5個まで持ち込み可能、プレイ初期の頃の乏しいアイテム環境を思い出される現地調達型のダンジョン。
ゲーム開始当初の環境+特殊なダンジョンという基礎を振り返りつつも新たなダンジョンへの新鮮さがあるダンジョンです。
・もろ手狩り
両手持ち用装備品しか装備できないダンジョン。
両手持ちは手数も増え攻撃力が増すだろうと思うが不思議のダンジョンシリーズをやっている人なら分かるであろう。
上位ダンジョンほど盾を装備しないなんて考えられないと…
しかし、風来のシレンシリーズだと宮本武蔵のような二刀流と様になっており、制限してでもプレイしてみる価値のあるダンジョンです。
・ガチンコ万歩計
10000ターン経過するとその時点で終了。終了時点までの潜ったダンジョンの深さで記録を競うダンジョン。
ターン数を大事にするあまり敵の返り討ちにあったり、無駄に動き過ぎて記録を狙えないなどシビアなダンジョンです。
・万歩の経験
「ガチンコ万歩計」の経験値の取得量で競う版のダンジョン。
こちらのダンジョンは経験値を稼がなくてはいけないためガチンコ万歩計のようにモンスターを回避しないで倒して進まないとスコアが稼げない。
見方によってはガチンコ万歩計よりシビアなダンジョンでしょう。
・無明地獄
敵が全て透明で、攻撃したりダメージを受けるまで正体が分からないダンジョン。
怖いですよね。
シレンシリーズでは真っ暗で自分の手前までしか視界がないステージもありますが、ダンジョン全てのステージで更には手前までもが見えないのは大きな障害となります。
「一寸先は闇」以上の一寸すら見えない恐怖のダンジョンです。
・からくり白蛇島
アイテム持込不可・NPC同伴不可・大半のアイテム未識別という「白蛇島」の制限をベースに自身は罠にかからず、モンスターが罠にかかるという本編「カカ・ルーの試練」の高難易度版。
・一致団結
本作で仲間にできる4人(ミナモ、ジンパチ、キハチ、ヘイジ)を連れて攻略するダンジョン。
みなと共にダンジョン攻略はとても心強いのですが…これはあくまで特殊ダンジョン…
このダンジョンのルールは「仲間が一人でもやられるとゲームオーバー」というもの。
「くっ私はいいからあなたたちだけでも先に行って!」なんて熱い展開はダメです。
もっと熱く「あんたを見捨てて行けるかよ!」と決して仲間を見捨てない熱い人情ダンジョン。
しかし「事実は小説よりも奇なり」そんなかっこいい展開だけに難易度も高く犠牲プレイが得意なゲーマーたちには厳しいダンジョンです。
・巣窟効率五箱勝負
このダンジョンは「巣窟効率勝負」のエレキ箱5個制限版です。
エレキ箱制限は上記ダンジョンではないことやエレキ箱は育てたモンスターを持ち込める有用なアイテムだけに制限があると厳しいかもしれません。
しかし、エレキ箱に頼らない通常攻略はできるためアイテムの当たり次第では割とのんびり攻略できるダンジョンです。
・ファイト一発
アイテム持込不可・NPC同伴不可・大半のアイテム未識別という「白蛇島」の制限をベースに自身は奥義の巻物を使い秘技を唱えて進む本編「クロンの試練」の高難易度版。
・自由経済活動
落ちているアイテムはギタン(シレンシリーズのゲーム内通貨)のみのダンジョン。
序盤はシレンシリーズお馴染みギタン泥棒モンスターの「ガマラ」をモチーフにした「ガマラのムチ」、「ガマラの盾」を初期装備としギタンを稼ぎながら進みます。
「女勘定奉行」のようにギタン投げを屈指して進むのではなくほぼ全ての階層にアイテム屋がありそこでアイテム・武器の調達を行えます。
アイテム屋は普段のダンジョンではそう多く拝めるものではないのでギタンを集めながら次の階層はどんなアイテムが取り揃えられているんだろうとワクワクしながら攻略できるダンジョンです。
このように太く長く遊べる理想の状態で現在も遊ばれている名作ローグライクゲームです。
ぶっちゃけ名作なのもあるがアスカが主人公というだけ付加価値はかなり高いですね。
ゲームファンにグッとくる名脇役が主役に昇格、名作、価格高騰、アーカイブス無しと伝説になるべくしてなったという要素満載ですね。
まとめ
不思議のダンジョンシリーズの外伝として発売された本作。
不思議のダンジョンシリーズでの派生作品は多く存在するも「外伝的作品」は極端に少ないのでそれだけキャラクターが魅力的な作品の外伝は貴重ですね。
不思議のダンジョンシリーズの正規の外伝だと知る限りこの作品と「ドラゴンクエスト8」の「ヤンガス」の少年時代を描いた「ドラゴンクエスト 少年ヤンガスと不思議のダンジョン」ぐらいですかね?
そう考えるとシリーズは多いが外伝作品として高価でありますが思い切って買ってみてもいいかもしれませんね。
それだけの価値はあります。
風来のシレンシリーズ好きなら本作を確保してあとはぼちぼちでもいいくらいです。
個人的には「風来のシレン2」も大好きなのですが!
初心者の方はやめ時が分からなければ「秘剣カブラステギ」という超カッコイイ武器を作ってからやめることを判断してください。
私はこれでやめることをやめられました。
それでは次もね~